一品料理 ― 2010年03月23日 11時14分43秒
今日はいずみホールの記者懇談会と企画打ち合わせで、大阪に日帰りしました。このパターンはよくあるのですが、昼食が、車内になります。東京駅はお弁当の種類が豊富なので、選ぶのが楽しみ。最近、牛肉系とお寿司系(鯖寿司など)に二極化するようになってきていることに気づきました。今日は、米沢の牛肉でした。
要するに、幕の内系に手が出ないのです。駅弁の過半数は、幕の内系ですけど。これは居酒屋などでも同じで、たくさんあるのをつまみ食いするより、一品料理を好みます。育ちのせいですね。
夜は、大阪の法善寺横町(!)で、お好み焼きを食べました。お好み焼きも、拡大された一品料理のようなものだと思いますが、違うでしょうか。ミナミの雰囲気が横溢する店内もよく、おいしくいただきました。9月に開催する歌謡曲企画を、この分野に精通した十川支配人といっしょに作っています。ご期待ください。
要するに、幕の内系に手が出ないのです。駅弁の過半数は、幕の内系ですけど。これは居酒屋などでも同じで、たくさんあるのをつまみ食いするより、一品料理を好みます。育ちのせいですね。
夜は、大阪の法善寺横町(!)で、お好み焼きを食べました。お好み焼きも、拡大された一品料理のようなものだと思いますが、違うでしょうか。ミナミの雰囲気が横溢する店内もよく、おいしくいただきました。9月に開催する歌謡曲企画を、この分野に精通した十川支配人といっしょに作っています。ご期待ください。
敬語の使いどころ ― 2010年03月22日 23時31分55秒
後輩や学生には敬語を使わない、と申しましたが、ぞんざいな印象を受けられたでしょうか。高校・大学と、上下関係がきちんとした環境で育ってきたので、私にはそれが自然。年長の方に丁重に接せられたりすると、逆に違和感があります。
でも私、内輪以外のところでは、必ず敬語を使っているのですよ。ていねいに、感じよく、をモットーにしています。まあいつもそう受け取ってもらえているわけではないでしょうが、そのようにして、けっして損はないと感じます。
そういう原則を立てている自分からすると、敬語を使わない人に対して違和感を覚えることがよくあります。次のような場合です。買い物や食事のとき、店員に対して。病院で、看護婦さんに対して。窓口で、係員に対して。雑用をしてくれている職員に対して。マッサージをしてくれている指圧師さんに対して、等々。オレは客だ、というスタンスで威張っている人って、案外いるものですね。
ネットの投書も、敬語であるべきではないでしょうか。私がときどき見ている趣味関連の掲示板には、敬語なしで書き込む人が何人かおり、どうも偉そうで、感じが良くありません。そんなところで威張ってどうするんだと、ここでも感じます。
リスクヘッジかどうか存じ上げておりませんが(←誤用)、若者の敬語にも、一定の効用はあるのかもしれませんね。
でも私、内輪以外のところでは、必ず敬語を使っているのですよ。ていねいに、感じよく、をモットーにしています。まあいつもそう受け取ってもらえているわけではないでしょうが、そのようにして、けっして損はないと感じます。
そういう原則を立てている自分からすると、敬語を使わない人に対して違和感を覚えることがよくあります。次のような場合です。買い物や食事のとき、店員に対して。病院で、看護婦さんに対して。窓口で、係員に対して。雑用をしてくれている職員に対して。マッサージをしてくれている指圧師さんに対して、等々。オレは客だ、というスタンスで威張っている人って、案外いるものですね。
ネットの投書も、敬語であるべきではないでしょうか。私がときどき見ている趣味関連の掲示板には、敬語なしで書き込む人が何人かおり、どうも偉そうで、感じが良くありません。そんなところで威張ってどうするんだと、ここでも感じます。
リスクヘッジかどうか存じ上げておりませんが(←誤用)、若者の敬語にも、一定の効用はあるのかもしれませんね。
拝金主義 ― 2010年03月21日 22時35分50秒
今日は、バッハの誕生日でした。コンサートがさぞ多かったと思いますが、今年は、自宅休養とさせていただきました。将棋NHK杯の決勝戦、開幕したパ・リーグ、同じく選抜甲子園、民主党の内紛など、テレビで見るものには事欠かない1日で、少し、ゆっくりしてしまいました。
