国内盤と輸入盤2011年02月18日 23時58分50秒

新聞のCD選に、苦労しています。かつては、たくさんあるいいものの中から何を選んだらいいかで苦労していたのですが、最近は国内盤がすごく減ってしまい、逆の意味で、選びにくくなりました。しかしショップに行くと、輸入盤が目白押しで、面白そうなものも、たくさんあります。

というわけで、送っていただいた国内盤の中から選ぶ、という方針を守ることが、むずかしくなってしまいました。今月の場合、1位にリフシッツの弾くバッハ《音楽の捧げもの》を、2位にラ・ヴェネクシアーナのモンテヴェルディ《マドリガーレ集第8巻》を選んだのですが、これは新譜ではなく、私が新たに手に入れたものです。そこで来月から、一定範囲で輸入盤を公式に、選択肢に含めていただくことにしました。地方の方には不親切かなとも思いますが、ネット販売を活用していただければと思います。

それにしても、国内盤のこれからがどうなるか、心配です。やはり、解説や訳詞のある形で聴ける方がいいのは間違いなく、私も書き手の立場からすれば、それが望ましいのです。しかし価格が高くなるという問題があり、人気のあるアーチストに集中する傾向もメジャーなレーベルほどはっきりしていて、これはもう皆さんご存知だし、という気持ちについなってしまいます。

それにしても、《音楽の捧げもの》をピアノで全曲弾いてしまうリフシッツのバッハ愛は、なかなかですね。このような形で聴くと、作品のすばらしさがよくわかります。《フーガの技法》の先にある、バッハの究極の境地です。

3位には、私の尊敬するクラリネット奏者、四戸世紀さんの「ドイツ・ロマン派の光と影」を選びました。地味な曲が並んでいますが、演奏の品格は、抜きん出たものです。日本人のアーチストの録音は、これからも応援していきたいと思います。