今月の「古楽の楽しみ」 ― 2014年10月21日 14時15分06秒
すみません、うっかりしているうちに放送、2回分終わってしまいました。後追いですが、4日分ご案内します。(Tenor1966さん、ご指摘ありがとうございます。)
今月は、「バッハと楽器」という特集を組みました。バッハがその楽器のために書いた音楽を、声楽曲のオブリガートも含めて聴き、その楽器に対するバッハのイメージもつかめれば、という企画です。
20日(月)は、フルートです。まず、代表作のロ短調のフルート・ソナタBWV1030を、ハーツェルツェト&オッホの演奏で。この名曲を使うのは、初めてです。オブリガートとなると、なんといっても有名なのは《コーヒー・カンタータ》のソプラノ・アリアですね。これにはグリム&ハーツェルツェト&コープマンの演奏を使いました。宗教曲ではやはり、《マタイ》第2部のソプラノ・アリアでしょう。これは、手に入れたばかりのクイケン盤で(ソプラノはゼーマン、フルートはM.アンタイ)。その前の聖書場面を含めて出しました。締めは無伴奏パルティータ。これも初出しですが、ジェッド・ウェンツの演奏はなかなか面白いと思いました。
21日(火)は(今日でしたが)、オーボエ特集。オーボエとヴァイオリンのための協奏曲で入り(カフェ・ツィンマーマン演奏)、オブリガートの美しいカンタータ第32番を全曲聴きました(ガーディナー)。それから《マタイ》第1部のテノール・アリアを、ヤーコプス注目の新録音で。テノールはレートプーです。最後にオーボエ・ダモーレ協奏曲BWV1055の第1楽章をグッドウィンの演奏で聴き、締めとしました。
22日(水)は、ヴィオラ・ダ・ガンバです。まず、カンタータ第106番を、ガーディナーの最新録音で。ガーディナーの最近の演奏には、本当に「間」が出てきましたね。次に第1番ト長調のソナタを、ツィパーリング&バウアーの演奏で。ガンバが印象的なのは何と言っても受難曲ですから、《ヨハネ》のアルト・アリアと、《マタイ》のバス・アリアを聴き比べます。演奏は《ヨハネ》がスティーヴン・レイトンの新録音で、カウンターテナーはイェスティン・デイヴィーズ。《マタイ》には、定評あるレオンハルトのものを使いました。バスがメルテンス、ガンバはW.クイケンです。
23日(木)はリュートです。まず《フーガとアレグロ》を、最近手に入れたヨアヒム・ヘルトの演奏で。次にカンタータ第198番(選帝侯妃追悼頌歌)から、リュートの響きが印象的なアルトとテノールのアリアを、パロットの指揮で。やっぱりいい曲ですねえ。リュートは両受難曲にも、稿によりますが使われていることをご存じでしょう。《マタイ》の〈来たれ、甘き十字架〉のアリアは、初稿ではリュート伴奏でした。いい演奏があったら前日のガンバと比較できて面白い、と思って探したところ、ヤーコプスの新盤が、なんとリュートを使っていることが判明。この曲にはリュートがよく、ガンバへの変更はやむなく行ったのではないか、という考えがあるようです。かくして、比較が実現しました。バスはコンスタンティン・ヴォルフ。最後は、バッハのリュート曲の多くが想定していたとされるリュート・チェンバロで、組曲ホ短調BWV994を聴きます。演奏は渡邊順生さんです。
というわけで構成に凝った今月でしたが、ご案内を忘れてしまいました。申し訳ありません。
カミさんと一緒に今日の放送を聴きながら、「明日は何だろう。トランペットかな?」などと思いながらブログを拝見したら見つからなかったものですから(^^)
明日はヴィオラ・ダ・ガンバ、明後日はリュートなのですね。
それぞれの楽器をバッハがどのような表現のために用いたのかという視点はとても興味深いです。
明日も楽しみにしています。
また、他の楽器のものも聞いてみたいです(^^♪
先生、BWV994の曲を予め聴きたくて手持ち資料やネットで調べたのですが、どうも別の曲でした。組曲ホ短調はBWV996と思われます。
お蔭で、BWV994をYouTube(ピアノ)で聞いたところ、穏やかなバッハの小品に巡り合えることが出来ました。
オブリガートと言うと私の中では、第九の歓喜主題にビオラが加わってから入ってくる、何ともオシャレなファゴット旋律を思い出してしまいました。
オブリガートを意識して、取り上げられたバッハの声楽曲を改めて聴いてみたいと思います。
ごめんなさい、994と誤記していて、放送のときに996と修正したのでした。失礼しました。
明日はヴィオラ・ダ・ガンバ、明後日はリュートなのですね。
それぞれの楽器をバッハがどのような表現のために用いたのかという視点はとても興味深いです。
明日も楽しみにしています。
また、他の楽器のものも聞いてみたいです(^^♪