モーツァルトの幸せ ― 2010年04月06日 11時10分40秒
このところ眠れない、という更新がときどきありますが、今日もそれ。興奮して眠れず、夜中に更新しています。ただし日付は、前夜にしておきます。
昨日は、過日ご案内した「基礎ゼミ」のモーツァルト・コンサート。内輪で良かった良かったと言っても仕方ないかもしれないのですが、プロデュースした人間として、眠れなくなるぐらい、良かったと思っているわけです。なにより、武田忠善さんのソロによる、クラリネット協奏曲。楽器も名人芸も演奏者もすべて消え去り、モーツァルトの音楽のみが純粋に浮かび上がるという演奏で、私が理想とする音楽の形を、眼前に見る思いで感激しました。オーケストラもその思いとひとつになった、忘れがたい演奏でした。
後半の《魔笛》第1幕も、声楽の先生たちの全力投球によって、大きく盛り上がりました。私の解説の工夫は、フィナーレへの導入として、モノスタトスとの対話を設定したこと。青桺素晴さんの芸達者に対抗するため、私もがんばりましたが、助手からは、恥ずかしかった、と言われてしまいました。助手さらに曰く、台本は誰が書いたのか、選曲は誰がやったのか、と。私に決まっているではありませんか。
打ち上げではとても疲労を感じたのですが、二次会で覚醒。まだ眠れません。「幸せ」と言えば、その一語に尽きます。
昨日は、過日ご案内した「基礎ゼミ」のモーツァルト・コンサート。内輪で良かった良かったと言っても仕方ないかもしれないのですが、プロデュースした人間として、眠れなくなるぐらい、良かったと思っているわけです。なにより、武田忠善さんのソロによる、クラリネット協奏曲。楽器も名人芸も演奏者もすべて消え去り、モーツァルトの音楽のみが純粋に浮かび上がるという演奏で、私が理想とする音楽の形を、眼前に見る思いで感激しました。オーケストラもその思いとひとつになった、忘れがたい演奏でした。
後半の《魔笛》第1幕も、声楽の先生たちの全力投球によって、大きく盛り上がりました。私の解説の工夫は、フィナーレへの導入として、モノスタトスとの対話を設定したこと。青桺素晴さんの芸達者に対抗するため、私もがんばりましたが、助手からは、恥ずかしかった、と言われてしまいました。助手さらに曰く、台本は誰が書いたのか、選曲は誰がやったのか、と。私に決まっているではありませんか。
打ち上げではとても疲労を感じたのですが、二次会で覚醒。まだ眠れません。「幸せ」と言えば、その一語に尽きます。
ありがたすぎて ― 2010年04月05日 23時45分35秒
今朝の毎日新聞が、「ひと」の欄に、「音楽学者がホールプロデューサー20年」という記事を書いてくれましたhttp://mainichi.jp/select/opinion/hito/news/20100405k0000m070103000c.html。写真もさすがプロというアングルで、ありがたいかぎりです。ありがたすぎて、自分の人生も来るところまできたかな、という感慨が浮かんできました。これ以上欲張っては、バチが当たります。皆さんの支えに感謝しながら、続けられることを続けていきたいと思います。
基礎ゼミが始まり、今年は声楽Aというクラスになりました。今日は、楽しい自己紹介。男子6名、女子22名ですが、どちらかが肉食、どちらかが草食と2分されています。どちらがどちらかは、ご想像におまかせします(笑)。そうそう、大学のホームページがリニューアルされました。湯川亜也子さんの表彰画像などがありますので、ご覧ください。
会議に1つ出て、新聞批評(東京のオペラの森の《パルジファル》)を送信し、夜はサントリーホールで、小山由美さんの受賞記念コンサート。今日もフル回転の1日でした。
基礎ゼミが始まり、今年は声楽Aというクラスになりました。今日は、楽しい自己紹介。男子6名、女子22名ですが、どちらかが肉食、どちらかが草食と2分されています。どちらがどちらかは、ご想像におまかせします(笑)。そうそう、大学のホームページがリニューアルされました。湯川亜也子さんの表彰画像などがありますので、ご覧ください。
