北村朋幹、ホールを奏でる2016年12月23日 21時51分55秒

思ったより忙しかった「師走」。やっと余裕が出ましたので、心に残る出来事の多かった1週間を、少しずつ振り返ります。

大学の授業を終えて大阪に向かった、16日(金)。翌日10:00に立川にいなくてはならないので、名古屋に中継ホテルを予約しました。チェックインして荷物を置いていこうと、名古屋で下車。スマホを見ながら、ホテルへと歩きます。

途中、おいしそうな台湾ラーメンの看板を掲げたお店があります。通り過ぎてしばらく、実際とは反対方向に歩いていたことに気づきました。かなり時間を無駄にして、ホテルに到着。ホテルとラーメン店は駅を挟んで離れていましたが、間に合うと踏んで夕食へ。

私、台湾ラーメンが大好きなのです。そうしたら、そのお店が、台湾ラーメン発祥の地だというではありませんか!道を間違えたから来られたわけで、これは幸運。マイナスはプラス、という持論を再確認しました。

夜は、いずみホールで、シューベルト・シリーズの第三夜。出演は北村朋幹さんで、ベートーヴェンのバガテル、クルターグの《遊び》を経てシューベルトに進むという、凝ったプログラムが組まれています。シューベルトは、《楽興の時》全曲と幻想ソナタです。

高い構想力をもつ北村さんのことだから何かあるのだろうと思っていましたが、前2曲がシューベルトへの絶妙の道程になっていることに感嘆。かぎりない弱音で弾かれたクルターグから、そのままシューベルトが立ち上がって来たのです。

北村さんの連ねる繊細なソノリティに、会場が水を打ったように聴き入っています。私には、ピアノというよりいずみホール自体を北村さんが楽器として奏でているような気がしてきました。こんなコンサートができて、本当に幸せです。別のホールでは、きっとまったく違う演奏をなさることでしょう。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック