お寿司屋にて2015年03月21日 00時08分27秒

鳥取からの帰り、某駅で下車し、お寿司屋さんに入りました。一人で食べていると、左側に女性が来て、慣れた感じで食べ始めます。どうやら常連さんのようです。

しばらくすると、2階から、にぎやかな3人組が降りてきました。セットかと思ったらそうではなく、私と同年配の男性は、カウンターで親しくなった方らしい。その男性だけ、1階に残る形になりました。

その男性が、よくしゃべる。私が関係している一流の銀行に勤めているそうで(真偽は不明)、「大きな声ですみません」と言いながら、女性スタッフの名前を一人ずつ尋ねています。名残惜しそうで、1階に残りたいようなのです。

マスターをつかまえて、しゃべり始めました。よく話を聞いてあげるマスターなので、私のお寿司を握る人が、しばらく不在に。女性に興味があるらしく、私の左の女性の容姿を誉めます。すると女性が「オジサンもダンディですよ」と返しました。ほんとですか。

一席もらったオジサンは、千円札を出し、「これで何か出してください」と言います。ビールとお寿司が出てきました。でも、その後も、「お味噌汁をお願いします」とか言うのですね。お店は、サービスせざるを得ない。計算のうちとも思われました。

オジサンは大いにお店を誉め、銀行が近くなので、毎日寄る、と宣言しました。すると温和なマスターが「年に1回でいいです」と返し、左側の女性が爆笑。オジサンがトイレに行った気配なので、私はマスターと女性の対応を誉め、「きっと寂しいんですよねえ」などと言いながら、女性と対話モードに入りました。50歳ぐらいの方です。

お金を払おうとして気がつくと、オジサンが後ろで聞いているではありませんか(汗)。気が咎めた私は、その銀行の系列で仕事をしているんですよ、音楽関係ですが、とリップサービスしました。するとオジサンは嬉しそうに、ジャズ・ピアニストは全部知っている、と言って、かつての勤め先で先生をしている有名な方の、ご家族のアドレスを携帯で示します。私はつい、有名な方を知っていても全然偉いとは思いませんよ、と言ってしまいました。お勘定を済ませ、もう帰りにかかっていたからです。

するとオジサンは、私に、スマホに録音した音楽を聴かせようとされるのです。ほとんど、すがりつかんばかり。こんなとき、皆さんならどうされますか。辛抱強く対応して差し上げるのが人の道だ、というご意見もありそうですね。けっして悪い人ではないし、年齢もいっておられますから。

それほど人がよくない私は、冷たく対応して、お店を出ようしました。するとお店の女性が、申し訳ありませんと、気の毒そうに謝罪するではありませんか。それでわかったのは、お店がこういうお客様をどれほど迷惑に思っているか、ということです。本人だけが、気がついていない。

たしかに、もう一度そのお店に行くかと言われたら、行かないと思うのですね。飲食業もたいへんだなあ、と実感しました。写真は、翌朝訪れた白鷺城。いいところですが、ラウドスピーカーで音楽が流れているのには閉口しました。