今月の「古楽の楽しみ」2017年01月07日 07時55分21秒

1月は、宗教改革の記念イヤーにちなんで、ルターのコラール7曲とその編曲でプログラムを組みました。ちょうど、有名コラールを合唱編曲、オルガン編曲をちりばめてメドレー風に編集したCD(M.グリューネルト指揮のドレスデン聖母教会室内合唱団)を入手していましたので、これを活用し、適宜、補っていくという方針を取りました。

9日(月)は、 《異邦人の救い主》と《来たれ聖霊、神なる主よ》です。

〈異邦人の救い主〉は、メドレー(シャイト、プレトリウス、グリム、シャイン、パッヘルベル)と、テキスト全節を用いたベームのカンタータ(ラルフ・ポプケン指揮)、加えて、ブルーンスのコラール幻想曲(オルガン:塚谷水無子)。

《来たれ聖霊、神なる主よ》の方は、メドレーのみとしました。内容はシャイト、ヴァルター、プレトリウス、シュッツ、アムスドルフのオルガン曲・声楽曲です。

10日(火)は、《天にいますわれらの父よ》と、《あなたに賛美あれ、イエス・キリストよ》。

《天にいます》は、メドレー、ハスラーとシャイトのオルガン編曲(ハラルト・フォーゲル演奏)、ブクステフーデのコラール変奏曲(ベルナール・フォクルール)。同じ旋律が、こちらでは《われらより取り去りたまえ》と題されています。

《あなたに賛美あれ、イエス・キリストよ》の方は、メドレーの後に、このコラールに基づくバッハのカンタータ第91番を加えました。演奏はガーディナーです。

11日(水)は、《神はわがやぐら》と、《高い天から》。

《神はわがやぐら》は、メドレーとフランツ・トゥンダーのコンチェルト(=カンタータ)。後者の演奏はヘルマン・マックスです。

《高い天から》は、メドレー+シャイデマンのオルガン編曲(ヨーゼフ・ケレメン演奏)+バッハのカノン風変奏曲。これには、自筆譜バージョンを遣っているジャン=クロード・ツェーンダーの演奏を遣いました。

12日(木)のコラールは、《キリストは死のとりことなられても》のみ。メドレー、ヨハン・ショープのコンチェルト(=カンタータ、演奏はハンブルク・ラーツムジーク)、そしてやはり、バッハのカンタータ第4番を入れました。以前BCJを一度出しましたので、今回はバッハ・プレイヤーズ(2011年録音)です。これもいい演奏だと思います。

最後のコーナーは、宗教改革100年祭(1617年)のために作曲されたアルテンブルクの《ガウディウム・クリスティアーヌム》から、〈ルター派の歓呼の叫び〉〈ルターの預言〉の両楽章。珍しい曲ですが、時代はよく反映されています。演奏は、ズザンネ・ローン。

ずいぶんごちゃごちゃしたご紹介になりました。しかしコラール自体は民衆的で素朴なものですから、軽く楽しんでいただけると思います。どうぞよろしく。