こんなCDが買えました2016年08月02日 06時32分23秒

放送やカルチャーのためにたくさんCDを購入していますが、その中から2点ご紹介します。

モーツァルトの《レクイエム》冒頭2曲がヘンデル作品に基づくというお話は、ここでもしましたね。〈キリエ〉の原曲である《デッティンゲン・アンセム》が市場に出ていましたのでさっそく購入し、カルチャーでも紹介しました。演奏は、サイモン・プレストン指揮のイングリッシュ・コンサート。手持ちのLPを処分してしまって、後悔していた音源です。

そのフィナーレ、”We will rejoice"というのが該当曲。ニ長調の二重フーガで始まり、途中からハレルヤ・コーラスと入り混じります。聴けば関係はすぐにわかりますが、モーツァルトでは短調に移されハレルヤ素材も取り除かれているため、まったく別の世界になっています。こういうことができる時代だからこそ、たくさんの名曲が生まれたのだと思います。

《さまよえるオランダ人》の全曲を3つ買いました。うち1つが、1960年バイロイトの実録リマスター(サヴァリッシュ指揮)。『バイロイト百年』という映画に少女の面影を残したアニア・シリアが神がかり的にゼンタを歌っている映像が出てきますね。あの衝撃デビューの録音です(61年のも売っていました)。

少し聴いてみましたが、シリアもさることながら、オランダ人を歌うフランツ・クラスのすばらしさは驚くほど。この人が声を痛めて早く引退してしまったことの損失を、あらためて思いました。とにかく熱気あふれる上演で、第2幕の二重唱は感動的です。明日、カルチャーで紹介します。