雄渾な合唱2014年11月08日 08時06分02秒

「古楽の楽しみ」、今月はヘンデルのオラトリオを特集しました。

 昔の音楽史を読んでみると、ヘンデルはバッハと双璧に扱われ、その神髄はオラトリオ、と説明されています。でも、ヘンデル作品への関心はこのところオペラに移っていて、《メサイア》を別格とすれば、以前ほどオラトリオが演奏されないように思いますが、どうでしょう。

そこで、新しい録音のあるものを中心に、4作品を選びました。17日(月)が《サウル》で演奏はマクリーシュ。18日(火)は《エジプトのイスラエル人》で演奏はガーディナー(これだけ古い演奏)。19日(水)は《マカバイのユダ》(放送では《マカベウスのユダ》)で演奏はシュレスヴィヒ・ホルシュタイン音楽祭のもの(ベック指揮)、20日(木)が《ベルシャザル》で、演奏はクリスティです。

すべて合唱オラトリオですから、4日間、壮麗でのびのびした合唱がスタジオからあふれました。広い音域が融通無碍に使われて、生命力絶大。やはり並外れた音楽だと実感しました。朝聴いていただければ、元気が出ると思います。いずれも甲乙つけがたい作品ですが、劇的構成に凝っているという点では《サウル》がよく、円熟味と演奏の魅力では《ベルシャザル》がお薦めかなと思います。

ヘンデルは今後も続けますが、12月はバッハのカンタータ、来年1月はチェンバロ音楽の特集を予定しています。よろしくどうぞ。