2017ドイツ滞在記(10)ーー北海2017年07月05日 00時07分34秒

19日(月)。今日は北海を見たいと思い、有名なシュニットガー・オルガンのあるノルデンをめざすことにしました。ハンブルク駅の本屋さんでガイドブックを探すと、見つかりません。店員さんに聞くと「シュレスヴィヒ=ホルシュタインでしょう」と言うので、いや違う、ニーダーザクセンのはずだ、答えると、そんな町は聞いたことがない、とのこと。ずいぶん探してくれ(笑)、オランダの近くに場所は見つかったが、ガイドブックはない、ということになりました。

後で考えると、「オスト(東)フリースラント」で探せばよかったのですね。ドイツの北西端に行く、という意識が強かったので、「東」の付く地名が思い浮かびませんでした。

ブレーメン乗り換えで、やはり計3時間かかります。ぼんやり乗っていましたが、延々たる平原なので、風景は単調。到着は、やはり2時になりました。

ガイドブックがないので、とにかく旧市街へと歩きます。まずルトゲリ教会が目標。20分ほど歩き、いい加減この辺だろうと思ったところで、全面改装中の小さな教会に出会いました。入り口に、聖ルトゲルスの地域との関係を記した案内板があります。ここかあ、しかし改装中で残念だなと思い、一応入り口を押してみると、入れるではありませんか。良かった!


う~ん。教会のみならず、オルガンもずいぶん小さいのでびっくり。名匠アルプ・シュニットガーはこういうところにいいオルガンを遺しているのかと感心し、今度放送で出すときには、それがいかにひっそりした目立たない教会にあるかをコメントしよう、と心に決めました。

そこから少し別方向に歩いてみると、巨大な建物があります。これはなんだろう。



表に回ってみると、こんな案内板が。


シュニットガー・オルガンのコンサートの宣伝が出ています。つまりこの巨大な建物が真のルドゲリ教会であって、先ほど入ったのは、ルドゲルスゆかりの教会群の一つであると判明(汗)。わかってよかったです。「皆さん、さぞ大きな教会だと思われると思いますが、じつは・・・」などと言ったら大変でした。

ここは月曜日は12時までで、中は見られず。駅まで戻り、タクシーで海岸のノルトダイヒ・モーレへ。運転手さん、実直ないい人でしたね。今日は暑いですねえ、と言うと、とにかく暑い、いつもなら雨が降って涼しくなるのだが、雨がまったく降らないので、もう花が枯れている、とのこと。また、このあたりにはアジア人がたくさん入ってお店をやっている、みんな勤勉でいい人たちだ、と言っておられました。

レストランに北海の眺望を独占できるような席を取り(野外、日よけなし)、ビールと魚で昼食。目の前に測量計があり、このような温度を示しています。


暑いわけですね。しかし湿度が低いので、それほどは感じません。私は水も持たず、帽子もかぶらずに炎天下を歩き回っていて平気。それは、山登りをやっていたからにちがいありません。でもそろそろ、熱中症に気をつけないといけないですかね。



どこに行っても、海を見たくなります。北海を見られて良かったですが、この海岸はのっぺりして、日本の海洋美にはとうてい及ばない、とも思いました。ともあれこれで、一通りドイツを歩いたことになりました。

2017ドイツ滞在記(11)--ツェレのコインロッカー2017年07月05日 22時52分07秒

20日(火)。明日ライプツィヒ空港から飛行機に乗りますので、ハンブルクからなるべく近くに戻っておく方が安全です。そこで、泊まりは空港にすぐのハレとし、ハノーファー経由の途中立ち寄れる、リューネブルクとツェレを訪れることにしました。スーツケースは空港のコインロッカーに預けていますが、手持ちの荷物もかなりの重さなので、コインロッカーを使いながら観光できれば、と思いました。

まず、リューネブルクで下車。バッハが15歳のときオールドルフの兄のもとを離れ、聖歌隊員としてやってきた北ドイツの町が、リューネブルクです。変声したこともあって滞在は2年に満たなかったようですが、初期のコラール・パルティータなどが作曲されています。私としては、30余年ぶりの訪問です。

ホームにコインロッカーがありましたが、壊れかかった代物で空きもなく、荷物をかついでの観光となりました。まず訪れた聖ニコライ教会は前回は訪れなかったところで、これもかなりの教会。そこから市街地を少し外れたところに、バッハが寄宿生となった聖ミヒャエル教会があります。


ここではCDを2枚買ったのですが、売り場にいた年配の女性が優しく上品な方で、けっこう感動。というのは、ハレの空港で軽食の売り場にいた女性が険しい顔をした人で、ソーセージとビールを注文したところ、「そんなものはない!」と言った(ように聞こえた)経験があったからです。渋々作ってはくれましたが、こういう経験も過去に何度かあるので、この違いはなんだろう、と。信仰をいい形で生かした人はこうなるのかなあ、と思わずにいられませんでした。

街並みの美しさは北ドイツの特色であるように思いますが、リューネブルクは、ドイツ人の観光客も「きれいな町だねえ」と言っていましたから、上位だと思います。市庁舎はこちら。


最大の見どころは、ゲオルク・ベームのいた聖ヨハネ教会。その高度感はすごく、中のオルガンも立派です。



荷物をもって歩き回るのはたいへんなので、次の目的地、ツェレにコインロッカーがあるかどうか、心配になりました。そこでネット検索してみたのです。すると、同じ心配をした人の投稿があり、いくつかの回答の中に、あります、これですよと、ずいぶん立派なコインロッカーの写真が載っていました。検索してみるものだなあと大いに安心し、ツェレへ。皆さんも、私がコインロッカーを利用するのは歓迎ですよね。

ツェレはフランス様式の文化生活を営む宮廷の所在地で、バッハがフランス様式に通暁したのは、リューネブルク時代にここを何度か訪れたからだ、というのがバッハ研究の通説です。私は、今回初めの訪問でした。

さっそくコインロッカーを探しますが、見あたりません。業を煮やしてインフォーメーションで訊いてみると、それはない、近所のペンションで相談してみたらどうですか、という返事。ネットに載っていた応答は数年前のものなので、あったのがなくなったのでしょうか。だとすると、最新情報を探さないといけないですね。でも痕跡すら見あたらないので、情報の真偽を考えてしまいます。ともあれ、日本のような感覚でコインロッカーを当てにするのは考えものだ、と思った次第です。

しかしツェレは、いいところでした。まず中央広場で昼食。


接して、宮殿があります。今は博物館になっていますが、その展示は立派なもので、バロック時代の生活がよくイメージできました。


近くには、フランス式庭園もあります。かなりの広さです。


ハレに移動して宿に入り、空身で中央広場へ。「ロッシーニ」という、メニューにその肖像も載っているレストランで、遅い夕食を摂りました(味はちょっと・・)。旅行最後の写真は、食事をしたところのすぐそばから撮った、ハレの夕景です。夜の9時半ぐらいです。


翌日、空港のコインロッカーから無事荷物を取り出し、日本に帰ってきました。同行の方々、お世話してくださった朝日旅行社の方々、ありがとうございました。え、長々と読んだが何も面白いことがなかった、ですって?私は旅行でいいツキをたくさん使いました。これからに期待していただければと思います。