今月の「古楽の楽しみ」~イギリス組曲2016年10月04日 21時39分42秒

ご報告がたまっていますが、「古楽の楽しみ」の予告を先に。

バッハの鍵盤組曲の中で最後まで温存していた、《イギリス組曲》を特集しました!バッハの鍵盤音楽、ピアノを使った方が反響は明らかに大きいのですが、作品に親しむにはチェンバロも聴いていただきたい気持ちがあり、今回も、チェンバロとピアノを半々にしました。1人1回、の原則も貫いています。

10日(月)は、第1番イ長調の全曲を、曽根麻矢子のチェンバロで聴きます。次にフランスの若手ピアニスト、レミ・ジェニエの演奏で、プレリュードとサラバンド。残った時間は第2番、第3番の予告に充てました。マルティン・シュタットフェルトのピアノで第2番のプレリュードとブーレー、第3番の4曲を、グスタフ・レオンハルト往年の演奏で。まったく違う世界ですが、お好みでお聴きください。

11日(火)は、第2番イ短調全曲を、パスカル・デュブレイユのチェンバロで。次に巨匠ネルソン・フレイレのピアノ新録音により、第3番の全曲。残った時間で、ルドルフ・ブーフビンダーの第3番から2曲。いずれもいい演奏ですが、ブーフビンダーは大穴の名演という感じがします。

12日(水)は、第4番変ホ長調。全曲を渡邊順生のチェンバロで、舞曲2つをウラディーミル・フェルツマンのピアノで。第5番ホ短調にはピョートル・アンデルジェフスキの新録音を使いました。私見では、シュタットフェルトよりアンデルジェフスキの方が、数段、本格的なバッハです。

13日(木)は、もっとも長大な第6番ニ短調。全曲はチェンバロで、ロシアのオルガ・マルティノワ。ピアノは比較の末、マレイ・ペライアを選びました。深みのある、さすがの演奏です(ちなみにシフとグールドは、最初から除外しました)。ペライアとレオンハルトを除いて、すべて21世紀の録音を使っています。お楽しみいただければと思います。