新年になりました2015年01月03日 23時21分34秒

おめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

三が日は、やっぱり駅伝を見てしまいますね。今年は、元旦の実業団もすごいレースでした。箱根でお馴染みの選手がばらけて入るので、新しい形で応援できます。一流の選手が揃いますから、レースの質は、やはり、箱根より上のように思えます。

とはいえ、箱根の魅力は格別。青山学院大学、圧巻のレースで感動的でした。メンバーが爽やかであることに加え、コメントが個性的で、好感度が高いですね。ファンになりました。

いつも年頭には、今年の意気込みとか、目標とかを書いています。しかし今年は、じつのところ、不安が先立っています。今の仕事量を変わらずこなしていけるかどうか、確信がもてないからです。

いろいろなお手伝いをすることで皆様への恩返しができると思っていますが、一番いい恩返しは研究をまとめることによってこそできるとも思えます。残り時間が減ってきていますから、そのためには、自己本位の時間の使い方をすることも必要。そのバランスをどうとるかが、これまで以上にむずかしくなりそうです。5日から、授業が始まります。

1月のイベント2015年01月05日 23時57分02秒

5日からの授業スタートとなった、今年。今月は霞ヶ関関係の仕事が中心ですが、公開イベントのご案内を、いつものようにさせていただきます。

7日(水)から、朝日カルチャー新宿校です。21日(水)との2回。午前中がワーグナー《トリスタンとイゾルデ》。第2幕を、2回使ってやります。午後はバッハのリレー演奏ですが、7日が《シャコンヌ》、21日が《ブランデンブルク協奏曲》の第2番、第3番になります。

この週末は、サントリーの復興祈念賞の視察。次の週末、17日(土)にはいずみホールのモーツァルト企画がありますが、これについては別途ご案内します。

いつも土曜日の「たのくら」、すなわち「楽しいクラシックの会」、今月は日曜日で、25日(日)、9:30からとなります(立川市錦地域学習館)。今月は《パルジファル》の第2幕で、終了後に新年会をします。楽しいアトラクションのある会ですので、ご参加を歓迎します。

30日(木)に毎日芸術賞の授賞式があり、《パルジファル》を達成された飯守泰次郎さんが、クラシック音楽部門の受賞者に決まりました。お祝いを申し上げたいと思います。あ、これは非公開ですね。今月は、このぐらいです。ワーグナー中心になりそうです。

今月のモーツァルト・シリーズ2015年01月06日 22時21分34秒

今年度のいずみホール・モーツァルト・シリーズ「未来へ飛翔する精神」、その第4回のコンサート「妻と捧げる祈り」が、17日(土)の15:00から開催されます。鈴木秀美指揮、オーケストラ・リベラ・クラシカの出演で、演目はハ短調ミサ曲と《グラン・パルティータ》です。

シリーズでいちばん期待しているのが、じつはこの公演。鈴木さんとリベラ・クラシカの、創意にあふれ音楽する喜びも横溢した演奏は最高のものと評価しますが、ここぞという時にしかお願いできないのが現状です。今回、この2名作でご出演いただけることになり、大勢のお客様でお迎えしたいと念願しています。

ハ短調ミサ曲を演奏するために、「コーロ・リベロ・クラシコ」という合唱団を編成してくださったとか!語尾活用を見ただけで嬉しくなってしまいますね(笑)。色とりどりの管楽器を揃えた《グラン・パルティータ》も、ピリオド楽器で演奏してこそ面白さが倍加します。今後のためにも、ぜひ応援していただけるようお願いします。

ライプツィヒ・バッハ音楽祭のご案内2015年01月08日 15時53分09秒

6月、白アスパラガスの季節に催される、ライプツィヒのバッハ音楽祭。今年2015はたいへんいい内容なので、朝日旅行社さんのツアーに便乗することにしました。6月13日(土)出発、20日(土)帰国になります。