会議に1つ出て、新聞批評(東京のオペラの森の《パルジファル》)を送信し、夜はサントリーホールで、小山由美さんの受賞記念コンサート。今日もフル回転の1日でした。
楽しい《魔笛》作り ― 2010年04月04日 04時46分04秒
4ばかりが並ぶ作成日時です。あと2分早く始めれば良かった。4は、私の好きな数字の1つです。
復活祭の朝の、超早起き。1980年前の朝に思いを馳せないわけではないですが、因果関係はありません。昨夜、さる筋から食事にご招待いただき、楽しくやっていたのですが、気分が悪くなって退席してしまったのです(たいへん失礼しました)。そのまま少し寝ました。しかし今度は夜中に目が覚めて、眠れません。あれこれ考えて、起きてしまったというのが実情です。この先しばらくのスケジュールを考えると暗澹とする、というのが正直なところです。
その中に、充実もあり。昨日から、「基礎ゼミ」レクチャーコンサートのリハーサルが始まりました。ここしばらく《フィガロの結婚》を幕ごとにやってきましたが、今年は、《魔笛》の第1幕。新入生諸君に、「音楽の力」について伝えたい、という趣旨です。私は、有名なアリアを並べるような構成はしません。テーマにふさわしい部分を厳選し、第5曲の五重唱(魔笛がタミーノに渡される部分)と第7曲の二重唱(パミーナ+パパゲーノ)、そしてフィナーレ全曲を選びました。通して聴くフィナーレはさすがにすばらしく、私の大好きな場面も、ここに含まれています。それは、タミーノと弁者のレチタティーヴォです。
今回、何人かの先生と初めてご一緒することができ、世界が広がりました。キャスト一覧は次のようなものですが、見る人が見れば、相当だとわかってくださるでしょう。スペシャリストが何人もいて、相談しながら、また学生を指導しながら、どんどんステージができていきます。
タミーノ:経種康彦、パミーナ:松原有奈、パパゲーノ:山下浩司、ザラストロ:若林勉、弁者:田辺とおる、モノスタトス:青柳素晴、3人の侍女:悦田比呂子・加納悦子・与田朝子、3人の童子:山崎法子・川辺茜・高橋幸恵。
コンサートは6日の14時半からで、他にクラリネット協奏曲(ソリスト:武田忠善、指揮:栗田博文)が演奏されます。残念ながら、学内向け。去年までは2回公演で外部向けがあったのですが、今月は3月に《コシ・ファン・トゥッテ》を上演した結果、こちらがカットされてしまいました。でも財産になりますから、別の形で聴いていただけるようにできればと思っています。
復活祭の朝の、超早起き。1980年前の朝に思いを馳せないわけではないですが、因果関係はありません。昨夜、さる筋から食事にご招待いただき、楽しくやっていたのですが、気分が悪くなって退席してしまったのです(たいへん失礼しました)。そのまま少し寝ました。しかし今度は夜中に目が覚めて、眠れません。あれこれ考えて、起きてしまったというのが実情です。この先しばらくのスケジュールを考えると暗澹とする、というのが正直なところです。
その中に、充実もあり。昨日から、「基礎ゼミ」レクチャーコンサートのリハーサルが始まりました。ここしばらく《フィガロの結婚》を幕ごとにやってきましたが、今年は、《魔笛》の第1幕。新入生諸君に、「音楽の力」について伝えたい、という趣旨です。私は、有名なアリアを並べるような構成はしません。テーマにふさわしい部分を厳選し、第5曲の五重唱(魔笛がタミーノに渡される部分)と第7曲の二重唱(パミーナ+パパゲーノ)、そしてフィナーレ全曲を選びました。通して聴くフィナーレはさすがにすばらしく、私の大好きな場面も、ここに含まれています。それは、タミーノと弁者のレチタティーヴォです。
今回、何人かの先生と初めてご一緒することができ、世界が広がりました。キャスト一覧は次のようなものですが、見る人が見れば、相当だとわかってくださるでしょう。スペシャリストが何人もいて、相談しながら、また学生を指導しながら、どんどんステージができていきます。
