熊本にてーー三角の極上ナイト ― 2017年07月21日 23時08分20秒
無人駅の続くローカル列車に乗ること、53分。あたりが開けたと思うや、三角駅に到着しました。外に出ると、もう眼前が海です。いや、これはいいところに来たなあ、というのが第一感でした。
北ドイツのようにのっぺりした海ではなく、島があり、山があり、灯台があり、それらを繋ぐ橋がありの、複雑な景観。これこそ、日本の海岸です。案内を見ると、見えるのは天草諸島で、ここが、海からの入り口になっているのですね。赤が現在地です。
目の前に、螺旋階段のある高い塔がありました。大展望を楽しみつつ三角駅を見ると、屋根に十字架があるのを発見。写真ではわかりませんね。
後は、飲み食いして帰るだけになりました。しかしこれが問題。夜7時ですが軒並みシャッターが降りていて、どこにもお店がないのです。お腹も空き、喉も渇いています。
駅を少し離れたところまで歩くと広場があり、そこに居酒屋が一軒開いていて、ほっとしました。「くや」というお店です。一も二もなく、入店。これが、すばらしいお店だったのですね。
600円の「お刺身盛り合わせ」を頼むと、どんなものが食べられると思いますか。水イカ、フグなど地魚が満載で、おいしいのにびっくりしました。先客さんもマスターも、何もそこまで、というほど人柄のいい方々で、若さ一杯のママさん(←呼び方がわかりません)ともども、温かく歓待していただきました。
まもなく、ずいぶんきれいな方がいらっしゃり、その社交性で、盛り上がりが一段と。たまにお見えになる、マスターのお嬢さんだそうです。
入店が7時20分。9時5分の電車で熊本に帰ろうと思っていましたが、終電は10時9分です。当然終電に変更ということですが、マスターが「もう一軒行きましょう」と言われたのには驚きました。男性陣で訪れるとそこはスナックで、カラオケがあるのですね。マスターは、軽く歌って味があるという、プロ級の歌唱力。私も2曲歌いました。
いや本当に楽しい夜でした。熊本にいらっしゃる方、人為性のまったくない海の景観とおいしいお魚、温かなもてなしを楽しみに、三角訪問をお薦めします。「くや」は、Facebookで検索できます。
コメント
_ 横浜の野々垣 ― 2017年07月22日 23時00分39秒
_ TM ― 2017年07月29日 11時53分14秒
バッハ好きで時々このブログを拝見させていただいています。三角の話を見ましてびっくり。駅の前に父が住んでいます。昔に比べ寂しい街になってしまいましたが、優しい気持ちになれる街ですね。
_ TM ― 2017年07月29日 12時00分56秒
バッハ好きで時々このブログを拝見させていただいています。三角の話を見ましてびっくり。駅の前に父が住んでいます。父は退職して三角が好きになり永住の地と定めて引っ越しました。昔に比べ寂しい街になってしまいましたが、優しい気持ちになれる街ですね。
_ I招聘教授 ― 2017年07月31日 00時38分45秒
TMさん、それはそれは。私もぜひ再訪したいと思っています。お父様によろしく。
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「三角」は、もう60年近く前に訪れたことがあります。東大の男声合唱団コールアカデミーの関西・九州大演奏旅行で回った際、熊本から長崎へ移動する途上、三角港から島原半島へ船で渡りました。大学2年生になる春休みのことです。京都、大阪、広島、福岡、延岡、臼杵、熊本、長崎の8ヶ所を13日間で回るという、無茶な話でした。
その20年後、会社の職場旅行で天草5橋を訪れました。三角の最近の様子はNHKの旅番組、火野正平の「こころ旅」で見ました。居酒屋「くや」のマスターも、先生の「正体」を知ったら驚くことでしょうね。ドイツでの探訪もそうですが、「おまけにもう一つ」の先生の若々しい好奇心と行動力に感服です。