行こう!という決め手になったのは、14日(日)、ニコライ教会における、ガーディナーとモンテヴェルディ合唱団、イングリッシュ・バロック・ソロイスツのコンサート。その曲目が、私の大好きな選帝侯妃追悼カンタータ(第198番)と、モーツァルトの《レクイエム》なのです!これと、ヘレヴェッヘ指揮、コレギウム・ヴォカーレによる《ヨハネ受難曲》第2稿(18日・木)を二本柱としてご案内しています。

ほかに、希望者参加という形になると思いますが、私の推奨コンサートが2つ。1つは、15日(月)トーマス教会におけるミヒャエル・ラドゥレスクのオルガン・コンサート。変ホ長調のプレリュードとフーガBWV552など選曲もいいので、ぜひお薦めです。もうひとつは、16日(火)、ニコライ教会における、チェコのアンサンブル(コレギウム・ヴォカーレ1704)によるバッハ/小ミサ曲ヘ長調とゼレンカ/ミサ曲のコンサートです。

オプショナル・ツアーが2つ。ヘンデルの生地ハレは近いですし定番ですが、ナウムブルクとヴァイセンフェルスを回るものが、貴重で面白いはずです。ナウムブルク・ヴェンツェル教会(←すばらしい)でオルガンを聴き、「狩のカンタータ」を初演したヴァイセンフェルスの「狩の館」で昼食を摂るという計画です。

広くお誘い申し上げます。詳細は朝日旅行社のホームページでどうぞ。http://www2.asahiryoko.com/djweb/TourDetail.aspx?tc=S27136150000

今月の「古楽の楽しみ」~チェンバロ特集2015年01月11日 10時43分59秒

今月は、ドイツ・バロックのチェンバロ音楽の歴史をたどります。いつもは歴史の流れをたどる形にするのですが、今回は逆に、源流に遡る形にしました。月曜日がいつも古く、木曜日がいつも新しくなるのを避けるためです。

というわけで、19日(月)は、バッハの息子から入ります。ヨハン・クリスティアンのソナタニ長調(レオンハルト)、エマーヌエルのプロイセン・ソナタ第1番(アスペレン)、フリーデマンのファンタジアニ短調(ジュリア・ブラウン)とたどり、テレマンをいくつか。ファンタジアを2曲(アンドレア・コーエン)と、《信頼のおける音楽の師》のパルティーアト長調、〈郵便馬車〉変ロ長調(座ビーネ・バウアー)です。

20日(火)は、バッハの先人たちです。クーナウの《新鮮なクラヴィーアの果実》からソナタ第6番変ロ長調(ヤン・カチュケ)、パッヘルベルの組曲ホ短調(ジョセフ・ペイン)、シャコンヌニ長調(フランツ・ラムル)、ラインケンのバレットホ短調(シモーネ・ステッラ)とたどってゆきます。

21日(水)は、フローベルガーを中心に。トッカータニ短調(副嶋恭子)、組曲第12番ハ長調(ルセ)、第30番イ短調(シュタイアー)と聴いた後、同い年で友人だったヴェックマンのトッカータホ短調と、組曲ハ短調(レオンハルト)を比較します。最後がシャイデマンの《ラクリメ》と《ガリアルダ》(ロヴァトカイ)です。

22日(木)はいよいよ源流に到達。シャイトの《幸運の天使のカンティレーナ》(ラムル)で開始し、「源流」スウェーリンクを、3曲。〈緑の菩提樹のもとで〉に基づく変奏曲(ディルクセン)、半音階的ファンタジア(アスペレン)、偽作とされますが《輝く暁の星の麗しさよ》(デルフト)です。

ここまで来ると、イギリスのヴァージナル音楽に行かざるを得ません。そこでこの日の後半は、トムキンズ、ブル、ファーナビ-、ギボンズの楽しいヴァージナル作品を、ラヨシュ・ロヴァトカイの演奏で聴きます。

だいぶ渋くなりましたが、珍しい曲、新しい録音も交えていますので、チェンバロのお好きな方、早起きをお願いします。

新春・京都行(1)2015年01月14日 11時17分35秒

連休の11日(日)と12日(月)、京都を訪れました。目的は、ウィーン・フィル&サントリー音楽復興祈念賞の1つとして選ばれた「日本マスターズオーケストラキャンプ」の視察です。

