新春・京都行(1)2015年01月14日 11時17分35秒

連休の11日(日)と12日(月)、京都を訪れました。目的は、ウィーン・フィル&サントリー音楽復興祈念賞の1つとして選ばれた「日本マスターズオーケストラキャンプ」の視察です。

これは「日本アマチュアオーケストラ連盟」の主催するイベント。全国のアマチュア・オケの中心弦楽器奏者が80人集まり、N響の3先生(森田昌弘、御法川雄矢、藤森亮一)の指導により合宿、コンサートを作っていく、というものです。全国の音楽文化に貢献する趣旨はよくわかりますが、はたしてどんな風に行われるのか。そううまくいくものだろうか、という疑問も内に秘めつつ、府民ホール・アルティに向かいました。

ちょうど、モーツァルトの交響曲第40番のセッション。弾き始めの音は、当然ながら、まとまっていませんでした。しかし、指揮者は置かないのが方針なのですね。あくまで演奏者同士がお互い聴き合うことを前提とし、この曲担当の御法川さんが、随時口頭で指示を出しながら進めていく。この音を大切に、とか、このフレーズの受け渡しを意識して、といった感じです。

そうしたら驚くなかれ、ものの15分ぐらいのうちに合奏がまとまり、有機的な響きが出てきました。まさに音楽が、そこに生まれてきたのです。指導する方もする方だが、される方もされる方だと、私はすっかり感心してしまいました。受講する側に感性と理解、そして求める心がなくては、こうはならないだろうと思ったからです。

意義のあるプロジェクトであることがわかって嬉しく、レセプションでは大いにエールを送らせていただきました。とても気持ちよかったです(挨拶で本音を吐いてときおり大失敗するものですから、この手のスピーチはいっさいやめようかと思っていたのですが、お役に立てると思うときだけ、やることにしました)。

レセプション後、京都在住の田中純さん--あのすばらしい《冬の旅》を歌われたバリトン歌手--と飲み、楽しい夜を過ごしました。連れて行っていただいたお店がなんと広島ファンの集まるところで、最後、野球談義で盛り上がりました。写真は、翌朝散策した京都御所です。