タミーノ:経種康彦、パミーナ:松原有奈、パパゲーノ:山下浩司、ザラストロ:若林勉、弁者:田辺とおる、モノスタトス:青柳素晴、3人の侍女:悦田比呂子・加納悦子・与田朝子、3人の童子:山崎法子・川辺茜・高橋幸恵。
コンサートは6日の14時半からで、他にクラリネット協奏曲(ソリスト:武田忠善、指揮:栗田博文)が演奏されます。残念ながら、学内向け。去年までは2回公演で外部向けがあったのですが、今月は3月に《コシ・ファン・トゥッテ》を上演した結果、こちらがカットされてしまいました。でも財産になりますから、別の形で聴いていただけるようにできればと思っています。
家族をどう書くか ― 2010年04月01日 11時56分44秒
藤原正彦さんのエッセイを楽しみにしていますが、最近、奥様をネタにしておもしろおかしく書いた一編がありました。この手のエッセイを、ときどき、見ることがあります。土屋賢二さんのもそうですよね。
一方、ちょっとした因縁があって読んだ小説は、全然違います。これはお医者さんが主人公で、病院のことを私小説風におもしろおかしく書いてあるのですが、奥様がすごく美化されていて、もっとも美しい存在になっている。文学の世界で、両極端の類型があるわけです。皆さんは、どちらが自然だと思われるでしょうか。
私の感覚では、家族を卑下するのが日本人の伝統的な価値観だと思うのです。奥様を鬼か蛇のようにしてしまっては極端かもしれませんが、奥様を美化する、あるいは讃美する書き方には、私自身、とても抵抗があります。私個人としては、研究書の枕に「妻誰それへ」と書くのも、恥ずかしくてダメです。外国ではそれが普通だ、というのは知っていますが。
書かれた本人がどう思うか、というのは、また違いますよね。それは、よく書かれた方が嬉しく、家族円満でしょう。読み手には、いまどういう形が自然に受け入れられるのでしょうか。
一方、ちょっとした因縁があって読んだ小説は、全然違います。これはお医者さんが主人公で、病院のことを私小説風におもしろおかしく書いてあるのですが、奥様がすごく美化されていて、もっとも美しい存在になっている。文学の世界で、両極端の類型があるわけです。皆さんは、どちらが自然だと思われるでしょうか。
私の感覚では、家族を卑下するのが日本人の伝統的な価値観だと思うのです。奥様を鬼か蛇のようにしてしまっては極端かもしれませんが、奥様を美化する、あるいは讃美する書き方には、私自身、とても抵抗があります。私個人としては、研究書の枕に「妻誰それへ」と書くのも、恥ずかしくてダメです。外国ではそれが普通だ、というのは知っていますが。
書かれた本人がどう思うか、というのは、また違いますよね。それは、よく書かれた方が嬉しく、家族円満でしょう。読み手には、いまどういう形が自然に受け入れられるのでしょうか。
ダブルブッキングではなかったようで ― 2010年03月31日 23時19分36秒
30日。無理矢理起床して、毎日新聞社へ。そう、大阪の記者さんに早朝来ていただくという条件で、インタビューを午前中に移すことに成功したのです。私のダブルブッキングを期待しておられる方のために、もう少し劇的な展開を用意して差し上げたかったのですが、すみませんね。なんとか切り抜けることができました。
インタビューは、ひとりの人間が20年間民間ホールの企画を続けるのは珍しい、という前提で、いずみホールの20年の意義を考える内容でした。たくさんの思い出が脳裏をよぎりましたが、ひとつだけ間違いないことは、「実践とのかかわり」という私の売りが、いずみホールでの経験で培われたものだ、ということです。その経験が、たとえば大学での仕事に、大きくフィードバックされています。
その日の午後と、今日の午前中、「バロックの森」の録音。4月最後の週の分です。30日(金)、すなわち私の誕生日の放送分に凝りました。《ブランデンブルク協奏曲》第5番を中心に、その初演の様子を想像しながら、かかわりのある作品を聴く、というものです。この曲の成立は今、ドレスデンにおける「マルシャンとの音楽試合」とかかわらせて説明されるようになっているのですが、その理由の大きなものは、第2楽章がマルシャンの作品の引用になっている、ということです。
