芸術選奨2011年05月19日 23時49分48秒

18日(木)には旧文部省の一室で、芸術選奨の贈賞式がありました。私が出席したのは、「芸術振興部門」の選考委員だから。時節柄、アルコール無しの簡素なパーティでしたが、有名人にたくさんお会いしました。

司会者が、フリー(?)アナウンサーの柴山延子さん。CSでいつも拝見していましたが、最近お姿を見なかったので、実物をありがたく拝みました。「芸術振興部門」というのは、むずかしいのです。従来の芸術の仕切りを超える新しい活動を展開している人、また、有意義な活動を支援している人が、分野を越えて、候補になります。

それなら、「音楽の概念を根本から問い直す作業を通じて新しい音楽の可能性を探求する試みを、最先端のメディアを駆使して重ねてきた」(礒山)三輪眞弘さんがふさわしいのではないか、ということで、複数の方々とともに推薦しました。そうしたら、そうそうたる候補者のいた他分野の先生方が賛同されて、受賞に至ったのです。決め手となった『三輪眞弘音楽藝術--全思考1998-2010』は、真に前衛的な音楽創作論として、本当に面白いものでした。

初対面の私に、三輪さんは、ていねいに挨拶に来られました。その折に、「一番評価していただけそうもない方に評価していただいたので嬉しい」という趣旨のことをおっしゃったので、笑ってしまいました。そのとおりで、自分でも驚いているのです。いろいろな方、いろいろな機会に勉強させていただいて、それなりに視野を広げることができた結果だと思います。私にとっても、大きな出来事でした。