しばらく前の新聞で、最近の日本語には敬語が過多になる傾向がある、と書いてありました。たしかにそう思いますが、考えてみれば、これは不思議な現象です。なぜなら、昔の発達した敬語体系が少しずつ簡略化されてきたのが近年の歴史であったと思うからで、女性の会話とか、手紙の時候の挨拶とか、昔はずっと入り組んだ言葉の使い方をしていたんじゃないかと思います。
そうした流れが逆流し始めたというのですから、面白い。典型は、鳩山首相も得意とする、「させていただく」言葉でしょう。たとえば会議で司会者が、「始めさせていただきます」と言う。私が冒頭で、「休養させていただきました」と書く。ごく一般化しているので、疑問を感じながらも、ついこう使ってしまいます。
でも、これ以上の敬語の過剰、いわゆる「馬鹿丁寧」というのは、よろず合理化された現代生活には似合わないのではないでしょうか。私は、礼儀も好きですが、単刀直入な会話がそれ以上に好きなので(=時間が節約できる)、お愛想や丁寧語で会話のかなりが支配されることは好みません。そもそも私は、年少の人に敬語を使うことが、少ない方です。学生には、ほとんど使いません。昔職場のトップだった方で、すべての人に絶対に敬語を外さない方がおられましたが、あまり丁寧な人とは、親密になりにくいものです。
でも、正しく使われていれば、いいのです。きわめて丁寧で、しかも誤用されているのは、気持ちが悪い。比較的よくあるのが、事柄本位の会話で「そうですか」と返答すべきところを、「そうでいらっしゃいますか」と返す場合。また最近進出してきたのが、「存じません」というべきところを、「存じ上げていません」と返す場合です。「政治とカネ」がらみの会話で、お金の授受に対して「存じ上げていない」という言葉を使われると、拝金主義とはこのことか、と思わざるを得ません。複数の方が使っておられました。
しばらく前の新聞で、最近の日本語には敬語が過多になる傾向がある、と書いてありました。たしかにそう思いますが、考えてみれば、これは不思議な現象です。なぜなら、昔の発達した敬語体系が少しずつ簡略化されてきたのが近年の歴史であったと思うからで、女性の会話とか、手紙の時候の挨拶とか、昔はずっと入り組んだ言葉の使い方をしていたんじゃないかと思います。
そうした流れが逆流し始めたというのですから、面白い。典型は、鳩山首相も得意とする、「させていただく」言葉でしょう。たとえば会議で司会者が、「始めさせていただきます」と言う。私が冒頭で、「休養させていただきました」と書く。ごく一般化しているので、疑問を感じながらも、ついこう使ってしまいます。
でも、これ以上の敬語の過剰、いわゆる「馬鹿丁寧」というのは、よろず合理化された現代生活には似合わないのではないでしょうか。私は、礼儀も好きですが、単刀直入な会話がそれ以上に好きなので(=時間が節約できる)、お愛想や丁寧語で会話のかなりが支配されることは好みません。そもそも私は、年少の人に敬語を使うことが、少ない方です。学生には、ほとんど使いません。昔職場のトップだった方で、すべての人に絶対に敬語を外さない方がおられましたが、あまり丁寧な人とは、親密になりにくいものです。
でも、正しく使われていれば、いいのです。きわめて丁寧で、しかも誤用されているのは、気持ちが悪い。比較的よくあるのが、事柄本位の会話で「そうですか」と返答すべきところを、「そうでいらっしゃいますか」と返す場合。また最近進出してきたのが、「存じません」というべきところを、「存じ上げていません」と返す場合です。「政治とカネ」がらみの会話で、お金の授受に対して「存じ上げていない」という言葉を使われると、拝金主義とはこのことか、と思わざるを得ません。複数の方が使っておられました。
卒業式 ― 2010年03月19日 23時22分58秒
19日(金)は卒業式。湯川亜也子さんの博士号授与も併せて行われ、感慨のある式となりました。女性が9割ですから、その華やかさは、皆さん、想像されますよね。今年は洋服が皆無に近く、多数派が袴。しかし着物も、とても多かったです。不景気なのに意外に思いましたが、景気とは関係がないのでしょうかね。
