驚きの結果が語ること2016年10月09日 10時59分35秒

6枚のCDをシャッフルし、次の順序で再生しました。

ホロウェイ→五嶋みどり→ファウスト→クレーメル→ブッシュ→ベイエ。

どれも一流の演奏ですから、いま誰が弾いているかわかっている私から見ても、順位付けは至難そのもの。こういう場合、出てくる順序がかなり影響するのが常です。ちなみに参加者は17人、皆さん、バッハに少なからぬ関心をもっておられます。

さすがに採点は割れました。6人すべてに複数の1位があり、4人に、複数の最下位がありました(総合1位は最下位なし、総合2位は最下位1人)。予期せぬ結果に、はらはらドキドキの集計でした。

では、発表いたします(笑)。

第1位 アマンディーヌ・ベイエ
第2位 クリスティーネ・ブッシュ
第3位 ギドン・クレーメル
第4位 イザベル・ファウスト
第5位 五嶋みどり
第6位 ジェームズ・ホロウェイ

結果は、かけた順序と真逆になりました。ですので、順序を変えたら結果も変わった可能性はあると思います。この結果をもとに、少しずつ聴き直しながら、皆さんとディスカッションをして締めくくりました。

結果はある程度偶然的なものですし、私自身の個人採点と同じでもありません。しかし注目に値するのは、けっして有名とは言えない二人のバロック・ヴァイオリン奏者が、有名どころの3人を抑えて上位を占めた、ということです。これは、バッハの無伴奏ソナタという作品に対して、バロック・ヴァイオリンのもつアドヴァンテージを示すものとしか、解釈できないと思います。

そう言えるまで、古楽のレベルが向上しているのです。バッハの無伴奏を聴きたいんだが、という方に、それならバロック・ヴァイオリンで聴いてご覧なさい、と言える時代になった、ということです。ささやかなサンプルではありますが、私には重く感じられる出来事でした。

コメント

_ 自称職業不詳 ― 2016年10月09日 12時30分11秒

面白いですね。
私、その中では大昔にクレーメルを聴いたことがあるくらいなので、単なる想像ですが、ヴァイオリンソロの場合は、楽器の種類もさることながら、奏法(ヴィブラートの有無、程度)、録音の趣向(残響の大小、マイクの遠近)などにも、評価がかなり影響されるような気がしますが...

_ 優@1&6&7&14&18&32 ― 2016年10月10日 00時28分22秒

興味深い結果になりましたね。皆さん、耳が肥えてきたというか、ピリオド楽器での演奏がバッハらしいと解釈する人が多くなってきたということなのでしょうか。ここにシギスヴァルト・クイケンやレイチェル・ポッジャーを入れても面白かったと思いますね。エンリコ・オノフリのCDがもうすぐ発売されるようですが、どんな個性的な演奏になるのか楽しみです。

_ (未記入) ― 2016年10月10日 12時45分23秒

私もクレーメル(パルティータのみ)と千住真理子さんの分しか持っていません。確かに録音の状況などで大きく違いますしバッハの独奏曲などは私の場合、聴くこちら側の状況(身体的、精神的状況、特に集中力が保てる状況かどうか)で大きく違ってくるような気がします。
 その点、コンサートは聴く姿勢ができてるので楽しめますね。来年に大阪シンフォニーホールでチョン・キョンファのリサイタルでソナタとパルティータをやるので体調整えて聴きに行きたいと思ってます。
 そうそう、先日、いずみホールでトン・コープマンのバッハ管弦楽組曲3と4番、ブランデンブルグ協奏曲3番4番と聴いてきました。とても溌剌としたかつ演者の自発性を尊重した生き生きした演奏でとても楽しめて、思わずヴラヴォーしてしまいました(笑)

_ taisei ― 2016年10月10日 16時25分09秒

すみません。前回10/10のコメントは私です。

_ I招聘教授 ― 2016年10月12日 09時16分27秒

クイケンは、シャコンヌの回で使ったので、今回は抜きました。もちろんポッジャーもいいと思いますが、今回は有名どころ以外が上位に来ている、というのが衝撃のゆえんです。録音の取り方等で損得があるのももちろんです。チョン・キョンファの新録音が出ました。次の回に使います。

_ (未記入) ― 2017年01月26日 13時07分00秒

昨日、シンフォニーホールでチョン・キョンファのバッハ:無伴奏ソナタとパルティータの全曲コンサートに行って来ました。1番からソナタ・パルティータという順序で演奏。初めのソナタとパルティータはまだまだ調子が上がってないようで納得できないところがあったのか途中繰り返し弾くところがあったりしてちょっと不満。
が、しかし!休憩後の2番のソナタからは見違える様な気迫のこもった演奏、そして2番パルティータのシャコンヌは圧巻の演奏!会場も途中休憩なのにブラヴォーの声。
3部のソナタが始まったのが9時過ぎ。そこからはもうほとんど間をおかずに一気にソナタとパルティータを弾く。そのエネルギーの凄いこと!終演は10時でした。
聴くほうも集中力の要った演奏会。独特の間というか溜めのあるテンポの取り方で最初はは気になりましが途中から何か大きな船に乗って揺られているような感じがしてきました。
バッハ、堪能しました。

_ taisei ― 2017年01月26日 23時08分24秒

スミマセン!またまた名前の記入を忘れました。上記の投稿は私です。         あ、バティアシュビリのCD、やっと手に入れました。正統派かつ繊細で説得力のある演奏ですね。チャイコフスキー、先日手に入れたコパチンスカヤとは丸で違います。どっちも楽しめます。それにしても、教授もシベリウスがお好きだとは、シベリウスファンとしては嬉しいかぎりです。

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