できればその原曲を流したい、と思い、CDを探していました。そうしたら、前の日に石丸電気で見つけることができたのです。そこで、マルシャンの原曲を聴き、フルートのソリストであったと想定されるビュファルダンのコンチェルトで締める、というプログラムが完成しました。これは、聴く価値があろうかと思います。
収録後、タクシーで新国立劇場へ。《神々の黄昏》のチケットをいただいていたので(←プログラムに執筆)、疲れてはいましたが、出かけました。入場しようと思ったら、ホールが静まっている。確認すると、公演は30日だったんですね。そうか、昨日は、ダブルブッキングではなく、トリプルブッキングだったのか。
主催者には申し訳ないことをしましたが、ありがたい、半日休める、と思ったことは事実です。時間ができましたので、遅れていた松居直美さんのための原稿の下書きをすることができました。かくして、3月終了です。
インタビューは、ひとりの人間が20年間民間ホールの企画を続けるのは珍しい、という前提で、いずみホールの20年の意義を考える内容でした。たくさんの思い出が脳裏をよぎりましたが、ひとつだけ間違いないことは、「実践とのかかわり」という私の売りが、いずみホールでの経験で培われたものだ、ということです。その経験が、たとえば大学での仕事に、大きくフィードバックされています。
その日の午後と、今日の午前中、「バロックの森」の録音。4月最後の週の分です。30日(金)、すなわち私の誕生日の放送分に凝りました。《ブランデンブルク協奏曲》第5番を中心に、その初演の様子を想像しながら、かかわりのある作品を聴く、というものです。この曲の成立は今、ドレスデンにおける「マルシャンとの音楽試合」とかかわらせて説明されるようになっているのですが、その理由の大きなものは、第2楽章がマルシャンの作品の引用になっている、ということです。
できればその原曲を流したい、と思い、CDを探していました。そうしたら、前の日に石丸電気で見つけることができたのです。そこで、マルシャンの原曲を聴き、フルートのソリストであったと想定されるビュファルダンのコンチェルトで締める、というプログラムが完成しました。これは、聴く価値があろうかと思います。
収録後、タクシーで新国立劇場へ。《神々の黄昏》のチケットをいただいていたので(←プログラムに執筆)、疲れてはいましたが、出かけました。入場しようと思ったら、ホールが静まっている。確認すると、公演は30日だったんですね。そうか、昨日は、ダブルブッキングではなく、トリプルブッキングだったのか。
主催者には申し訳ないことをしましたが、ありがたい、半日休める、と思ったことは事実です。時間ができましたので、遅れていた松居直美さんのための原稿の下書きをすることができました。かくして、3月終了です。
ダブルブッキングで激震 ― 2010年03月30日 11時38分33秒
私がダブルブッキングをしたって、いまさら、ニュースでも何でもありません。「またか」というだけのこと。でもそのことをあえて書くのは、楽しみにしておられる方が一定数、存在するらしいからです。しばらく書かずにいると、「最近ダブルブッキングないですねえ」と物足りなそうにおっしゃる方が、まあ他人の不幸は蜜の味といいますが、おられるのですね。
私の企画構成によるモーツァルト・コンサート(立川アミュ)のリハーサルに入ったところで、NHKからメールが入りました。明日、1時にお待ちしてる、との由。思わず気が遠くなりました。私は、3日間続く録音がいずれも午前10時からという前提のもとに、2時から、新聞社を訪問することにしていたのです。大阪の記者さんとの間で再三時間調整を行い、この時間を設定しました。取材ですから、カメラマンも入る。しかしNHKの方もスタジオが確保され、技術さんも入る。さあ、どうしましょう。