しかし、知らない人が着飾っていても、それほど関心はありません。やはり、密接に指導した学生たちの最後の晴れ着姿を見たいわけです。具体的には、修士2年の声楽科14名がその対象。オペラ科9名は論文指導、歌曲科5名は、iBACHコレギウムでかかわった人たちです。
このもっとも華麗な集団は、ステージ向かって右側の一番前に布陣しています。しかるに私の席(来賓席)は左側と正対する角度になっており、該当集団を見るためには、体を左に120度ぐらいねじらないとなりません。まあ60度ぐらいなら適当に盗み見ることができますが、90度以上となるといかにも不審な行動になってしまいますので、あきらめました。「ついてないな」とも思いましたが、今月はいいこともたくさんあるので、このぐらいは許容範囲です。
夜は、お膝元の音楽学の学生たちとのお別れ会。二次会では、草食系のおとなしい男子たちを肉食系(?)の女子たちが盛大にいびる(いじる?)展開となり、いっしょになって楽しんでしまいました。これが、社会の現実です。皆さん、さようなら。
しかし、知らない人が着飾っていても、それほど関心はありません。やはり、密接に指導した学生たちの最後の晴れ着姿を見たいわけです。具体的には、修士2年の声楽科14名がその対象。オペラ科9名は論文指導、歌曲科5名は、iBACHコレギウムでかかわった人たちです。
このもっとも華麗な集団は、ステージ向かって右側の一番前に布陣しています。しかるに私の席(来賓席)は左側と正対する角度になっており、該当集団を見るためには、体を左に120度ぐらいねじらないとなりません。まあ60度ぐらいなら適当に盗み見ることができますが、90度以上となるといかにも不審な行動になってしまいますので、あきらめました。「ついてないな」とも思いましたが、今月はいいこともたくさんあるので、このぐらいは許容範囲です。
夜は、お膝元の音楽学の学生たちとのお別れ会。二次会では、草食系のおとなしい男子たちを肉食系(?)の女子たちが盛大にいびる(いじる?)展開となり、いっしょになって楽しんでしまいました。これが、社会の現実です。皆さん、さようなら。
結果との向き合い方 ― 2010年03月18日 23時34分41秒
しばらく更新の余裕がありませんでした。風邪をひきかかっていましたが、瀬戸際で回避できたようです。
17日、『魂のエヴァンゲリスト』の再校を返し、あとは索引のチェックをするのみとなりました。初校と再校の間でかなりまた充実させましたので、新しい情報をかなりよく取り入れた本になったと思います。手頃な文庫サイズで新しいバッハの本はないと思うので、完成を楽しみにしてます。4月12日発売です。
博士研究コンサート第2日、および大学院修了生による「新人演奏会」が終わりました。会心の出来になった人、体調不良に悩まされた人、運良く出演できた人、惜しくも出演を逃した人などさまざまですが、やっぱり広く妥当するのは、私のツキの理論です。上記のうち、たとえば「惜しくも出演を逃した人」は、ツキがたくさん残っているので、これから必ず、いいことがあります。思うような演奏ができなかった人も、うまくいけばそのままになってしまう問題点としっかり向き合えるわけなので、大きなチャンスをもらったとも、解釈できます。私としても、この人はこういう形で指導していこう、こういうところで力をつけさせようと、考えながら聴いているわけです。結果と一番上手に向き合う人が、一番大きなものを得るのだと思います。
賛辞若干。「バッハ パルティータ第6番~C.P.E.バッハのソナタ~ベートーヴェンの第30番」というホ短調=ホ長調プログラムで第2日のトリを取った和田紘平君(ピアノ)。目先の音を一生懸命弾くピアニストはたくさんいますが、この人の演奏は、つねに全体を見渡している。さすがシェンカーの研究家で、若くして大局観が磨かれているのです。脱帽ものの、格調高い演奏でした。
《新・山手線のうた-固有名によるエチュード第1番》を作曲された、中辻小百合さん。山と並べられた打楽器を奏者が叩き回るという光景は現代曲のコンサートでよく見るものですが、みんな同じように思える、ということはないでしょうか。違うんだとわかりました。才能のある人が書くと、美しく響くものですね。たいしたものです。
より熟した博士研究コンサートに比べて、新人演奏会には若い活力があふれていました。原田佳菜子さんのセンスのいい優雅なフルートが、とくに印象に残っています。
