達成!2014年08月08日 22時28分41秒

ここしばらく、一つのことに集中していました。達成したらご報告することを楽しみに励んでいましたが、どうやら達成できたと判断し、ご報告します。不肖私、『ヨハネ福音書』の第1章を暗記しました!それがどうした、ですって?たいへんでしたよ。なぜなら、覚えたのはギリシャ語コイネーの原文だからです。

私は美学の専攻ですから、本当は、ギリシャ語ができて当然。しかし学生時代に、ラテン語は必要だがギリシャ語は音楽には必要ないと勝手に考えて、勉強をネグレクトしたのですね。でも、そうではありませんでした。宗教音楽を専攻した結果、新約聖書の研究のために、ギリシャ語がどうしても必要になりました。

この歳ですから無理、と考えていたのですが、来るべき《ヨハネ受難曲》の著述にはギリシャ語の習得が避けて通れないと判断し、勉強を始めました。2冊ほど入門書を買いましたが、文法の複雑さは、とくに動詞において、想像を絶しています。そこで、語学の習得はまとまった文章の暗記に限る、という自分なりの原則に帰り、『ヨハネ福音書』第1章を、暗記することにしました。

しかし何から何まで違う言葉が相手なので、絶望的に覚えられません。自分もついにこうなったか、と思い、それなら忘れなくなるまでやればいいのではないか、と思い直し、コピーを携帯して、電車の中、路上、待ち時間に、もぐもぐと続けました。おかげで、週刊誌でも読まなければ退屈な時間が、じつに有意義な時間に変貌しました。

よくしたもので、だんだん覚えられるようになり、だんだんわかるようになった。向上の喜びを支えに、51節もある第1章を、なんとか征服しました。既存の訳の問題点も今では理解できますので、ルター訳のテキストに対しても、客観的な視点で臨めそうです。

そして思うこと。語学は若いうちに、というのは真理だが絶対ではなく、自分であきらめているだけです。まだまだ初心者ながら、新しい言葉に親しめる喜びは、絶大だと感じます。老化防止の手段としても、自信をもってお勧めいたします。