9月のイベント2017年09月03日 22時36分22秒

恒例のご案内です。もし日にち、曜日など間違っていたらお知らせ下さい。

9月から、改装していたサントリーホールがリオープンしました。さっそく、「サマーフェスティバル」が進行中です。片山杜秀さんの「日本再発見」シリーズがあり、私もまいります。トイレがすばらしくなったという評判なので、皆様、性別に従って、ぜひご体験ください。

6日(水)が仕事始めです。朝日カルチャーセンター新宿校の「オペラ史初めから」のシリーズ、ヘンデル《ジューリオ・チェーザレ》第3幕で、今期を閉じます(10:00から)。

9日(土)には広島大学の公開講座「芸術と老年」シリーズで、「音楽における老いと救済」という話をします。人ごとではありません(笑)。16日(土)には、湯河原の町民大学でお話します。こちらは「音楽と老年--深く極める喜び」というテーマにしました。どんな実例をご鑑賞いただくか、考えているところです。

17日(日)からの週は、既報の通り、大阪のウィーン・ムジークフェストです。24日(日)に立川の「楽しいクラシックの会」。オペラの歴史の勉強をしていますが、シュトラウスの《ばらの騎士》に進むつもりです。10:00~12:00,錦町学習館です。

30日(土)は朝日カルチャーセンター横浜校のモーツァルト講座(13:00~15:00)。ピアノ協奏曲のシリーズを、第26番《戴冠式》と第27番変ロ長調で締めくくります。来月からは、ウィーン時代の声楽曲に挑戦します。

今、テレビで皇室ご婚約の記者会見をやっていました。眞子様のお人柄としっかりした受け答えには、感動しました。いい出会いに恵まれて、よろしかったですね。今時珍しいことと、お祝い申し上げます。

個人的疲労の問題2017年09月05日 23時22分31秒

連日、論文に携わっています。どうなっているのかな、と思ってくださる方もおられるようなので、中間報告を少し。

一定時間やると疲れてしまってダメ、と先日書きましたよね。9月になったら、あまり疲れなくなってきたのです。それは締め切りが迫り、緊張が増してきたためです。過労になる可能性があるので、いいのか悪いのかはわかりません。

8月にいけるところまでいき、9月はあきらめてまとめに入る、とも申し上げました。しかし見直すとどうしても、ここはもう少し調べておかないと、という思いが出て、時間をかけてしまいます。仕上げにかけられる時間がどんどん減っているということです。昨日は、これはとても間に合わないな、と思っていましたが、今日相当がんばって、なんとかなるかな、と持ち直しました。でも完璧にはほど遠く、これは個人の限界です。

とはいえ、本を書くだけならばとてもここまではやらなかったと思うので、学位論文をめざして、本当に良かったと思っています。間に合わなくなっても、それなりの形で、完成させ提出します。

明日は1日、外出。8月のようなわけにはいきません。

「向き合う」こと2017年09月10日 23時39分43秒

9日(土)は、広島に日帰り。広島大学の公開講座「芸術と老年」の枠で、お話をしてきました。「アンチエイジング」という言葉がこれからは使われなくなるそうで、講座に影響があるかなと思っていたら、講座の英語名は「アーツ・アンド・エイジング」なんですね。誤解していました(笑)。

今回は救済というテーマにかかわらせようと思って考えたのですが、老年と結びつけて救済の問題を考えると、すべてが「安らかな死」という方向に収斂するように思うのです。それに尽きる、というように思えます。でもこれって、バッハのテーマですよね。カンタータの多くが、まさにこのテーマに向き合っています。そこで、バッハのカンタータを材料にお話ししました。鑑賞したのは、82番の抜粋と、106番の全曲です。

広島の受講生の方は、こういう問題にきちんと向き合ってくださるので、率直にお話ができました。今週土曜日の湯河原の町民大学でも音楽と老いの問題を話しますから、今度は56番を使おうかなと思っています。

今日(日)は、サントリーのサマーフェスティバルで、「戦中日本のリアリズム」というコンサートを聴いてきました。4曲あって、1941年が1曲、43年が1曲、44年が2曲。私が生まれる前の話です。

感想は2曲に絞りますが、伊福部昭の《ピアノと管弦楽のための協奏風交響曲》(1941年)には驚かされましたね。雄大なスケールと革新的(と言いたくなる)民族語法で、今聴いても、まったく新鮮なのです。小山実稚恵さんが、渾身の名演奏。

