オルガンで満員御礼! ― 2017年08月03日 12時20分22秒
7月29日(土)、いずみホールで、バッハ・オルガン作品全曲演奏会の第11回が開催されました。
このシリーズ、いつも大勢のお客様に来ていただいていますが、満員御礼は、さすがに稀です。今回それが実現したのは、シリーズのためにもたいへんありがたいことでした。
理由を考えてみると、2つありそうです。1つは、プログラムに超有名曲があったこと。もう1つは、出演したパリ・ノートルダム寺院のオルガニスト、オリヴィエ・ラトリー氏のスター性、カリスマ性です。
《トッカータとフーガニ短調》から始まる一番親しみやすいプログラムを、過去10人のオルガニストがどなたも採用されなかった、というのが、1つの偶然。私は、この曲をプログラムの導入に置いていたのですが(ほとんどそうではありませんか?)、ラトリーさんは全体を組み直され、ヴィヴァルディ編曲のコンチェルト( op.3-11)を冒頭に、ニ短調トッカータを、第1部の最後に置かれたのです。
静かに入って最後を盛り上げる形を取りたいという発想からと伺いましたが、その効果はたいしたものでしたね。なにしろ、傑出したテクニシャンで軽やかに、切れ味良くオルガンを弾かれ、じつにスマートなのです。長身で見た目も爽やか。インタビューもドイツ語で、見事に対応してくれました。
《音楽の捧げもの》のリチェルカーレ(6声)を壮麗に弾き上げてコンサートを終えた後、アンコールを弾く前に、手動でストップをほぼ全面的に入れ替えたられました。これは全然違う音になるぞと固唾を吞んでいたら、今まで聴いたこともないような軽快かつシャープな音色で、カンタータ第29番のシンフォニア(無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番第1楽章の編曲)を、鮮やかに。会場の盛り上がりが極限になるとまたストップを大幅に入れ替え、今度は色重視の選択で、シュープラー・コラールの《目覚めよ》を。ファン・サービスを兼ねた、洒落たパフォーマンスです。
そんな方なので、サイン会にはお客様が鈴なり。ツーショットを含めて、写真を撮る方の多さにびっくりしました。こういうオルガン・コンサートも、あるのですねえ。
このシリーズ、いつも大勢のお客様に来ていただいていますが、満員御礼は、さすがに稀です。今回それが実現したのは、シリーズのためにもたいへんありがたいことでした。
理由を考えてみると、2つありそうです。1つは、プログラムに超有名曲があったこと。もう1つは、出演したパリ・ノートルダム寺院のオルガニスト、オリヴィエ・ラトリー氏のスター性、カリスマ性です。
《トッカータとフーガニ短調》から始まる一番親しみやすいプログラムを、過去10人のオルガニストがどなたも採用されなかった、というのが、1つの偶然。私は、この曲をプログラムの導入に置いていたのですが(ほとんどそうではありませんか?)、ラトリーさんは全体を組み直され、ヴィヴァルディ編曲のコンチェルト( op.3-11)を冒頭に、ニ短調トッカータを、第1部の最後に置かれたのです。
静かに入って最後を盛り上げる形を取りたいという発想からと伺いましたが、その効果はたいしたものでしたね。なにしろ、傑出したテクニシャンで軽やかに、切れ味良くオルガンを弾かれ、じつにスマートなのです。長身で見た目も爽やか。インタビューもドイツ語で、見事に対応してくれました。
《音楽の捧げもの》のリチェルカーレ(6声)を壮麗に弾き上げてコンサートを終えた後、アンコールを弾く前に、手動でストップをほぼ全面的に入れ替えたられました。これは全然違う音になるぞと固唾を吞んでいたら、今まで聴いたこともないような軽快かつシャープな音色で、カンタータ第29番のシンフォニア(無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番第1楽章の編曲)を、鮮やかに。会場の盛り上がりが極限になるとまたストップを大幅に入れ替え、今度は色重視の選択で、シュープラー・コラールの《目覚めよ》を。ファン・サービスを兼ねた、洒落たパフォーマンスです。
