ジョンはヨハネ2014年10月27日 23時31分12秒

26日(日)は、一橋大学の兼松講堂(国立市、家から歩いて10分ちょっと)で、渡邊順生さんによるモンテヴェルディ《聖母マリアの夕べの祈り》の公演がありました。私はいわば閣外協力。解説と字幕を提供し、ナビゲーターを務めました。

この講堂、響きといい雰囲気といい、とてもいいですね。演奏も、クリアな音像が作り出されて緊張感が高く、本格的だったと思います。やはり、ジョン・エルウィスの存在が絶大。作品が完全に自分のものとなっていて、ラテン語のセンテンスが明瞭に聞こえてきました。全体としては、そこにやはり課題が残ったと思います。しかし演奏するから課題も生まれるわけで、出演させていただいた仲間たちも、さぞ勉強になったことでしょう。

ジョン(=ヨハネ)で思い出しました。最近よく受ける質問は、「ギリシャ語の勉強はまだされていますか」というものです。どうやら、礒山は三日坊主、という認識が世にあるようなのです。

やっていますよ。『ヨハネ福音書』第1章に続いて、第18章を暗記しました。受難曲のテキストでいうと、第2部、テノールのアリアの直前まで来ています。明日から、第19章をやります。

始めて良かった、の一言です。聖書を原語で読むことの意味が、本当によくわかるようになりました。ましてや暗記していますので、記述の関連とか、書き手の工夫とかが感じられ、興味が尽きません。慣れてみると、メッセージはけっしてソフィスティケートされたものではなく、いい意味で単純なものです。興味のある方はぜひ、挑戦してみてください。

《トリスタン》講座のご案内2014年10月28日 23時49分31秒

明日の29日で、長かった《リング》講座(朝日カルチャーセンター新宿校)が終わります。11月から、《トリスタンとイゾルデ》全7回です。隔週奇数水曜日の10:00~12:00ですが、11月は5日のみです(19日はいずみホールのコンサートがあるので、休みにしました)。

「トリスタン入門」と題したその第1回に、友人の音楽理論研究家、見上潤さんにご出演いただくことになりました。見上さんは和声とピアノの達人で縦横にトリスタン和声をお弾きになるので、まずその響きから入っていただこう、という試みです。1回受講もできますので、よろしければお出かけください。

今日は家で、《クリスマス・オラトリオ》の字幕作成と、明日のワーグナー講座(《リング》総集編)、およびバッハのリレー演奏講座(無伴奏チェロ組曲)を準備しました。相当盛りだくさんになりましたので、受講の方々、ご期待ください。

11月のイベント(個人篇)2014年10月30日 23時47分42秒

日本シリーズ、終わりましたね。私のスマホはdocomoですし、阪神対ソフトバンクとなると、遠いチーム同士の対決。その場合はパ・リーグ、という原則に従って、初めてソフトバンクを応援しました。秋山監督、衆目の一致する有終の美ですね。おめでとうございます。

などと言っているうちに、もう月末。来月のご案内をしますが、今日はまず、私個人のかかわるイベントをご紹介します。

11月1日(土)13:00から、国立音楽大学の「ホームカミングデイスペシャルコンサート」という同調会イベントに出演します。教員時代にやっていた「管楽器伴奏によるモーツァルトのオペラ・シリーズ」を、卒業生たちの集まる場で復活させようというアイデアです。タイトルは「モーツァルトの二重唱~恋の味さまざま」。澤畑恵美さんその他、大学の誇る方々が出演されます。大学でのイベント参加は、定年後初めてです。

5日(水)10:00からの朝日カルチャー新宿校/ワーグナー講座はすでにご案内しましたが、13:00からのバッハ/リレー演奏講座は、「イタリア協奏曲とフランス風序曲」がテーマです。この講座、予習をして来られる方がいるほど期待と熱気があるものですから、私もたくさんの資料を用意して臨んでいます。

6日に福岡に入り、九州大学で、日本音楽学会の全国大会です。今年は選挙管理委員長を仰せつかっているので、早出をし、業務をこなします。盛りだくさんのプログラムですから、一般の方もお出かけください。8日(土)、9日(日)が開催日です。

15日(土)10:00~12:00の「楽しいクラシックの会」(立川市錦地域学習館)、11月から《パルジファル》に入ります。この作品、すばらしい公演があったばかりで、日本語付きDVDも揃っていますので、いいタイミングです。終了後皆さんで毎回食事に行くのが、この会の大きな楽しみです。

朝日カルチャー横浜校の「新研究によるモーツァルトの生涯」、私の都合で12月分を事前消化しますので、今月は22日(土)、29日(土)の2回あります(13:00~15:00)。ちくま学芸文庫の拙著を音楽を鑑賞しながら読み進めようというのがベースになります。22日は「大人になるための克服期」、29日は「ウィーンでの大成期」で、ここまでで生涯の展望をまとめようという構想です。

23日(日)は、すざかバッハの会の《ヨハネ受難曲》講座。第2部の大詰め、ソプラノ・アリアから結びの合唱曲、コラールを取り上げます。14:00~16:30、須坂駅前のシルキーホールです。勉強成果をお届けします。

いずみホールのモーツァルト・シリーズ、放送「古楽の楽しみ」については別途ご紹介します。11月3日(月)、いずみホールの特別企画「フリーメーソンの神秘」が迫っていますので、よろしく。