その後に、諸井三郎の交響曲第3番(1944年)がありました。日本音楽史上では有名な作品ですが、いつ聴いたか、思い出せないほど。今回きちんと聴いてみると、いわゆる「精神性」がすべての音符に宿っていて、思わず居ずまいを正してしまうような作品なのです。精神性って実在するんだなあ、などとあらためて思ったのが不思議。下野竜也指揮、東フィルの演奏は荘厳そのもので、じつに立派でした。

こうした作品が時代とどうかかわるのかは、簡単には言えないと思います。しかし、時代と向き合っていることは、確かなのだろうと思います。片山杜秀さんの企画に拍手。

心ならずも2017年09月18日 23時34分16秒

台風に翻弄された連休になってしまいましたが、皆様、ご無事だったでしょうか。4島すべてに上陸は史上初ということで、天気図を見ると、歌詠み・久美さんお住まいのあたりを通過したように見えます。大丈夫でしたか?

私も無関係でいられなかったのは、今週のいずみホール/ウィーン・フェストが日曜日のスタートだったからです。コンサートの前後に大阪にやってくるような予報が続いていましたので、16日(土)の湯河原町民大学の後、そのまま大阪入りする案も考えていました。しかし朝発ちでも大阪に到達はできるだろうということになり、前日入りはなしに。

湯河原には、去年のコンサートに続いて呼んでいただきました。由緒ある町民大学の温かい雰囲気は、やはり格別です。温泉は人をなごませるんだなあ、と感じます。一風呂浴びて・・・はさすがにあきらめましたが、おいしいお蕎麦屋さんを見つけたので、また寄れる時があればいいなと思っています。

一方の大阪では、スタッフが何度も会議を開いて、台風対策を練っていました。天候によっては飛行機が飛ばない可能性もあり、むずかしい選択だったようです。結果として、土曜日お昼の時点で、コンサートの月曜日への延期が決断されました。自然には勝てませんので、やむなくの安全策。皆様にはご心配をおかけして、すみません。

コンサートは本日実施され、演奏がすばらしかったという情報を、複数の筋からいただいています。ブーフビンダー氏の演奏、木曜のトリオ、土曜日のコンチェルトとありますので、ぜひお出かけください。

私自身は月曜日に東京で重要かつ大切な用事があり、延期に対応できませんでした。これについては、次話でご報告します。

尊敬する友人とのお別れ2017年09月20日 22時33分29秒

18 日の月曜日には、六本木の国際文化会館で、8月に逝去された三宅幸夫さんのお別れの会がありました。尊敬する友人でかけがえのない同業者であったものですから、こちらを、すべてに優先させていただきました。

訃報に接したとき、すぐにでも追悼の文章を書こうかと思ったのですが、時期を待った方がいいようにも思われ、控えていました。でも結果として、新鮮な気持ちでスピーチができました。専門的な能力のきわめて高い方で、ワーグナー研究、日本ワーグナー協会の運営と実績、音楽批評、慶応大学その他での教育などに並びない業績がおありになり、惜しんでも余りあるご逝去でした。

私は協会理事ですのでお迎えする方に回らせていただきましたが、予想をはるかに上回る方がお出でになり、庭を開放してスペースを作ってもらうことに。こういうときにわかる、人徳です。奥様を力づけにいらっしゃる方も、たくさんおられたようです。万人の認める、有能で献身的なパートナーでいらっしゃいました。

展示されている出版物に交じって、研究用のスコアがありました。考察やメモを、丁寧に美しく書き込まれているのに驚嘆。自分が恥ずかしくなりました。とてもいい会になりましたと、お伝えしたいと思います。

巨匠の実力2017年09月22日 00時41分42秒

「ウィーン・フェスト2017」で大阪に来ています。20日(水)のピアノ・トリオから、私も合流できました。曲目はベートーヴェンの《大公》とメンデルスゾーンの第1番。ヴァイオリンのダナイローヴァ、チェロのヴァルガ、ウィーン・フィルの両首席がピアノのブーフビンダーを囲むという豪華版です。

演奏はそのすばらしさに驚かされた、というのが正直なところです。ウィーンの底力を実感し、脱帽せざるを得ません。外側に広がるトリオでなく、内方集中的なアンサンブルなのですが、それでいて、正攻法でこそなしうる、スケールの大きさがある。若く優秀な2人の弦楽器奏者をブーフビンダーが豊かに包み、澄んだ美しい音で、音楽を進めてゆくのです。