17日、『魂のエヴァンゲリスト』の再校を返し、あとは索引のチェックをするのみとなりました。初校と再校の間でかなりまた充実させましたので、新しい情報をかなりよく取り入れた本になったと思います。手頃な文庫サイズで新しいバッハの本はないと思うので、完成を楽しみにしてます。4月12日発売です。
博士研究コンサート第2日、および大学院修了生による「新人演奏会」が終わりました。会心の出来になった人、体調不良に悩まされた人、運良く出演できた人、惜しくも出演を逃した人などさまざまですが、やっぱり広く妥当するのは、私のツキの理論です。上記のうち、たとえば「惜しくも出演を逃した人」は、ツキがたくさん残っているので、これから必ず、いいことがあります。思うような演奏ができなかった人も、うまくいけばそのままになってしまう問題点としっかり向き合えるわけなので、大きなチャンスをもらったとも、解釈できます。私としても、この人はこういう形で指導していこう、こういうところで力をつけさせようと、考えながら聴いているわけです。結果と一番上手に向き合う人が、一番大きなものを得るのだと思います。
賛辞若干。「バッハ パルティータ第6番~C.P.E.バッハのソナタ~ベートーヴェンの第30番」というホ短調=ホ長調プログラムで第2日のトリを取った和田紘平君(ピアノ)。目先の音を一生懸命弾くピアニストはたくさんいますが、この人の演奏は、つねに全体を見渡している。さすがシェンカーの研究家で、若くして大局観が磨かれているのです。脱帽ものの、格調高い演奏でした。
《新・山手線のうた-固有名によるエチュード第1番》を作曲された、中辻小百合さん。山と並べられた打楽器を奏者が叩き回るという光景は現代曲のコンサートでよく見るものですが、みんな同じように思える、ということはないでしょうか。違うんだとわかりました。才能のある人が書くと、美しく響くものですね。たいしたものです。
より熟した博士研究コンサートに比べて、新人演奏会には若い活力があふれていました。原田佳菜子さんのセンスのいい優雅なフルートが、とくに印象に残っています。
赤ちゃん時代 ― 2010年03月14日 23時54分46秒

これ、家に来たばかりの、赤ちゃん陸の写真です。先日ご紹介したものと比べて、どうでしょう。子犬の方がかわいい、という先入観をくつがえすのではないでしょうか。なお、先日「雑種」と紹介しましたが、いまは「ミックス犬」といって、立派なジャンルなんだそうですね。
「陳麻飯」のチェーン、復活しましたね。いったん閉鎖された前の店舗で、営業を再開しています。どうなっているんでしょう。やっぱりおいしいので、ときどき行きたいと思います。私は、お店がつぶれるとそのたびに、自分に落ち度があったのではないかと反省し、気が休まりません。でも先日、あのお店がつぶれた、このお店がもうないと、まったく自分に関係づけずに話しておられる方を見て、こういう人もいるのかと、感心。皆様はいかがでしょうか。
今日は、ご案内していた博士研究コンサートの、第1日でした。声楽、ピアノ、作曲と、皆さん持ち場で全力投球し、長いコンサートになりました。それぞれ良かったので個別の論評は控えますが、ひとつだけ、賛辞を。藤川志保さんのピアノでシュトラウスの op.10と op.27を歌われた高橋織子さん、類まれな気品に熟した味わいを添えて、感動的なステージでした。《献呈》に始まり、《万霊節》をはさんで《明日の朝》で終わるという美しきシュトラウスの世界を、満喫させていただきました。
「陳麻飯」のチェーン、復活しましたね。いったん閉鎖された前の店舗で、営業を再開しています。どうなっているんでしょう。やっぱりおいしいので、ときどき行きたいと思います。私は、お店がつぶれるとそのたびに、自分に落ち度があったのではないかと反省し、気が休まりません。でも先日、あのお店がつぶれた、このお店がもうないと、まったく自分に関係づけずに話しておられる方を見て、こういう人もいるのかと、感心。皆様はいかがでしょうか。
