鳴り響くポストモダン2016年08月23日 11時45分30秒

皆様、台風の被害は大丈夫でしたか。私はちょうど須坂の仕事の後温泉に泊まり、半分青空の長野を出発して、風雨の関東平野に突っ込んでくる形になりました。幸い、埼京線・武蔵野線・中央線の乗り継ぎが確保でき、お昼過ぎ、無事帰宅しました。

その日は、夕刻にマッサージ、夜はコンサートという予定。マッサージは絶対抜かしたくないと都内に出たのは、たいへん疲労感があったからです。マッサージの先生からも、今週はどうしたんですか、というお尋ね。ここ数日、精神的には喜びのある日々で、肉体的にもタイトだとは思っていなかったのですが、案外、積み重なるものがあったようです。温泉、入ったんだけどなあ。

しかしすべてを吹き飛ばしたのが、サントリー・サマーフェスティバルの幕開け公演でした!佐藤紀雄さんのプロデュースによる「めぐりあう声」がそれ。詳細はこちらhttp://www.suntory.co.jp/sfa/music/summer/2016/ をご覧下さい。

佐藤さんが「ひらく」対象とした今日の作曲界の「グローバル」な状況というのは、地域や風土のみならず、歴史やジャンル、芸術の境界をも、融通無碍に乗り越えてゆくものなのですね。ニュージーランド出身というジャック・ボディの《死と願望 の 歌とダンス》改訂版世界初演は、そういう状況がいかに楽しく心ときめくようなものでありうるかを、見事に示してくれたと思います。ビゼーの《カルメン》、マオリの民謡その他世界の音楽素材を軽妙に重ね合わせ21世紀感覚で躍動させるその手法についての詳しい解説は、おそらくどなたがが書いてくださるでしょう。

メレ・ボレントン、波多野睦美、シャオ・マ(カウンターテナー)の声楽ソリスト、森山開次さんのダンス、アンサンブル・ノマドの器楽、すべてが作品に入りこんで、最高のノリ。こうしたコンサートを実現した佐藤紀雄さんの見識と手腕には、脱帽あるのみです。サマーフェスティバル、30日まで続きます。

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