8月の「古楽の楽しみ」 ― 2017年08月04日 22時54分25秒
バッハのカンタータは結構やっているようですが、まだ半分に達していません。そこで今月は、「ヨハネ福音書とかかわるバッハのカンタータ」という特集を組みました。『ヨハネ福音書』をいま研究していますので、そのカンタータとの関係を調べてみたかった、という事情もあります。
「ヨハネ福音書とかかわる」ということの意味は、『ヨハネ福音書』の一節が朗読される礼拝で演奏されたバッハのカンタータ、という意味です。曲にもよりますが両者には密接な関係があり、直接の引用があることもしばしばです。「ヨハネとかかわる」曲は、案外やっていないこともわかりました。ほとんどの曲が初放送です。
7日(月):福音書第1章(ロゴス讃歌)とかかわるもの。第64番(ベルダー)、第132番(ルッツ)+第147番のアリアとコラール(ガーディナー旧盤。新盤にしようと思ったら、持ち込んだCDに傷がついていて、変更のやむなきに至りました)。
8日(火):福音書第2章(カナの婚礼)とかかわるもの。第155番(ガーディナー)、第3番(BCJ)、《オルガン小曲集》から8曲(椎名雄一郎の最新録音)。
9日(水):福音書第3章とかかわるもの:第129番(ルッツ)、第165番(ガーディナー)、第176番(ヘレヴェッヘ)、オルガン曲《ファッシュによるトリオ》BWV585からアレグロ(プレストン)。
10日(木):福音書第10章、第14章、第15章とかかわるもの。第85番、第59番、第183番。いずれもBCJ。オルガンの聖霊降臨祭コラールBWV651(松居直美)。
11日(金):福音書第16章とかかわるもの:第166番(ルッツ)、第103番(ガーディナー)、第86番(コープマン)。
聖書の話が多くなるのもどうかなと危惧も覚えましたが、カンタータの鑑賞ためには必要と割り切りました。11日の最後に、4つの福音書とかかわるバッハのカンタータの数の統計を発表しています。おそらく皆様の予想と違う結果だと思うので、どうぞお聴きください。
カンタータはコンパクトで飽きません。ソロや二重唱が次々、終わりのコラールを聞き終えると答えに導かれたような安らかな気持ちになります。器楽演奏もそれぞれ内容によりそった意味をもっているのですね。歌詞の意味はわかりませんが、わたしの場合その点は、礒山先生の説明で不足ありません。
それにしても、聖書の朗読や説法だけでなく礼拝のたびに音楽が聞けるのなら教会に通うのが楽しみだったでしょうね。水曜日の朝の放送を聞いてからお寺のお葬式に行き、お坊さんの御詠歌を聞きました。バッハのカンタータに比べると、比べようもないほどシンプルなものですが、これもカンタータのような役目で、人をなぐさめたり勇気づけたりしているのかなと思ったりしました。
また先生の回を楽しみに待ちます。
久美さん、いつもありがとう。たしかに、音楽が好きで向かい合う人であれば、バッハと同時代にライプツィヒにいたらすばらしかったと思います。でも興味がない人もけっこういただろうし、そういう人にとっては、たいへんだったでしょう。みんなが楽しめるように書かれた音楽ではないですからね。でも、時代を経て残っていくのは、バッハのような音楽だと思います。
それにしても、聖書の朗読や説法だけでなく礼拝のたびに音楽が聞けるのなら教会に通うのが楽しみだったでしょうね。水曜日の朝の放送を聞いてからお寺のお葬式に行き、お坊さんの御詠歌を聞きました。バッハのカンタータに比べると、比べようもないほどシンプルなものですが、これもカンタータのような役目で、人をなぐさめたり勇気づけたりしているのかなと思ったりしました。
また先生の回を楽しみに待ちます。