日本語でどう言うか2017年10月16日 22時31分47秒

duで話そう、という会話をしているとき、エヴァさんが、日本語では何というのか、と訊かれました。ドイツ語のSieとdu、フランス語ならvousとtuに当たる日本語は何か、という質問です。

日本語にそういう区別はない、と申し上げると、エヴァさんは、「じゃ、英語と同じね」とおっしゃるではないですか。そうか、英語ではあらゆる人が自分を「I」といい、あらゆる人が相手を「you」というわけですね。

頭にたくさんの言葉を思い浮かべつつ、日本語ではたくさんあるんだ、とお答えしました。1つにしてしまう英語も、たくさんある日本語も、どっちも別の意味ですごいなあ、と思いますが、選択肢の多い日本語のすばらしさを再認識しました。

ただこれは、翻訳のとき、いつも問題を生み出します。たとえばイエスがサマリアの女に声をかけるとすれば、「あなた」「お前」「君」のどれがいいでしょうね。自称も、いつも「私」では変だ、という気もします。

しかし外国人の立場に立ってみると、1人称代名詞、2人称代名詞がいくつもあって使い分けるというのは、学習意欲を失わせるほどややこしいことであるにちがいありません。同情します。

コメント

_ 優@1&6&14&22 ― 2017年10月18日 16時50分46秒

私も同様のことを聞かれたことがあります。一応説明はしましたが、ピンとこなかったようです。
日本人同士の会話では主語、とりわけ二人称を省略することが一般的です。話の流れで判断できますし。二人称代名詞は、家族や友達同士など。とりわけ親しい人同士でしか使用しないのではないでしょうか。「あなた」、「君」、「お前」などは他人に対して使うと馴れ馴れしくて失礼、という風潮があるように思います。一般的には相手の名前や名詞(”先生”、”皆さん”など)を使いますね。日本語の人称代名詞は標準語の他に各地の方言も入れると数え切れないほどあり、どれも味のあるものだと思います。
仰るとおり、翻訳の際には悩みますね。イエスの場合、同じ相手に対しても使い分けるとか、日本語として自然な流れにしたければ主語を省略というのもあっていいかもしれません。

_ I招聘教授 ― 2017年10月18日 23時17分08秒

たしかに、訳しすぎているかもしれませんね。細かい言葉までなるべく生かして訳すのがいいという通念があって、つい訳しすぎるのかもしれません。"Gott"と"mein Gott"は同じでいいか、と思ったりしますとね。

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