今月の「古楽の楽しみ」2016年09月07日 22時15分59秒

先日日本モーツァルト愛好会で、「モーツァルトとヘンデル」という講演をさせていただきました。その経験から、モーツァルトとヘンデルの関係で1つ特集番組ができると思い立ちました。

作ったのは、モーツァルトがかかわったヘンデル作品を集め、そのオリジナルの新録音をご紹介する、という番組です。

12日(月)は、ヴォルフ本のからみで以前ご紹介したモーツァルト《レクイエム》の原曲を、音でお届けしようという試みです。すなわち、〈レクイエム・エテルナム〉の原曲であるキャロライン王妃のための葬送アンセム《シオンへの道は悲しみ》の抜粋と、〈キリエ〉の原曲である《デッティンゲン・アンセム》の当該部分です。前者は、クリスティ指揮、レザール・フロリサンの2013年の録音で。後者は、ようやくCDで手に入ったプレストン指揮の録音でご紹介します。

あとの3回は、ドイツ語テキストに編曲されたいわゆる「モーツァルト版」の残っている4作品から、《アチスとガラテア》を除く3作品のオリジナルを取り上げます。

13日(火)は《アレクサンダーの饗宴》、15日(木)は《聖セシリア日のためのオード》を取り上げますが、どちらも「音楽の力」をテーマとした作品で、いわば、《魔笛》を準備するものです。演奏は新星ネヴィル=タウル指揮、ルードゥス・バロックの新録音です。

14日(水)は《メサイア》ですが、アーノンクール追悼の時に部分的に扱ったのを除けば、《メサイア》を放送するのはこれが初めてです。お待たせしました!

新しい録音をご紹介する機会にしたいと思い、エマニュエル・アイム指揮、ル・コンセール・ダストレの2013年の録音を選びました。繊細にして華のあるすばらしい演奏です。どうか楽しみになさってください。