今月の「古楽の楽しみ」2015年03月12日 12時11分36秒

今月は、聖金曜日も近いことなので《マタイ受難曲》のリレー演奏をやろうと思い、発表もしていました。ところが、前述した「おぎやはぎの放談」が入ったため、《マタイ》は延期。バッハの管弦楽組曲を1曲ずつ取り上げることにしました。

人気の高い管弦楽組曲。リクエストの回にはよく出ていますが、私は第1番しかやったことがなく、切り札のひとつとして温存していました。21世紀の新しい演奏をメインに、さまざまな演奏や編曲を組み合わせる形で構成してみました。

16日(月)は、第1番ハ長調。まず通し演奏を、ヤープ・テル・リンデン指揮のアリオン・バロック・オーケストラで。目立たない録音だと思いますが、とてもいいですよ。それからリレー演奏に入ります。レーガー編曲のピアノ連弾版で序曲(演奏はモレーノ&カペッリ)、クーラント以降の舞曲は、アーノンクール~ベルリン・フィルからブリュッヘン~エイジ・オブ・インライトゥンメントにリレーします。ブリュッヘンもいいですね。

17日(火)は、第2番ロ短調。クイケン兄弟~ラ・プティト・バンドの新録音(2012年)でまず通し、リレーはムラヴィンスキー~リヒター~ブッシュ(!)という凝った形にしました。締めは、ヴァイオリンがソロになる初稿から最後の3曲を、ドンブレヒト指揮のイル・フォンダメントで。

18日(水)は、第3番ニ長調。フライブルク・バロック・オーケストラの新録音(2011年)によるメインのあと、マーラーの《バッハの管弦楽作品による組曲》を置きました。前半の楽章2つが第2番から、後半の楽章2つが第3番からという変わった曲です。演奏はシャイー。そのあと《G線上のアリア》をミルシテインで聴き、管打楽器をもたない初稿によるジーグで締めくくります。

19日(木)は、第4番ニ長調。この日はトランペットとティンパニをもたない初稿から入り(演奏はヘンゲルブロック)、次に通常の全曲を、ピエール・アンタイ指揮のル・コンセール・フランセで聴きます。そして、昔第5番と言われたト短調の組曲(BWV1070、偽作)から、序曲と〈トルネーオ〉を聴いて(演奏はターフェルムジーク)終わります。

興味のある方、早起きをお願いいたします(笑)。