そんな方なので、サイン会にはお客様が鈴なり。ツーショットを含めて、写真を撮る方の多さにびっくりしました。こういうオルガン・コンサートも、あるのですねえ。
レーナちゃんご紹介 ― 2017年08月09日 22時48分59秒
愛犬陸ちゃんが亡くなったのは、私がドイツに行って3日目のことでした。帰宅したときには埋葬も済んで、あるのは写真だけ。急に、家の中が寂しくなりました。
ふと連想したのは、バッハが領主のお供でカールスバートへ行き、戻ってみたら奥さんのマリーア・バーバラが亡くなって、埋葬も済んでいた、という話。もちろんバッハには知らせが届いていなかったわけで、深刻度はとても比べられませんが、ちょっと、心をよぎりました。
国立に住んで40年。いつも犬がいました。当然、「次」への関心が芽生えてきます。しかし陸ちゃんの最終段階がたいへんだったものですから、妻が反対。飼い主が病気になったらどうするのかと言われてみると、その危険は大いにあります。
しかし、そう言っている当人が一番「次」を欲しがっているのは、言葉の端はしからわかりました。お店にも見に行っているようです。
ほどなく届けられたのが、動画と名刺。動画には白いマルチーズがすばしこく飛び跳ねている映像が映っています。名刺を見ると生年月日があり、2017年3月21日とありました。
そう、バッハの誕生日に生まれた犬です。これはうちに来るべく生まれたんじゃないの、という話になり、たちまち、当家の一員に。今回ばかりは私のネーミングで、「レーナちゃん」とさせてもらいました。はい、メスです。謹んでご紹介申し上げます。
眠そうなのもひとつ。
どうぞよろしくお願いします<(_ _)>。
時差再来 ― 2017年08月16日 00時30分03秒
8月も中日ですね。前半はイベントもほとんどなかったので、研究に集中できました。
で、少しは早く寝ようと思うわけですが、夜遅くなると、世界陸上の実況が始まるのです。面白くて、もう少し、もう少しとなることが毎晩でした。真逆の時差ですから、本当に見たい早朝の競技は見られませんでしたが・・・。
とはいえ、どの競技も、本当に面白いですね。平素見ないフィールド競技も手に汗を握りますし、五種競技、十種競技というのも、どんどん引き込まれてしまいます。しかもそれぞれに、魅力的な選手がいるのです。
400メートル・リレーは、そんなわけで、後から見ました。日本チーム、一人も9秒台がいないのに、がんばりましたね。イメージ爽やか、すばらしいです。
それにしても、アンカーをケンブリッジから藤光に入れ替えたコーチの決断、たいしたものだと思います。人気もあり記録もいいケンブリッジを外して、もし失敗すれば何を言われるかわかりませんから、よく勇気があったなあと、つくづく。専門家でなくてはわからない目があり、それが成功したということですよね。敬意を表します。
ただ、実況が、どの競技でもスターに焦点を当ててメリハリをつけていく形になっており、それが相当気になりました。スターが負けたこともニュースではあるでしょうが、やはり勝者に、しかるべく光を当ててほしいと思います。400メートル・リレーでは、日本チームの健闘やボルトの負傷はもちろん報道するとして、予想をくつがえして優勝したイギリス・チームについても、もっと知りたいと思いました。5000メートルも、ファラーの敗戦ばかりが話題にされていましたが、勝ったエチオピアの選手について、もっと報道があるべきだったと思います。
で、少しは早く寝ようと思うわけですが、夜遅くなると、世界陸上の実況が始まるのです。面白くて、もう少し、もう少しとなることが毎晩でした。真逆の時差ですから、本当に見たい早朝の競技は見られませんでしたが・・・。
とはいえ、どの競技も、本当に面白いですね。平素見ないフィールド競技も手に汗を握りますし、五種競技、十種競技というのも、どんどん引き込まれてしまいます。しかもそれぞれに、魅力的な選手がいるのです。
400メートル・リレーは、そんなわけで、後から見ました。日本チーム、一人も9秒台がいないのに、がんばりましたね。イメージ爽やか、すばらしいです。