今日は、ご案内していた博士研究コンサートの、第1日でした。声楽、ピアノ、作曲と、皆さん持ち場で全力投球し、長いコンサートになりました。それぞれ良かったので個別の論評は控えますが、ひとつだけ、賛辞を。藤川志保さんのピアノでシュトラウスの op.10と op.27を歌われた高橋織子さん、類まれな気品に熟した味わいを添えて、感動的なステージでした。《献呈》に始まり、《万霊節》をはさんで《明日の朝》で終わるという美しきシュトラウスの世界を、満喫させていただきました。
4月のイベント(3) ― 2010年03月13日 11時19分55秒
フーッ、ダブルブッキングが解決し、ご案内です。
27日(土)は、10:00からが「たのくら」の例会。年度最後で、《ロ短調ミサ曲》で締めます。談話室でもご紹介している、ネルソン指揮、ノートルダム聖歌隊の演奏でいきたいと思います。
同日午後14:00から、毎年3月に開催している「錦まつり」。会場を借りている立川市錦町の学習館が主催者となって、コンサート・シリーズを継続しているのです。今年は、「サクソフォーンって、面白い!」。国音の下地啓二先生以下、教室の学生さんが大挙して出演されます。にぎやかで楽しいコンサートになりそう。入場無料ですから、皆さん、ぜひお出かけください。
え、ダブルブッキングの犠牲者は、ですって?それは朝日カルチャー横浜校です。いつもよくしていただいているだけにたいへん申し訳ないのですが、関根敏子さんに代講をお願いしました。しかしラモーのオペラ《ボレアード》を取り上げるので、私より適任ではないかと思います。こちらもよろしくお願いします。13:00からです。
27日(土)は、10:00からが「たのくら」の例会。年度最後で、《ロ短調ミサ曲》で締めます。談話室でもご紹介している、ネルソン指揮、ノートルダム聖歌隊の演奏でいきたいと思います。
同日午後14:00から、毎年3月に開催している「錦まつり」。会場を借りている立川市錦町の学習館が主催者となって、コンサート・シリーズを継続しているのです。今年は、「サクソフォーンって、面白い!」。国音の下地啓二先生以下、教室の学生さんが大挙して出演されます。にぎやかで楽しいコンサートになりそう。入場無料ですから、皆さん、ぜひお出かけください。
え、ダブルブッキングの犠牲者は、ですって?それは朝日カルチャー横浜校です。いつもよくしていただいているだけにたいへん申し訳ないのですが、関根敏子さんに代講をお願いしました。しかしラモーのオペラ《ボレアード》を取り上げるので、私より適任ではないかと思います。こちらもよろしくお願いします。13:00からです。
今月のイベント(2) ― 2010年03月12日 23時07分25秒
「博士研究コンサート」の1日目はご紹介しましたね。翌日、すなわち15日(月)の18:00から、2年・3年次のための2日目があります。私の弟子で出演するのは山崎法子さん(ソプラノ)で、ヴォルフの《スペイン歌曲集》から。もうひとり、ウィーン帰りの葛西健治君(テノール)は、ベートーヴェンの愛の歌曲ばかりという、「濃い」プログラムです(彼らしい?)。他に、日本音楽コンクール優勝の中辻小百合さん(作曲)の新作発表と、やはりウィーン帰りの期待のピアニスト、和田紘平君のバッハ《パルティータ第6番》とベートーヴェンの第30番のソナタその他があります。よろしく。
16日(水)は18:30から、修了生から選抜された「新人コンサート」です。iBACHのコア・メンバーでリフキンの《マタイ》にも出演してくれた狩野賢一君が出演します。研究報告を指導していたオペラの部門からも、3人が出演。どちらも入場無料、国立音大の小ホールです。
29日(月)には19:00から立川アミューで、立川市と大学の提携による「モーツァルトの美意識を探る」のシリーズがあります。今回は「響き合う友情と愛」というテーマで、二重奏、二重唱の世界を探究します。ヴァイオリン・ソナタト長調K.379、2本のホルンのためのデュエット、あとはオペラからで、《コシ・ファン・トゥッテ》と《魔笛》から二重唱を集め、そこに、メゾとクラリネットの二重唱というべき《ティート》のアリアを加えたプログラムです。
このコンサートの自慢は顔ぶれです。声楽は、高橋薫子(S)、加納悦子(Ms)、大間知覚(T)、黒田博(B)という豪華版で、ピアノの久元祐子さん、ヴァイオリンの大関博明さんなど、国立音大の誇る音楽家が出演します。これで1000円とは、安い!
