癒しのシンポジウム ― 2017年11月20日 13時01分58秒
上智大学キリスト教文化研究所が主催する聖書講座に参加してきました。18日の土曜日です。
今年は、『宗教改革期の芸術世界』というタイムリーなテーマによるシンポジウムです。発表の時間が1時間いただけたので、《ヨハネ受難曲》を例にとってお話しすることが最良と判断し、博論の成果の発表の一部と位置づけました。
ところが案に相違して、準備がはかどりません。テーマを切り出して適切に再構成することは、そう簡単ではありませんね。
金曜日の夕方の段階で、レジュメの作成が半分ぐらい。シンポジウムは午前中から始まりますので、完成できるかどうか、不安が大きくなってきました。なぜならその夜はコンサートで、終了後簡単な打ち合わせも予定されていたからです。
帰宅は11時過ぎになりましたが、幸いにも、ここから気合いが入ってきました。集中してレジュメとパワポのファイルを作成し、ひととおり完成したのが、朝の4時頃。もちろん、ワインの力を借りました。それからビールを1杯飲んで就寝しましたので、睡眠は2時間。朝とても疲労感があり、1日もつかどうか心配しながら、四ッ谷に向かいました。
ところがところが。竹内修一先生のご挨拶に続きパネリストの発表が始まったあたりから、疲労がすーっと消えていったのです。以後、得意とする居眠りもまったく出ず、快適かつ集中して、シンポジウムに参与することができました。
環境が良かったと思うのですね。会場は図書館棟9Fの、眺めのよい広々した空間。雰囲気はやわらかで大学にありがちな重苦しさがなく、時間に十分な余裕をもたせて、プログラムが組んであります。加えて、清潔感のある学生さんたちが、チームワークよく動いている。大学の品位を感じさせる要素がたくさんありました。
最初に中島知章さんが「宗教改革期の教会建築」という発表をされましたが、その中にライプツィヒのトーマス、ニコライ両教会に関するお話を入れてくださっていて、なるほどそうかと、まずは貴重な学習。続く児嶋由枝さんの「トレント公会議とカトリック美術~奇蹟の聖母像を中心に」にはヨハネ福音書の話が出てきましたし、聖母や聖遺物に関する数々の画像に、時には《ヴェスプロ》、時には《パルジファル》を連想しつつ、見入りました。2台のプロジェクターが大きく画像を映し出し、よく見えるのです(下の写真、白が画面)。
私の発表は素材過剰で急ぎ足になってしまいましたが、ベストを尽くしましたので悔いはありません。最後の1時間が、パネルディスカッションになりました。
上智大学の研究環境や先生方、継続中の講座などを事実上初めて体験し、また自分の世界が広がりました。m(_ _)m
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