それにしても、アンカーをケンブリッジから藤光に入れ替えたコーチの決断、たいしたものだと思います。人気もあり記録もいいケンブリッジを外して、もし失敗すれば何を言われるかわかりませんから、よく勇気があったなあと、つくづく。専門家でなくてはわからない目があり、それが成功したということですよね。敬意を表します。
ただ、実況が、どの競技でもスターに焦点を当ててメリハリをつけていく形になっており、それが相当気になりました。スターが負けたこともニュースではあるでしょうが、やはり勝者に、しかるべく光を当ててほしいと思います。400メートル・リレーでは、日本チームの健闘やボルトの負傷はもちろん報道するとして、予想をくつがえして優勝したイギリス・チームについても、もっと知りたいと思いました。5000メートルも、ファラーの敗戦ばかりが話題にされていましたが、勝ったエチオピアの選手について、もっと報道があるべきだったと思います。
浮き世離れ ― 2017年08月25日 05時00分22秒
8月最後の週末ですね。
今月末の段階でどこまでたどりつけるかが勝負という気持ちがありましたので、仕事が少なかったことを幸いにて、ほぼ連日、論文の準備に励みました。どんどん没入が深くなって、仙人のようとまでは申しませんが、浮き世離れしてきた実感があります。
ここへ来て発見した文献がいくつかあり、ほぼつながりのある全容が見えてきました。しかし第1部全5章、第2部全4章、第3部全9章の大構成となってきておりまして、仕事の増えてくる9月にこれをどこまで洗練し完成させられるか、相当困難に思えてきたのが現在です。註や引用、譜例などの整備にも、相当な時間がかかります。
論文を書きながら少しずつ整理しようと思った部屋は、結局整理手付かず。連絡だのお礼だの、いろいろなlことが後回しになっていてすみません。先に論文から取りかかり、疲れてしまって雑用もできず、ということの繰り返しでした。
そんな中、全日本合唱コンクールで新潟を訪れたのは、いい思い出になりました。土曜日の晩ホテルに着き、信濃川の夜景を見ようと外出して、古町まで足を伸ばしました。何度目かの新潟ですが、いいお店で飲食できて良かったです(珍しく、日本酒でお寿司)。
日曜日(20日)のコンクール、熊本とはまた別の合唱風土を感じました。弱音を大事にする奥ゆかしい感性が、いくつかの団体に。またラテン語曲を採り上げた団体が、しっかり掘り下げられた(啓和学園)、あるいは熟した表情の(新潟大学)解釈をテキストに示してくれたのは、平素気にしていることだけに、嬉しかったです。おもてなしをしてくださったスタッフの方々、ありがとうございました。
今月末の段階でどこまでたどりつけるかが勝負という気持ちがありましたので、仕事が少なかったことを幸いにて、ほぼ連日、論文の準備に励みました。どんどん没入が深くなって、仙人のようとまでは申しませんが、浮き世離れしてきた実感があります。
ここへ来て発見した文献がいくつかあり、ほぼつながりのある全容が見えてきました。しかし第1部全5章、第2部全4章、第3部全9章の大構成となってきておりまして、仕事の増えてくる9月にこれをどこまで洗練し完成させられるか、相当困難に思えてきたのが現在です。註や引用、譜例などの整備にも、相当な時間がかかります。
論文を書きながら少しずつ整理しようと思った部屋は、結局整理手付かず。連絡だのお礼だの、いろいろなlことが後回しになっていてすみません。先に論文から取りかかり、疲れてしまって雑用もできず、ということの繰り返しでした。
そんな中、全日本合唱コンクールで新潟を訪れたのは、いい思い出になりました。土曜日の晩ホテルに着き、信濃川の夜景を見ようと外出して、古町まで足を伸ばしました。何度目かの新潟ですが、いいお店で飲食できて良かったです(珍しく、日本酒でお寿司)。
日曜日(20日)のコンクール、熊本とはまた別の合唱風土を感じました。弱音を大事にする奥ゆかしい感性が、いくつかの団体に。またラテン語曲を採り上げた団体が、しっかり掘り下げられた(啓和学園)、あるいは熟した表情の(新潟大学)解釈をテキストに示してくれたのは、平素気にしていることだけに、嬉しかったです。おもてなしをしてくださったスタッフの方々、ありがとうございました。