これは「日本アマチュアオーケストラ連盟」の主催するイベント。全国のアマチュア・オケの中心弦楽器奏者が80人集まり、N響の3先生(森田昌弘、御法川雄矢、藤森亮一)の指導により合宿、コンサートを作っていく、というものです。全国の音楽文化に貢献する趣旨はよくわかりますが、はたしてどんな風に行われるのか。そううまくいくものだろうか、という疑問も内に秘めつつ、府民ホール・アルティに向かいました。

ちょうど、モーツァルトの交響曲第40番のセッション。弾き始めの音は、当然ながら、まとまっていませんでした。しかし、指揮者は置かないのが方針なのですね。あくまで演奏者同士がお互い聴き合うことを前提とし、この曲担当の御法川さんが、随時口頭で指示を出しながら進めていく。この音を大切に、とか、このフレーズの受け渡しを意識して、といった感じです。

そうしたら驚くなかれ、ものの15分ぐらいのうちに合奏がまとまり、有機的な響きが出てきました。まさに音楽が、そこに生まれてきたのです。指導する方もする方だが、される方もされる方だと、私はすっかり感心してしまいました。受講する側に感性と理解、そして求める心がなくては、こうはならないだろうと思ったからです。

意義のあるプロジェクトであることがわかって嬉しく、レセプションでは大いにエールを送らせていただきました。とても気持ちよかったです(挨拶で本音を吐いてときおり大失敗するものですから、この手のスピーチはいっさいやめようかと思っていたのですが、お役に立てると思うときだけ、やることにしました)。

レセプション後、京都在住の田中純さん--あのすばらしい《冬の旅》を歌われたバリトン歌手--と飲み、楽しい夜を過ごしました。連れて行っていただいたお店がなんと広島ファンの集まるところで、最後、野球談義で盛り上がりました。写真は、翌朝散策した京都御所です。



新春・京都行(2)2015年01月15日 22時58分46秒

日曜日のコンサートは1時半から。それまでに少し京都を歩こうと思っていました。起きてみると、青空が見えるのに雪がちらつくという、変わりやすい天気。しばらく御所を歩いたあと、出町柳から電車に乗り、鞍馬に行ってみることにしました。思いつきです。


ローカル電車を降りてみると、雪が降りしきっている。日本海側と直結した京都の気候、厳しいですね。天狗様も驚いているようでした。


軒を連ねている食堂に駆け込み、京風の定食(おいしい)でブランチ。ゆっくり食べているうちに小降りになりましたので、鞍馬寺への参道を、少し登ってみました。由岐神社までです。


天気のいいとき、そして時間のあるときに来れば、楽しめるところだと思います。大急ぎで元来た道を帰り、コンサートに飛び込みました。日本マスターズオーケストラの演奏は、練習の注意点がよく生かされて、なかなか立派なものでした。コンマスの方々が全国に成果を持ち帰り、活力を与えてくれるといいなと思います。

圧巻!!!《ハ短調ミサ曲》2015年01月19日 08時15分17秒

心から尊敬する鈴木秀美さん、そして信頼するオーケストラ・リベラ・クラシカの方々におまかせした、「妻と捧げる祈り」と題するいずみホールのコンサート。《グラン・パルティータ》のために種々のピリオド管楽器を揃え、《ハ短調ミサ曲》のために合唱団(コーロ・リベロ・クラシコ)を結成し、という大がかりな準備を重ねて、本番を迎えました。文字通り、モーツァルト・シリーズ最大の勝負企画です。

というわけで緊張感をもって聴きに伺いましたが、期待通りのすごいコンサートとなり、大感激。いや「期待通り」ではないですね。こんなクリエイティヴな演奏内容は、期待のしようがありませんから。

烈々とした気迫、曇りなくクリアな音像、透明にして力強い合唱、生き生きしたディクション。こんな目の覚めるようなハ短調ミサ曲を、私は初めて聴きました。この合唱団、今後、要注目です!

