3月のご案内2018年03月08日 19時34分25秒

錦まつりコンサート
去る3月4,5日に、礒山先生の葬儀はしめやかに執り行われました。ご参列、供花、弔電、誠にありがとうございました。

さて、礒山先生が無念にも残されたお仕事については、ご遺族のお許しを得まして、当「I招聘教授の談話室」で引き続きご案内したいと思います。よろしくお願いします。

                                        担当:まさお

1. 礒山先生が企画から出演まで携わってこられた、毎年恒例の「錦まつりコンサート」が、10日に開かれます。礒山先生の軽妙なお話は、残念ながら聞くことがかないませんが、ご遺影で参加いただきます。ぜひ、お越しください。

3月10日(土)14:00~ 東京都立川市錦町3-12-25 立川市錦学習館

「錦まつりコンサート」

出演:青木洋也(カウンターテナー)
    久元祐子(ピアノ)
    礒山雅(ご遺影参加)

2. 礒山先生がレギュラー出演していましたラジオ番組「古楽の楽しみ」。来る12日から16日にかけて、2011年の番組スタート時から7年間の放送からえりすぐりの回を、一挙アンコール放送します。詳しくは、下記番組ページで。

http://www4.nhk.or.jp/kogaku/

新年の「古楽の楽しみ」--祈りを集めて2018年01月05日 21時52分29秒

年頭にあたりふさわしい企画を、と考えましたが、日本のお正月にばっちりはまる古楽は思い当たりません。そこで、1月は、「祈り」の音楽を特集しました。宗派を超えたイメージで聴いていただければと思います。

8日(月)は、「祝福の祈り」です。祝福の祈りがテキストにたくさん出てくるのは、詩篇曲。クロード・ル・ジューヌ、シュッツ、ヨハン・ルートヴィヒ・バッハの詩篇曲をまず聴き、ヨハン・ルートヴィヒ・バッハのカンタータを経て、バッハ《ロ短調ミサ曲》の〈ベネティクトゥス〉+〈オザンナ〉で締めくくります。ルートヴィヒのカンタータはバッハがライプツィヒの礼拝で上演したもので、たしかにそれに値する作品です。

9日(火)は、「平和の祈り」。これは事実上、三十年戦争とヴェストファーレン条約にかかわる作品の特集になりました。作曲者はキンダーマン、シュターデン、ヴィートマン、シュッツ、ヘルプストで、嘆きの曲と喜びの曲が、歴然としたコントラストで並んでいます。勇士グスタフ・アドルフの死に捧げる曲も2曲。締めはもちろん、《ロ短調ミサ曲》の〈ドーナ・ノービス〉です。

10日(水)は、「憐れみの祈り」。このレパートリーは、古楽には豊かです。詩篇のテキストによるラッスス、ドゥラランド、バッハ(=ペルゴレージ《スターバト・マーテルの編曲)の作品を一部抜粋の形でご紹介し、最後を《ロ短調ミサ曲》の〈アニュス・デイ〉で締めくくります。

11日(木)は、「快癒の祈り」。このテーマに特化した作品はありそうで少なく、選曲に苦労しました。最終的なプログラムは、ヴェックマンのモテット、クーナウの聖書ソナタから(第4番〈瀕死のヒゼキヤとその快癒〉、ハマーシュミットの詩篇曲、バッハのカンタータ第25番(この世を病院にたとえる)、《ヨハネ受難曲》第2稿の冒頭合唱曲となりました。

12日(金)は、「安らぎの祈り」。ラテン語の「パークスpax」は平和とも平安・安らぎとも訳せますが、死と向き合う内面指向の曲をこちらに集めました。ジョン・シェパードのレスポンソリウムのあと、シメオン頌歌を4曲(パレストリーナ、バード、クリストフ・ヴェルナー、ブクステフーデ)。シメオン頌歌はコラールにもなっていますので、こちらはバッハの和声付けと、ブクステフーデのカンタータで。最後に、イエスの慰めの言葉に付曲したヴェックマンのバス独唱カンタータを置きました。

こうご案内してみると、とんでもなく地味な週になりそうです。しかししみじみと心に染みる曲がいくつもありますので、気軽にお聴きください。いくつかの新録音を含めて、演奏には適材適所を心がけました。