じつはもうひとつあるのですが、深刻なダブルブッキングが発覚しました。解決してからご案内します(泣)。
16日(水)は18:30から、修了生から選抜された「新人コンサート」です。iBACHのコア・メンバーでリフキンの《マタイ》にも出演してくれた狩野賢一君が出演します。研究報告を指導していたオペラの部門からも、3人が出演。どちらも入場無料、国立音大の小ホールです。
29日(月)には19:00から立川アミューで、立川市と大学の提携による「モーツァルトの美意識を探る」のシリーズがあります。今回は「響き合う友情と愛」というテーマで、二重奏、二重唱の世界を探究します。ヴァイオリン・ソナタト長調K.379、2本のホルンのためのデュエット、あとはオペラからで、《コシ・ファン・トゥッテ》と《魔笛》から二重唱を集め、そこに、メゾとクラリネットの二重唱というべき《ティート》のアリアを加えたプログラムです。
このコンサートの自慢は顔ぶれです。声楽は、高橋薫子(S)、加納悦子(Ms)、大間知覚(T)、黒田博(B)という豪華版で、ピアノの久元祐子さん、ヴァイオリンの大関博明さんなど、国立音大の誇る音楽家が出演します。これで1000円とは、安い!
じつはもうひとつあるのですが、深刻なダブルブッキングが発覚しました。解決してからご案内します(泣)。
バロックの森その3 ― 2010年03月11日 13時29分39秒
火曜日、「バロックの森」の3回目の収録をしました。4月2日(金)、3日(土)の放送分です。
4/2は今年の聖金曜日ですので、バッハの《マタイ受難曲》をぶつけました。普通の演奏、普通の抜粋ではつまりませんから、CDは、ジョン・バット指揮、ダニーデン・コンソート&プレイヤーズ(英)のものを使いました。これの売りは、リフキン方式であることと、1742年頃とされるバッハ最後の上演を復元していることです(第2グループの通奏低音にチェンバロを使っているとか、ガンバを第2グループにも含めているとか、まあ部分的な違いです)。第一級の演奏とまではいきませんが、面白いと思います。
《マタイ受難曲》では2つのグループの応答する楽曲に重要なメッセージが込められている、というのが私の作品理解ですが、今回の抜粋では、対話曲ばかり集めてみました。一度やってみたかったことです。1つのパースペクティヴには、なるかと思います。
4/3は復活祭を先取りしました。教会暦の原則からするととんでもないことでしょうが、日曜日は放送がありませんので、フライングさせてもらいました。曲は、ビーバーの《ロザリオのソナタ》の第11番と、シュッツの《復活祭オラトリオ》です。
ビーバーはトラジコメディアとマンゼのどちらにしようか考え、トラジコメディアを選択しました。こちらの方が、通奏低音が多彩に編成されているのです。それと、オルガニストのモロニーの解説が面白く、それを紹介しました。モロニーによれば、第1楽章の〈ソナタ〉は日曜日の朝の美しい日の出であり、第3楽章のアダージョは、イエスがマグダラのマリアに出現する、神秘的な場面であるというのです(第2楽章は古い聖歌〈キリストは今日よみがえった〉によるもので、これは楽譜に明記されています)。ひとつの読み方ですが、演奏者自身によるものなので、紹介する価値があると考えました。
シュッツは、フレーミヒ、ベルニウス、ヤーコプスを比較して、ヤーコプスに決めました。
というふうに楽しくやっていますが、なかなか時間がかかります。雨模様のNHKを出て大学に行くと、雪に変わっていて驚きました。
4/2は今年の聖金曜日ですので、バッハの《マタイ受難曲》をぶつけました。普通の演奏、普通の抜粋ではつまりませんから、CDは、ジョン・バット指揮、ダニーデン・コンソート&プレイヤーズ(英)のものを使いました。これの売りは、リフキン方式であることと、1742年頃とされるバッハ最後の上演を復元していることです(第2グループの通奏低音にチェンバロを使っているとか、ガンバを第2グループにも含めているとか、まあ部分的な違いです)。第一級の演奏とまではいきませんが、面白いと思います。
