無伴奏ヴァイオリンの聴き比べPart2 ― 2016年10月26日 14時25分43秒
演奏の聴き比べは若い頃から好きでしたが、このところ興味が再燃してきました。
朝日カルチャー新宿における無伴奏ヴァイオリン曲の聴き比べ。ソナタ第1番の意外な結果を受けて、先週、ソナタ第3番・パルティータ第3番による第二弾を行いました。
ブラインドで採点を提出というのでは、受講生方も大変だろうと遠慮したところ、なんと、一生懸命聴けて面白いからまたやりたい、とおっしゃるではありませんか。そこで、まずソナタ第3番ハ長調を、4種類で比較しました。
候補は、モダン・ヴァイオリンがチョン・キョンファの最新録音と、邦人中堅で無伴奏を得意としておられる女性(申し訳ないので匿名にしておきます)。バロック・ヴァイオリンは、前回1位のアマンディーヌ・ベイエと、シギスヴァルト・クイケン。21世紀の録音を条件にしている比較ですが、バロック・ヴァイオリンによるクイケンの古典的な名演(1999年録音)を今回入れてみました。比較は第1楽章と、フーガの途中までです。
結果はベイエとクイケンが同数でトップ。1位票の数でベイエの連覇(!)となりました。私見では、模範的な楷書として完成されたクイケンに比べて、ベイエら今台頭している世代には、自由度と味わいが増しているように思えます。以下、邦人女性、チョンの順になりました。
パルティータ第3番ホ長調の方は、プレリュードの途中までと、ガヴォットの全曲で比較。モダンの二人はそのままで、バロックの方を、ミドリ・ザイラーとエンリコ・オノフリ(最新録音)に入れ替えました。ガヴォットはどの方も弾き込んでおられ、むずかしい比較に。
結果はチョン・キョンファが1位、以下ミドリ・ザイラー、邦人女性、オノフリということになりました。オノフリは自由奔放なプレリュードに皆さん戸惑われたようで、票が上下にはっきり分かれてしまいました。ただこの自由奔放は文化を踏まえての勇気あるアプローチですから、上位でもおかしくありません。
講座のひとこまをご紹介しましたが、もちろん不充分な条件下の試みですので、演奏やCD本来の価値を左右するものではないことをお含みください。この講座、来週から《マタイ受難曲》の新録音紹介です。まず冒頭合唱曲で、比較をやってみたいと思います。
朝日カルチャー新宿における無伴奏ヴァイオリン曲の聴き比べ。ソナタ第1番の意外な結果を受けて、先週、ソナタ第3番・パルティータ第3番による第二弾を行いました。
ブラインドで採点を提出というのでは、受講生方も大変だろうと遠慮したところ、なんと、一生懸命聴けて面白いからまたやりたい、とおっしゃるではありませんか。そこで、まずソナタ第3番ハ長調を、4種類で比較しました。
候補は、モダン・ヴァイオリンがチョン・キョンファの最新録音と、邦人中堅で無伴奏を得意としておられる女性(申し訳ないので匿名にしておきます)。バロック・ヴァイオリンは、前回1位のアマンディーヌ・ベイエと、シギスヴァルト・クイケン。21世紀の録音を条件にしている比較ですが、バロック・ヴァイオリンによるクイケンの古典的な名演(1999年録音)を今回入れてみました。比較は第1楽章と、フーガの途中までです。
結果はベイエとクイケンが同数でトップ。1位票の数でベイエの連覇(!)となりました。私見では、模範的な楷書として完成されたクイケンに比べて、ベイエら今台頭している世代には、自由度と味わいが増しているように思えます。以下、邦人女性、チョンの順になりました。
パルティータ第3番ホ長調の方は、プレリュードの途中までと、ガヴォットの全曲で比較。モダンの二人はそのままで、バロックの方を、ミドリ・ザイラーとエンリコ・オノフリ(最新録音)に入れ替えました。ガヴォットはどの方も弾き込んでおられ、むずかしい比較に。
結果はチョン・キョンファが1位、以下ミドリ・ザイラー、邦人女性、オノフリということになりました。オノフリは自由奔放なプレリュードに皆さん戸惑われたようで、票が上下にはっきり分かれてしまいました。ただこの自由奔放は文化を踏まえての勇気あるアプローチですから、上位でもおかしくありません。
講座のひとこまをご紹介しましたが、もちろん不充分な条件下の試みですので、演奏やCD本来の価値を左右するものではないことをお含みください。この講座、来週から《マタイ受難曲》の新録音紹介です。まず冒頭合唱曲で、比較をやってみたいと思います。
コメント
_ 優@1&6&7&14&18&32 ― 2016年11月05日 17時52分28秒
「マタイ」の比較は面白そうですね。
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
最近のコメント