計算がたいへんで・・・2017年12月24日 15時33分10秒

今年の仕事も、大詰め段階。22日(金)は、NHK「古楽の楽しみ」録音の最終日でした。

番組の準備には、かなり手間がかかります。手間の度合いは条件によって異なりますが、まちがいないのは、専門から離れるにしたがってたいへんになること。最近のように「・・の歴史」といった企画を立てると、離れたところから出発せざるを得ず、課題が多くなります。

予備知識が少ないですから、どんな曲があるか、どんな録音があるか、というところから始まり、集まった素材から趣旨にマッチするものを選び、それらを時代を追って、あるいは地域を経めぐる形で、並べてゆく。枠組みは「54分40秒」。少し短くても終了テーマが肩代わりしてくれますが、超えてしまうとアウトです。

歴史を遡るほど曲は短くなるので、たくさんの組み合わせが必要になります。候補曲のどれとどれを組み合わせるかは、最初は音楽的な問題ですが、進むにつれて、足し算引き算という数学的な問題になってゆきます。

私が計算に強ければ、それもまた、シンプルな作業でしょう。問題は、私が計算に弱い、しかも日々弱くなっている、ということにあるのです。間違った計算を含む形で帳尻合わせをしてしまうと、曲を差し替え、解説を書き換えなくてはなりません。そしてそれが、いつもの作業なのです。

準備したCDを郵送した後、メールでディレクターに解説原稿を送ります。すると、その段階で計算間違いを指摘される頻度が、じつに高い。原稿に大ナタを振るって帳尻を合わせたのに、じつは前の形でよかったのだ、などということになると、目の前が暗くなります。しかしまた、「ジャケットには7分と書いてありますが、計ってみたら11分でした」、といったケースも、まれにあるのです。そうなるともちろん、根本的な再検討を迫られます。

今回もそうしたことが起こりましたが、なんとか3本を録音しました。目下、「変奏曲の歴史」というシリーズを準備中です。

終了後、サントリー芸術財団の忘年会へ。私は三宅幸夫さんの思い出話をして、献杯をするという役回りでした。最近はいつも書いたものを持つのですが、今回は紙に書くタイミングを失し、まあ大丈夫だろうと、ぶっつけで本番へ。

そうしたら、計画した話の段取りを思い出せず、2回、立ち往生してしまいました。やはり、書いておかなくてはダメですね、この歳になると。

立食の会合では飲みながら歓談に専念し、帰路ラーメンを食べるのが、いつものことです。この日もそうしようと思い、スイカのチャージをしてから地下鉄に乗りました。その結果財布が空になったため、銀行でお金を下ろしてからお店に入ることにし、吉祥寺で下車しました。

そうしたら、銀行のことなどすっかり忘れて、お店に入ってしまったのです。はっと気がつき、カードが使えるといいが、と、心でお祈り。レジでは案の定「うちはカードは取り扱っておりません」とのことで、うなだれた私はいったん店を出てお金を補充し、お詫びして支払いをしました。

こんなことばかり書いていますね。自分は果たして大丈夫なのかな、と思うことの多い、この師走です。

今年最後の「古楽の楽しみ」2017年11月09日 23時42分32秒

「古楽の楽しみ」、12月は出番がないので、11月が最後になります。そこで、年末恒例のバッハの新録音紹介を、11月にやることにしました。今年のリリースでここ2~3年の録音、という原則で選びました。15年、16年の録音を中心に、17年もいくつかあります(古いものも少し)。今月、来月にもいいものが出そうですが、それは来年ということにします。

20日(月)は、鍵盤特集。クリストフ・ルセによる《平均律》第1巻から2曲、リチャード・エガーによるパルティータ第1番、以上がチェンバロ。そしてブレハッチのピアノで、パルティータ第3番です。

21日(火)は世俗音楽特集。管弦楽組曲第3番をゼフィロで、カンタータ第204番《満足について》の後半を、ドロテー・ミールツのソプラノとオルフェオ・バロックオーケストラで、ブランデンブルク協奏曲第4番を、フェリックス・コッホ指揮のノイマイヤー・コンソートで。勢いのある古楽アンサンブルが、次々と出てきますね。