すぐには結論が出ませんので、とりあえず忘れて、リハーサルに専念。ここでもツキの理論が登場します。これなら、コンサートはうまくいくだろう、という考えです。果たしてコンサートはうまくいき、同僚たちと一緒にコンサートを作る喜びを満喫しました。作品のことで言えば、この曲すごいなあ、と鳥肌ものだったのが3曲。《コシ・ファン・トゥッテ》の海辺のセレナードと大詰めの二重唱、《魔笛》のパミーナ/タミーノの二重唱です。とくに《コシ》の二重唱は、あらためて、モーツァルト最高のページの1つではないかと思いました。始まったとたんに涙が出てくるくらい、すばらしいと思います。高橋薫子さん、大間知覚さん、ありがとうございました。
終演後、プリマドンナを囲んで打ち上げ。楽しかったのですが、時間を使った分、ツケも翌日にまわりました。
私の企画構成によるモーツァルト・コンサート(立川アミュ)のリハーサルに入ったところで、NHKからメールが入りました。明日、1時にお待ちしてる、との由。思わず気が遠くなりました。私は、3日間続く録音がいずれも午前10時からという前提のもとに、2時から、新聞社を訪問することにしていたのです。大阪の記者さんとの間で再三時間調整を行い、この時間を設定しました。取材ですから、カメラマンも入る。しかしNHKの方もスタジオが確保され、技術さんも入る。さあ、どうしましょう。
すぐには結論が出ませんので、とりあえず忘れて、リハーサルに専念。ここでもツキの理論が登場します。これなら、コンサートはうまくいくだろう、という考えです。果たしてコンサートはうまくいき、同僚たちと一緒にコンサートを作る喜びを満喫しました。作品のことで言えば、この曲すごいなあ、と鳥肌ものだったのが3曲。《コシ・ファン・トゥッテ》の海辺のセレナードと大詰めの二重唱、《魔笛》のパミーナ/タミーノの二重唱です。とくに《コシ》の二重唱は、あらためて、モーツァルト最高のページの1つではないかと思いました。始まったとたんに涙が出てくるくらい、すばらしいと思います。高橋薫子さん、大間知覚さん、ありがとうございました。
終演後、プリマドンナを囲んで打ち上げ。楽しかったのですが、時間を使った分、ツケも翌日にまわりました。
サックスの「ハモり」にしびれる ― 2010年03月28日 11時20分30秒
演奏会の良さって、技術やレベルでは計れないものですね。やっぱり、気持ちです。そのことを、土曜日の「錦まつりコンサート」で、再確認しました。
題して、「サクソフォンって、おもしろい!」。出演したのは、下地啓二さんと、その門下の方々。4年生が抜けたばかりの下級生主体で、どれだけのことができるものか、不安に思わないでもありませんでした。ところが、3グループに分けて編成されたクワルテットがことごとく、見事な「ハモり」。同族楽器のグループでこれほど豊かにハモるのは、サックス以外には考えられません。予算が少ないというのに、みんなよく準備してあり、変化に富むプログラムに、全力投球しているのです。
ワン・フロアで身近に楽しむことで、私としては企画に参加することで初めてわかる、サクソフォンの面白さでした。学生たちのこの一体感は、先生の力量とお人柄によるもの。下地さんは後半のミヨー《スカラムーシュ》でソロをされ、最後のグリーグ《ホルベアの時代から》を指揮されましたが、《スカラムーシュ》の第2楽章の円熟した音色美は心の琴線に触れるもので、涙なしには聴けませんでした。じつにすばらしいコンサートだったというのが、応援してくれた「たのくら」の方々とともにした実感です。
題して、「サクソフォンって、おもしろい!」。出演したのは、下地啓二さんと、その門下の方々。4年生が抜けたばかりの下級生主体で、どれだけのことができるものか、不安に思わないでもありませんでした。ところが、3グループに分けて編成されたクワルテットがことごとく、見事な「ハモり」。同族楽器のグループでこれほど豊かにハモるのは、サックス以外には考えられません。予算が少ないというのに、みんなよく準備してあり、変化に富むプログラムに、全力投球しているのです。