《マタイ受難曲》では2つのグループの応答する楽曲に重要なメッセージが込められている、というのが私の作品理解ですが、今回の抜粋では、対話曲ばかり集めてみました。一度やってみたかったことです。1つのパースペクティヴには、なるかと思います。
4/3は復活祭を先取りしました。教会暦の原則からするととんでもないことでしょうが、日曜日は放送がありませんので、フライングさせてもらいました。曲は、ビーバーの《ロザリオのソナタ》の第11番と、シュッツの《復活祭オラトリオ》です。
ビーバーはトラジコメディアとマンゼのどちらにしようか考え、トラジコメディアを選択しました。こちらの方が、通奏低音が多彩に編成されているのです。それと、オルガニストのモロニーの解説が面白く、それを紹介しました。モロニーによれば、第1楽章の〈ソナタ〉は日曜日の朝の美しい日の出であり、第3楽章のアダージョは、イエスがマグダラのマリアに出現する、神秘的な場面であるというのです(第2楽章は古い聖歌〈キリストは今日よみがえった〉によるもので、これは楽譜に明記されています)。ひとつの読み方ですが、演奏者自身によるものなので、紹介する価値があると考えました。
シュッツは、フレーミヒ、ベルニウス、ヤーコプスを比較して、ヤーコプスに決めました。
というふうに楽しくやっていますが、なかなか時間がかかります。雨模様のNHKを出て大学に行くと、雪に変わっていて驚きました。
博士誕生!! ― 2010年03月09日 11時08分32秒
今日発表があり、国立音楽大学始まって以来の、博士号をもつ学生が誕生しました。メゾソプラノ歌手の、湯川亜也子さんです。おめでとうございます。
湯川さんは、フォーレの歌曲《エヴァの歌》の研究で、博士号を取られました。コツコツと積み上げる本当に勤勉な方で、ドクターの3年目で、別人のように伸びてきました。私も驚くほどの、研究の発展でした。
私は本来、指導でできることはほんのわずかだ、と思っています。私の一番弟子はいま東大のドクターにいる堀朋平君ですが、このぐらい優秀になると、指導とは関係なく、伸びていきます。指導は、せいぜい参考程度です。
にもかからず、湯川さんの場合は、自分が育てた初めての学生だ、という感じがするのです。もしかすると失礼な感想かもしれないのですが、感動を込めて、そう思います。一緒に、いい勉強ができたということではないでしょうか。
最短距離で第一号の博士誕生というのは、論文指導した教師として、望外の喜びです。学生に恵まれることがいかに嬉しいことか、痛感しました。その意味で、今日は、最良の日でした。
同時に、博士課程の合格発表。14人が5人の椅子を争う激戦でしたが、合格は2人になりました。iBACHコレギウムのコア・メンバーである高橋幸恵さん(メゾソプラノ)が合格されましたが、さまざまな要素を兼ね備えた優秀な方なので、楽しみです。
湯川さんは、フォーレの歌曲《エヴァの歌》の研究で、博士号を取られました。コツコツと積み上げる本当に勤勉な方で、ドクターの3年目で、別人のように伸びてきました。私も驚くほどの、研究の発展でした。
私は本来、指導でできることはほんのわずかだ、と思っています。私の一番弟子はいま東大のドクターにいる堀朋平君ですが、このぐらい優秀になると、指導とは関係なく、伸びていきます。指導は、せいぜい参考程度です。
にもかからず、湯川さんの場合は、自分が育てた初めての学生だ、という感じがするのです。もしかすると失礼な感想かもしれないのですが、感動を込めて、そう思います。一緒に、いい勉強ができたということではないでしょうか。
最短距離で第一号の博士誕生というのは、論文指導した教師として、望外の喜びです。学生に恵まれることがいかに嬉しいことか、痛感しました。その意味で、今日は、最良の日でした。
同時に、博士課程の合格発表。14人が5人の椅子を争う激戦でしたが、合格は2人になりました。iBACHコレギウムのコア・メンバーである高橋幸恵さん(メゾソプラノ)が合格されましたが、さまざまな要素を兼ね備えた優秀な方なので、楽しみです。
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