22日(水)はジャンル混淆です。鈴木雅明さんのオルガンによる前奏曲とフーガハ長調(BWV547)で始め、BCJの最新リリースから、クォドリベトBWV524。これはすごいと思います。次にヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ第1番を、レイラ・シャイエのバロック・ヴァイオリン、イェルク・ハルベックのチェンバロで。次にアポロズ・ファイアというクリーヴランドのアンサンブルによる《ヨハネ受難曲》から、最初の2つのアリア。今評判のテリー・ウェイがカウンターテナーを歌い、アマンダ・フォーサイスというソプラノがまた、すばらしいです。最後は、椎名雄一郎さんのトリオ・ソナタ第2番から、フィナーレ。私の大好きな曲の、いい演奏です。

23日(木)は、オール日本人になりました。もちろんレベルが高いです。準備中ぎりぎりのタイミングで届いた若松夏美さんの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番が、トップバッター。次は大友肇さんの無伴奏チェロ組曲第1番から。最後に野平一郎さんの《インヴェンション》からで、これもぎりぎりに入ったものです。

24日(金)は、ルッツ指揮、ザンクト=ガレンバッハ財団の《ロ短調ミサ曲》からニカイア信条と、小山実稚恵さんの《ゴルトベルク変奏曲》の第25変奏以降で、脱帽の思いを抱きつつ、今年の放送を幕引きしました。

バッハの新しい名演奏をたくさん聴けて、充実の録音でした。皆さんもお楽しみください。

番組作り2017年10月25日 22時25分53秒

月日が経つのが早いというのは、週単位、月単位、年単位で感じるものですね。週単位で早いと感じさせるのは、テレビ番組の循環。年単位は、お正月とか、誕生日とか。私の場合、月単位の早さを痛感するのが、NHK「古楽の楽しみ」の巡りです。月末に、来月の企画を提出してください、という連絡が回るからです。

いまパーセルの特集が進行中ですが、すでに、来年1月の企画を提出したところ。今月は、パーセルの4本を含めて全部で9本の番組を作らなくてはならず、今週の金曜日と来週の月曜日に、来月分を録音します。論文の終わるのを待っていたために、今月、2ヶ月分を消化する必要が生じました。

11月が今年の終わりになりますので、バッハの新録音特集をします。今までわりと気軽に作っていたのですが、それではいけないような気がしてきて、配分を工夫しました。少し凝ろうと思うと、しっかり、時間がかかりますね。

よくしたもので、ぎりぎりの段階で到着する名演奏が、何点か。収録日との相談ですから、運もあります。CDにとっての運というより、私にとっての運です。私は特集制をとっていて、なるべく曲を重複しないようにしていますから、すでに放送した曲にいい新録音が出ると、こうした形で消化しています。バッハに限ってですが・・。

今月のCDは、シャイー指揮、スカラ座フィルの「スカラ座の序曲・前奏曲・間奏曲集」を選びました。有名曲、無名曲を取り混ぜた選曲がよく、イタリア・オペラの醍醐味が感じられます。

今月の「古楽の楽しみ」2017年10月18日 23時17分20秒

やっと録音を済ませたところです。今月の出番は最後の週で、パーセルを特集します。パーセル特集は2回目。極力新録音、というポリシーを守りました。全4回です。

10月30日(月)は、セミ・オペラ《アーサー王》の抜粋。演奏はフレデリック・ショーヴェ指揮、バロックオペラ・アムステルダムの2012年の録音です。バロックオペラを謳うだけあり、雰囲気のある、いい演奏です。

31日(火)は、ジャンルを超えたプログラムです。まず聖セシリア日のためのオード《ようこそ、あらゆる楽しみよ》(第1作)を、デュメストルの2016年最新録音で。次にザ・シックスティーンの2016年最新録音から、重唱曲、キャッチ、チェンバロ曲、アンセムの、とても気の利いた配列部分を切り出しました。最後は、名作とされるアンセム《心に湧き出る美しい言葉》を、シャンティクリアの演奏で。

11月1日(水)は、劇音楽にフォーカスしました。ホグウッド指揮の《アブデラゼル》組曲から入り、トリオ・ソナタとチェンバロの組曲を混ぜながら、アンドレアス・ショルのカウンターテナーによる歌を3曲。最後を《ほどかれたゴルディウスの結び目》組曲で結びました。ショルのCDに入っている、アカデミア・ビザンチナの演奏です。