ワン・フロアで身近に楽しむことで、私としては企画に参加することで初めてわかる、サクソフォンの面白さでした。学生たちのこの一体感は、先生の力量とお人柄によるもの。下地さんは後半のミヨー《スカラムーシュ》でソロをされ、最後のグリーグ《ホルベアの時代から》を指揮されましたが、《スカラムーシュ》の第2楽章の円熟した音色美は心の琴線に触れるもので、涙なしには聴けませんでした。じつにすばらしいコンサートだったというのが、応援してくれた「たのくら」の方々とともにした実感です。
眠れない夜 ― 2010年03月27日 03時02分35秒
皆さん、夜は、すぐ眠れますか?私は、仕事を終え、飲酒してから寝るという習慣なので、機嫌良くバタンキュー、というのがたいていです。このことは、飲まないと眠れない、眠るために飲む、というのと紙一重ですから、飲めなくなったときの夜が、恐ろしくもあります。
ところが、飲んでいるのに、眠れなくなってしまったのですね。昨日のギエルミ氏の話も、一応11時となっていますが、夜中の3時に、起き出して書きました。今日も同様。ふとんの中でぱっちりと目が覚めてしまい、いろいろなことを思い返して、気持ちが休まらないのです。
いまたいへんスケジュールが過密で、緊張している、というのもあると思います。でもそれはしばしばあったことなので、十分な説明ではありません。疲れているから早く寝ようと思って早い時間から飲み、ふとんに入って目がぱっちり、というのでは、不能率もいいところ。明日が思いやられます。え、あなたの目はぱっちりというにはふさわしくない目だ、とおっしゃるんですか?おっしゃる通り。もののたとえということにしてください。
しかし思ったことは、こういう夜を過ごしておられる方は、じつはたくさんいらっしゃるんじゃないか、ということです。重病で入院していたときに、夜がひじょうに恐ろしく、かつ長かったことを思い出します。
ところが、飲んでいるのに、眠れなくなってしまったのですね。昨日のギエルミ氏の話も、一応11時となっていますが、夜中の3時に、起き出して書きました。今日も同様。ふとんの中でぱっちりと目が覚めてしまい、いろいろなことを思い返して、気持ちが休まらないのです。
いまたいへんスケジュールが過密で、緊張している、というのもあると思います。でもそれはしばしばあったことなので、十分な説明ではありません。疲れているから早く寝ようと思って早い時間から飲み、ふとんに入って目がぱっちり、というのでは、不能率もいいところ。明日が思いやられます。え、あなたの目はぱっちりというにはふさわしくない目だ、とおっしゃるんですか?おっしゃる通り。もののたとえということにしてください。
しかし思ったことは、こういう夜を過ごしておられる方は、じつはたくさんいらっしゃるんじゃないか、ということです。重病で入院していたときに、夜がひじょうに恐ろしく、かつ長かったことを思い出します。
ギエルミさん ― 2010年03月25日 11時23分32秒
今日は外の仕事がなかったので、3日分がんばろうと思っていたのですが、1日分ぐらいでくたびれてしまいました。だめですね、翌日回しです。
今日やった仕事は、「バロックの森」の第2回担当分。一週間の選曲を固め、月曜日、火曜日の下書きをしました。月曜日がパッヘルベルの特集、火曜日がヨハン・ヨーゼフ・フックスの特集です。
水曜日に予定したのは、ロレンツォ・ギエルミがソロと指揮をとった、ヘンデルのオルガン協奏曲 op.4でした。ご本人からいただいていたCDを使うのですが、この演奏が、すばらしい。雄大、パワフルな演奏をするオルガニストは多くとも、清潔ですっきりした、古楽的なオルガンを弾く人は、ほかにそういません。こういうCDを紹介していくことも、「バロックの森」の大事な仕事かな、と思っています。