メンデルスゾーンは作品が雄弁に書いてあるので、名人芸的な「丁々発止」感が加わり、いちだんとエキサイティングに。アンコールのハイドン《ハンガリー風ロンド》で、盛り上がりは最高潮になりました。お客様の反応は、ホールとして経験した最上のものの一つだったと思います。

21日(木)は、鉄板焼きで会食。私が中央の席で、右側にブーフビンダーご夫妻、その先にヴァルガさん、左側にアンギャンご夫妻。ホスト役、まことに光栄ではありますが、なにしろ語学力に限界がありますので、思うにまかせないのが残念です。しかし皆さん大の親日家で、日本を存分に楽しんでおられます。前オーストリア大使の田中さんにご同席いただき、お助けをいただいたのがありがたかったです。

興奮したせいかなかなか寝付かれず、深夜ですがご報告を書いています。22日(金)はアンギャンさんの講演会で私がインタビュアー、23日(土)が最後のコンサート=コンチェルトの会となります。

日替わりでいろいろな大曲を自在に演奏なさるブーフビンダーさん、そのレパートリーに驚きを申し上げたら、そうあるべきだと思って意識的にそうしている、とのことでした。巨匠です!

今月の「古楽の楽しみ」2017年09月23日 07時45分52秒

今月は、最後の週が出番になります。遅くなりましたが、ご案内します。

今月は原点に戻って、「ドイツ・バロックの5人」という企画を作りました。二番手クラス、しかしとても個性的で面白い作曲家を選び、新たに手に入れたCDを最低1枚ずつ使いながら構成しました。

25日(月)は、ミヒャエル・プレトリウスです。放送を重ねるにつれ、このシュッツ以前の作曲家のスケールの大きさが痛感されているものですから、晩年の曲集《ポリュヒュムニア》のコラール・コンチェルトを中心に、合唱曲、オルガン曲を集めました。《テルプシコーレ》からも少し入れています。

26日(火)は、ヨハン・ヘルマン・シャイン。3Sの一人でバッハの1世紀前のトーマス・カントルですが、この人の音楽はとても情感があって、近代的なのですね。宗教曲、器楽曲、世俗曲をちりばめました。自分で詩も書く世俗曲の才気は、なかなか。しかも早死にした人らしい陰影が、音楽のあるのです。

27日(水)は、ヨハン・ローゼンミュラー。今年ライプツィヒで生誕400年を祝われた作曲家ですが、ヴェネツィアに移り住んで成功した人だけに、その世界は、まぎれもなくイタリア。聴き映えがします。アマンディーヌ・ベイエとリ・インコーニティのすてきなCDから、いくつか紹介します。

28日(木)は、ディートリヒ・ブクステフーデ。オルガン曲とカンタータで構成しましたが、コレギウム・アド・モザムというロッテルダムのアンサンブルのカンタータが、ノリノリで面白いです。

29日(金)は、クリストフ・グラウプナー。上の4人が全部17世紀なので、次にグラウプナーが来ると、18世紀の音楽がいかに明るくなったかがわかります。管弦楽組曲、カンタータ、フルート・ソナタを並べてみました。テレマンとじつにいい勝負だと感じます。

以上、お楽しみいただければ幸いです。

絶体絶命2017年09月25日 22時14分46秒

先週後半は大阪で過ごしましたが、もちろんノートパソコンを持ち込み、時間を惜しんで、論文に励んでいました。

論文を提出するためには、製本が必要です。その心づもりをしようと、提出する大学に入っている三省堂書店に電話をかけ、10月2日(月)に受けとるには何日にお渡しすればいいか、と尋ねてみました。先週金曜日のことです。

担当者の返事は、「中2日見てください」というもの。そのぐらいは普通かなと思い、では何日に提出すればいいですか、と訊いたところ、「27日にお持ちください」とのこと。えっ、27日って、水曜日ですよ!

そこでわかったのは、「中2日」には、土曜日も日曜日も含まれない、ということ。当たり前のようですが、想定していませんでした。今は月曜日の夜で、もうじき火曜日になります。まさに、絶体絶命の状況です。

まだ、詰めるべきところ、補うべき情報、序文、レジュメ、参考文献など、課題がたくさん残っているのです。しかしもう疲れてしまいましたから、「すべては明日じゃな」という、真田幸村の心境で作業をやめました。悔いなくやりたい、と思っていましたが、悔いが残ることだけは、確実になりました。