2日(木)は、セミ・オペラに戻り、パーセルの遺作《インドの女王》(未完)を、ザ・シックスティーンの2014年の録音から抜粋しました(短いのでほとんど全部です)。

あらためて、パーセルの音楽の美しさを満喫。いままでセミ・オペラはみんな同じようなものに感じていましたが、今回ストーリーと突き合わせて調べ、特徴がよくわかりました。《アーサー王》と《インドの女王》、どちらも感服の名曲です。お楽しみください。

今月の「古楽の楽しみ」2017年09月23日 07時45分52秒

今月は、最後の週が出番になります。遅くなりましたが、ご案内します。

今月は原点に戻って、「ドイツ・バロックの5人」という企画を作りました。二番手クラス、しかしとても個性的で面白い作曲家を選び、新たに手に入れたCDを最低1枚ずつ使いながら構成しました。

25日(月)は、ミヒャエル・プレトリウスです。放送を重ねるにつれ、このシュッツ以前の作曲家のスケールの大きさが痛感されているものですから、晩年の曲集《ポリュヒュムニア》のコラール・コンチェルトを中心に、合唱曲、オルガン曲を集めました。《テルプシコーレ》からも少し入れています。

26日(火)は、ヨハン・ヘルマン・シャイン。3Sの一人でバッハの1世紀前のトーマス・カントルですが、この人の音楽はとても情感があって、近代的なのですね。宗教曲、器楽曲、世俗曲をちりばめました。自分で詩も書く世俗曲の才気は、なかなか。しかも早死にした人らしい陰影が、音楽のあるのです。

27日(水)は、ヨハン・ローゼンミュラー。今年ライプツィヒで生誕400年を祝われた作曲家ですが、ヴェネツィアに移り住んで成功した人だけに、その世界は、まぎれもなくイタリア。聴き映えがします。アマンディーヌ・ベイエとリ・インコーニティのすてきなCDから、いくつか紹介します。

28日(木)は、ディートリヒ・ブクステフーデ。オルガン曲とカンタータで構成しましたが、コレギウム・アド・モザムというロッテルダムのアンサンブルのカンタータが、ノリノリで面白いです。

29日(金)は、クリストフ・グラウプナー。上の4人が全部17世紀なので、次にグラウプナーが来ると、18世紀の音楽がいかに明るくなったかがわかります。管弦楽組曲、カンタータ、フルート・ソナタを並べてみました。テレマンとじつにいい勝負だと感じます。

以上、お楽しみいただければ幸いです。

アンコール放送やります2017年08月12日 23時18分48秒

カンタータ・シリーズが終わったところですが、今月末に、アンコール放送があります。皆さん定期的にアンコール放送をされていると思いますが、私は新企画続きの巡り合わせになり、久しぶりです。

去年の企画からということで、ジャンル特集かバッハのモテット特集のどちらかと考え、ジャンル特集にしました。カンタータの次がモテットじゃ偏りますよね。ジャンルも、舞曲特集でシャコンヌをだいぶ出したばかりですが、気軽に聞いていただけると思います。

8月25日(月)がパッサカリア(とシャコンヌ)、26日(火)がトッカータ、27日(水)がフーガ、28日(木)がファンタジーの特集です。去年の6月に放送しました。どうぞよろしく。

そうそう、フェイスブックについてお詫びしておきます。三角の居酒屋「くや」さんにメッセージをお送りするため、いったんフェイスブックにエントリーしましたが、結局、何もしないまま退会しました。入るのは簡単でしたが、やめるのはとても面倒だということがわかりました。

そんなことですので、フェイスブックの楽しさとか、便利さは味わわないままでした。しかし、これ以上そこに時間は割けない、と判断しました。コンタクトしてくださる方もおられたのですが、お返事もせず、たいへん失礼しました。

8月の「古楽の楽しみ」2017年08月04日 22時54分25秒

バッハのカンタータは結構やっているようですが、まだ半分に達していません。そこで今月は、「ヨハネ福音書とかかわるバッハのカンタータ」という特集を組みました。『ヨハネ福音書』をいま研究していますので、そのカンタータとの関係を調べてみたかった、という事情もあります。