ご承知の通り、この作品では、ソプラノ・ソロが重要な役割を演じます。今回起用された新人、中江早希さんのスケール雄大な古楽唱法には、満場驚嘆。この分野で世界に勝負できる逸材があらわれた、というのが実感です。それも含め、こうした演奏を実現した鈴木秀美さんの音楽力、人間力に脱帽します。

打ち上げはスピーチだけで失礼し、来てくださった大阪音大の方々と「ヴィヴァーチェ」で痛飲。結局新大阪で一泊して帰宅しました。皆さん、お疲れさまでした。

今月の特選盤2015年01月22日 23時29分30秒

毎月、手元に集まったCDを少しずつ聴いていくわけですが、おやこれいいな、と思わずジャケットを見直すCDがたまにあります。「行きずりに見つけた野の花」のようなイメージでしょうか。

そんな嬉しいCDを、今月は推薦することにしました。それは、ショーソンのピアノ四重奏曲。演奏はアンサンブル・モンソロで、マーラーの四重奏曲とカップリングされています(キングインターナショナル)。パリ音楽院で学んだ若い方々(ヴァイオリンは本田早美花さん)による演奏ですが、曲は詩情にあふれて美しいし、演奏がともかく、よどみなくて爽やか。心が洗われます。

話は変わりますが、先頃、フルトヴェングラー指揮による往年の録音が、リマスター・シリーズで再発(分売)されました。たしかに(曲にもよりますが)、見違えるように聴きやすい音になっています。マスターテープだって古いだろうに、不思議ですね。

年末年始に、それを少しずつ聴きました。いや、すばらしいです。若い頃から好きで聴いていましたが、いま聴くと、その特徴がよくわかります。ひとつは、深い情感のこもった、その音作り。もうひとつは、作品の高みを心をこめて振り仰ぐ、彼の言葉を借りれば「畏敬」の念。人間が身を低くするところにすばらしい芸術が生まれることを、それはよく示していると考えます。

クンドリーに向き合う2015年01月26日 04時25分32秒

立ち往生する局面によく出会うものですから、いかにそれを切り抜けてマイナスをプラスに転化させるかに腐心しています。それはとても大事なことだし、やる価値のあることだと思っています。

25日(日)は、28年目に入った立川「楽しいクラシックの会」(たのくら)の例会と新年会でした。2年間やってきたワーグナー・プロジェクトも終わりにさしかかり、この日は《パルジファル》の第2幕。概要を説明した後に、レヴァイン/メトロポリタンで要所をつまみ食いし、シノーポリ/バイロイト(BD)で通し鑑賞、という計画を立てていました。

そうしたら、前回使えたBDプレーヤーが使えないことが判明。会員の方が折良く持参してくださったシュタイン/バイロイト(日本語なし)でつまみ食いしてから、レヴァイン/メトロポリタンで通し、という方針に変更しました。バイロイトはヴォルフガング・ワーグナー、メトロポリタンはオットー・シェンクの演出です。

さて通しを聴き始めたら、ものの5分も経たないうちに、アンプが故障。音が出なくなってしまったのです。立ち往生した私は、解散してお店にでも行くしか方法がないか、と思案しました。

ところが、会員の中に複数おられるオーディオにくわしい方が、視聴覚室のテレビを使って鑑賞できるよう、工夫してくださったのです。しかし画面は小さく、音もぐっと貧弱になってしまいました。

ところが(2回目)、こうした経緯が鑑賞の集中力を高めたようなのですね。結果として、第2幕が、思わぬほど大きな感動をもたらしました。《パルジファル》は私の研究対象であり、ずいぶんたくさん聴いてきたはずなのですが、第2幕がそれ自体としてこんなにすばらしいと思ったのは、恥ずかしながら、初めて。何より、複雑かつ至難なクンドリーという役柄を、ヴァルトラウト・マイヤーが末端に至るまでの配慮をもって化身のごとく演じ、女らしい潤いをたたえながら表現しているさまに圧倒されてしまいました。

このクンドリーとしっかり向き合うことができたのは、上記トラブルのたまものです。第2幕の構想の深遠さ、演奏の大切さなどを噛みしめつつ、新年会へ。来月の第3幕が楽しみになりました。