9月、ウィーン・フェストやります! ― 2017年08月31日 23時22分56秒
放送の日にちが全然違っていたようで失礼しました(汗)。臨時放送が入ったようですが、再放送の時で良かったです。
今日は大阪へ、記者懇談会に行ってきました。場所はいずみホールのリハーサル室。ウィーン・フィルのチェロ首席、タマーシュ・ヴァルガさんとご一緒でした。
スマートに、感じよくお話くださったヴァルガさん、ホールのステージで写真を撮ってから、バッハのサラバンドを演奏してくださるびっくりプレゼント。潤い豊かな響きがホールを満たし、記者さんたちも大喜びでした。9月のステージが楽しみです。
その9月のステージが、懇談会のテーマでした。今までウィーン楽友協会との協力でいろいろなコンサートをやってきましたが、今年は「ウィーン・ムジークフェスト2017」という提携企画を、9月にやるのです。主役は、ウィーン・ピアノ界の最高峰と誰もが認める、ルドルフ・ブーフビンダー。氏は巨匠として最近本当に充実しておられ、楽友協会からも強い推薦をいただきました。ご挨拶等、いずみホールのサイトに載っています。
公演は3つあり、17日(日)(←日にち正しい!)がピアノ・リサイタル(モーツァルトのきらきら星変奏曲、ベートーヴェンの熱情、シューベルトの変ロ長調ソナタ)。
20日(水)がダナイローヴァ(ヴァイオリン)、ヴァルガ(チェロ)とのピアノ・トリオ(ベートーヴェンの《大公》とメンデルスゾーンの第1番)。
23日(土)が得意の弾き振りで、ベートーヴェンの三重協奏曲と、第1番のコンチェルト。オケはいずみシンフォニエッタ大阪、ソロはそのコンマス、小栗まち絵さんと、ヴァルガさんです。コンチェルトを、上質の室内楽としてお聴きください。
2万円のセット券を買っていただくと22日(金)の招待券が付きます。これは「楽都ウィーンの音楽生活とホール運営」と題して、楽友協会芸術総監督のアンギャンさんと私が対談します。アートマネージメントに関心のある方に参考になるようにと、内容を準備しています。
今後のためにもぜひ成功させたいと思っています。よろしくお願いします。(9月の予定、放送予定は、追ってご案内します。)
今日は大阪へ、記者懇談会に行ってきました。場所はいずみホールのリハーサル室。ウィーン・フィルのチェロ首席、タマーシュ・ヴァルガさんとご一緒でした。
スマートに、感じよくお話くださったヴァルガさん、ホールのステージで写真を撮ってから、バッハのサラバンドを演奏してくださるびっくりプレゼント。潤い豊かな響きがホールを満たし、記者さんたちも大喜びでした。9月のステージが楽しみです。
その9月のステージが、懇談会のテーマでした。今までウィーン楽友協会との協力でいろいろなコンサートをやってきましたが、今年は「ウィーン・ムジークフェスト2017」という提携企画を、9月にやるのです。主役は、ウィーン・ピアノ界の最高峰と誰もが認める、ルドルフ・ブーフビンダー。氏は巨匠として最近本当に充実しておられ、楽友協会からも強い推薦をいただきました。ご挨拶等、いずみホールのサイトに載っています。
公演は3つあり、17日(日)(←日にち正しい!)がピアノ・リサイタル(モーツァルトのきらきら星変奏曲、ベートーヴェンの熱情、シューベルトの変ロ長調ソナタ)。
20日(水)がダナイローヴァ(ヴァイオリン)、ヴァルガ(チェロ)とのピアノ・トリオ(ベートーヴェンの《大公》とメンデルスゾーンの第1番)。
23日(土)が得意の弾き振りで、ベートーヴェンの三重協奏曲と、第1番のコンチェルト。オケはいずみシンフォニエッタ大阪、ソロはそのコンマス、小栗まち絵さんと、ヴァルガさんです。コンチェルトを、上質の室内楽としてお聴きください。
2万円のセット券を買っていただくと22日(金)の招待券が付きます。これは「楽都ウィーンの音楽生活とホール運営」と題して、楽友協会芸術総監督のアンギャンさんと私が対談します。アートマネージメントに関心のある方に参考になるようにと、内容を準備しています。
今後のためにもぜひ成功させたいと思っています。よろしくお願いします。(9月の予定、放送予定は、追ってご案内します。)
最近のコメント