「ヨハネ福音書とかかわる」ということの意味は、『ヨハネ福音書』の一節が朗読される礼拝で演奏されたバッハのカンタータ、という意味です。曲にもよりますが両者には密接な関係があり、直接の引用があることもしばしばです。「ヨハネとかかわる」曲は、案外やっていないこともわかりました。ほとんどの曲が初放送です。

7日(月):福音書第1章(ロゴス讃歌)とかかわるもの。第64番(ベルダー)、第132番(ルッツ)+第147番のアリアとコラール(ガーディナー旧盤。新盤にしようと思ったら、持ち込んだCDに傷がついていて、変更のやむなきに至りました)。

8日(火):福音書第2章(カナの婚礼)とかかわるもの。第155番(ガーディナー)、第3番(BCJ)、《オルガン小曲集》から8曲(椎名雄一郎の最新録音)。

9日(水):福音書第3章とかかわるもの:第129番(ルッツ)、第165番(ガーディナー)、第176番(ヘレヴェッヘ)、オルガン曲《ファッシュによるトリオ》BWV585からアレグロ(プレストン)。

10日(木):福音書第10章、第14章、第15章とかかわるもの。第85番、第59番、第183番。いずれもBCJ。オルガンの聖霊降臨祭コラールBWV651(松居直美)。

11日(金):福音書第16章とかかわるもの:第166番(ルッツ)、第103番(ガーディナー)、第86番(コープマン)。

聖書の話が多くなるのもどうかなと危惧も覚えましたが、カンタータの鑑賞ためには必要と割り切りました。11日の最後に、4つの福音書とかかわるバッハのカンタータの数の統計を発表しています。おそらく皆様の予想と違う結果だと思うので、どうぞお聴きください。

今月の「古楽の楽しみ」2017年07月08日 00時34分15秒

 今月は、中世からバロックまでの「舞曲の歴史」に挑戦しました。たくさんCDを集め、手間だけはかけましたので、楽しんでいただけるといいなあ、と思います。以下、概要を。

10日(月) 中世
 「十字軍の音楽」(マンロウ)、「パリの学徒たち」(ジル・バンショワ・アンサンブル)、「中世イタリアの舞曲」(アニマ・ムンディ・コンソート)、「フェラーラの宮廷音楽」(バーゼル・スコラ・カントールム)のCDその他から、エスタンピ、サルタレッロなどの舞曲を、歌も交えて集めました。

11日(火) ルネサンス
 アテニャン出版の曲集に含まれるバス・ダンス、アルマンド、パヴァーヌ、ブランルといった定番もの(ドゥース・メモワール、ピッファロ)に加えて、マイネリオのバッロ(ムジカ・アンティクア)、ミランとカベソンのスペインもの(カペッラ・デ・ミニストレールス)、ホルボーンによるイギリスもの(カペッラ・デル・トッレ)を集めました。

12日(水) 17世紀(1)
 ダウランドのリュート曲から憂いを帯びた3曲(ラゴスニック、キルヒホーフ)、プレトリウスの《テルプシコーレ》から陽気な10曲(フラウタンド・ケルン)、そして、あの「夜の王のバレ」から、第1の刻の抜粋と太陽王登場の〈グラン・バレ〉(ドセ)。お聴き逃しなくどうぞ。

13日(木) 17世紀(2)
 ステージの舞曲を集めました。まずカヴァッリの歌劇《カリスト》から、序曲と第1幕、第3幕終わりの踊り場面(ヤーコプス)。それからいよいよリュリで、コメディ=バレ《恋は医者》抜粋(ミンコフスキ)と、歌劇(抒情悲劇)《アティス》のプロローグ(クリスティ)、《ファエトン》のシャコンヌ(ミンコフスキ)。全身フランス・モードに染まってしまい、終日へ。

14日(金) 17世紀(3)~18世紀
 リュリ《アルミード》の〈パッサカリア〉は外せませんから、これ(クリスティ)を聴いてから、ポスト・リュリへ。まず、シャルパンティエ《メデ》第2幕のディヴェルティスマン(クリスティ)。次にカンプラのオペラ=バレ《ヴェネツィアの祭》から小さい曲を2つはさんで(ルセ)、最後を、ラモーのオペラ=バレ《みやびなインドの国々》第4幕第6場(クリスティ)で締めました。

 踊りなど全然できない私ですが、数日、頭の中でシャコンヌとパッサカリアが回っていました。気持ちいいですよ!