そういうタイミングでしたので、驚きました。ギエルミさんから、メールが入ったのです。《フーガの技法》を録音したので、CDを送る、住所を教えて、というメール。いやじつはいまヘンデルのコンチェルトを聴いていたんだ、と返したことは、いうまでもありません。こうしたお付き合いも、いずみホールのオルガン・シリーズがあればこそ。最高のオルガニストを送ってくださっているクリストフ・ヴォルフ先生には、足を向けて寝られません。昔は難解に思っていたオルガンが、本当に面白いと思える昨今です。
今日やった仕事は、「バロックの森」の第2回担当分。一週間の選曲を固め、月曜日、火曜日の下書きをしました。月曜日がパッヘルベルの特集、火曜日がヨハン・ヨーゼフ・フックスの特集です。
水曜日に予定したのは、ロレンツォ・ギエルミがソロと指揮をとった、ヘンデルのオルガン協奏曲 op.4でした。ご本人からいただいていたCDを使うのですが、この演奏が、すばらしい。雄大、パワフルな演奏をするオルガニストは多くとも、清潔ですっきりした、古楽的なオルガンを弾く人は、ほかにそういません。こういうCDを紹介していくことも、「バロックの森」の大事な仕事かな、と思っています。
そういうタイミングでしたので、驚きました。ギエルミさんから、メールが入ったのです。《フーガの技法》を録音したので、CDを送る、住所を教えて、というメール。いやじつはいまヘンデルのコンチェルトを聴いていたんだ、と返したことは、いうまでもありません。こうしたお付き合いも、いずみホールのオルガン・シリーズがあればこそ。最高のオルガニストを送ってくださっているクリストフ・ヴォルフ先生には、足を向けて寝られません。昔は難解に思っていたオルガンが、本当に面白いと思える昨今です。
レベルアップ ― 2010年03月24日 23時12分12秒
どんどん支店を増やしていた「陳麻家」が一斉に閉店したこと、それがいつの間にか再開され、同じ場所で何事もなかったかのように営業していることは、申し上げましたよね。あの辛味がやみつきになった私は、今日のお昼に、再び出かけてみました。立川駅の北口から風俗街を国立方向に少し歩いたところにある「揚州商人」(←大好き)の裏側に、お店があります。
そうしたら、店の前にトラックが停まっている。あれ、休みかな、と思って回り込んでみると、なんとなんと、お店を取り壊している最中なのです。この唐突ななりゆきは、なんなのでしょうか。きっと訳ありなんでしょうが・・・。
責任感の強い私は、この出来事も、自分に結びつけてしまいます。「私が通う店は潰れる」という周知のジンクスは、これまでは、お店の営業に関することでした。ところがどうやら、それはお店の建物に関するジンクスにまで、レベルアップしたようなのです。
われながらいやになりますが、まあ、飲食の領域で良かった。私が研究指導すると学位が取れないとか、試験に落ちるとかいう専門領域のジンクスになったらたいへんです。そうか、悪いツキを、飲食の領域で使っていたんですね。
お店の人「それじゃ、私たちはとばっちりですか?」(怒)
私「これは失礼しました」\(__ )
そうしたら、店の前にトラックが停まっている。あれ、休みかな、と思って回り込んでみると、なんとなんと、お店を取り壊している最中なのです。この唐突ななりゆきは、なんなのでしょうか。きっと訳ありなんでしょうが・・・。
責任感の強い私は、この出来事も、自分に結びつけてしまいます。「私が通う店は潰れる」という周知のジンクスは、これまでは、お店の営業に関することでした。ところがどうやら、それはお店の建物に関するジンクスにまで、レベルアップしたようなのです。
われながらいやになりますが、まあ、飲食の領域で良かった。私が研究指導すると学位が取れないとか、試験に落ちるとかいう専門領域のジンクスになったらたいへんです。そうか、悪いツキを、飲食の領域で使っていたんですね。
お店の人「それじゃ、私たちはとばっちりですか?」(怒)
私「これは失礼しました」\(__ )
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