《トリスタン》講座のご案内2014年10月28日 23時49分31秒

明日の29日で、長かった《リング》講座(朝日カルチャーセンター新宿校)が終わります。11月から、《トリスタンとイゾルデ》全7回です。隔週奇数水曜日の10:00~12:00ですが、11月は5日のみです(19日はいずみホールのコンサートがあるので、休みにしました)。

「トリスタン入門」と題したその第1回に、友人の音楽理論研究家、見上潤さんにご出演いただくことになりました。見上さんは和声とピアノの達人で縦横にトリスタン和声をお弾きになるので、まずその響きから入っていただこう、という試みです。1回受講もできますので、よろしければお出かけください。

今日は家で、《クリスマス・オラトリオ》の字幕作成と、明日のワーグナー講座(《リング》総集編)、およびバッハのリレー演奏講座(無伴奏チェロ組曲)を準備しました。相当盛りだくさんになりましたので、受講の方々、ご期待ください。

女性誌でバッハを語る2014年10月24日 10時19分11秒

ご縁があり、「毎日が発見」というKADOKAWAの雑誌で、インタビューしていただきました。全8ページ(!)、カラフルな構成で、CD紹介やコラムも入っています。インタビュー記事はときおりやっていただきますが、ゆったりとした美麗な紙面での、これほどの大特集は記憶にありません。


サブタイトルが「100歳まで美しく、強く生きる」となっていることからわかるように、高年齢世代の女性が対象になっている雑誌のようです。単価680円、定期購読が基本とのことで、購入に関してはサイトhttp://www.mainichigahakken.net/をご覧ください。タイトルは「バッハの真髄を聴く」。副題に「60歳を過ぎてこそ心にしみる」とあります。いい時期にいただいた仕事でした。

10月のイベント2014年09月29日 07時40分01秒

朝日カルチャー新学期についてご案内しましたが、その他のイベントについて補足しておきます。

「楽しいクラシックの会」(立川)は、《ニュルンベルクのマイスタージンガー》第3幕のその2、大詰めの部分を扱います。18日(土)の10:00~12:00、立川市錦学習館です。

4日(土)15:00からは、越谷市のサンシティ市民合唱団からいただいた場で、モンテヴェルディ《聖母マリアの夕べの祈り》についてレクチャーします。市民合唱団がこうした作品に取り組むことは、冒険ではありましょうが、嬉しいことです。

モンテヴェルディ《聖母マリアの夕べの祈り》には、実演もあります。10月26日(日)15:00から、一橋大学兼松講堂(国立市)の「音楽の森」シリーズのコンサートです。出演は、渡邊順生指揮のモンテヴェルディ・アンサンブル(声楽)とザ・バロックバンド(器楽)、ソリストはジョン・エルウィス、鈴木美登里、櫻田亮ら。なかなか顔ぶれの揃ったメンバーについては、こちらをご覧ください。http://jfn.josuikai.net/circle/josuiconcert/pdf/event26_k.pdf

私のプロデュースではありませんが、当日ナビゲーターを務め、字幕も提供します。ということは出演仲間なので、500円引きのチケットをご案内させてください。S席(指定)、A席・学生席(自由)のいずれも、コメントにアドレス付きでお申し込みいただければ、お送りいたします。よろしくお願いします。

朝日カルチャー新学期2014年09月25日 21時42分25秒

朝日カルチャーセンターが10月から新学期に入りますので、ご案内をしておきます。

今年は水曜日に隔週で新宿校に行き、10:00~12:00にワーグナー講座、13:00~15:00にバッハ講座を開いています。10月は、1日、15日、29日と3回もあります!

ワーグナーは《リング》が持ち越されましたので、全6回のうちの3回を、《神々の黄昏》第3幕に充てることにしました。うち最終回(29日)は、「《リング》総集編」と謳っています。

バッハは、1年かけた「ヨハネ受難曲徹底研究」が終わりましたので、今度は演奏に焦点を当てます。「古楽の楽しみ」で親しんでいただいているリレー演奏方式の名曲鑑賞を、講座でやってみます。

第1回:《ゴルトベルク変奏曲》、第2回:オルガン作品、第3回:無伴奏チェロ組曲(第1番、第5番)と組んでみました。いま《ゴルトベルク変奏曲》にどの演奏を使おうか考えているのですが、私のもっている音源はCD、DVD併せて86種類もあり、選ぶのがたいへん。受講生の方、ご期待ください。

横浜校は、長いこと、第4土曜(10月は25日です)13:00~15:00に出講してします。「エヴァンゲリスト」講座の演奏篇が終わり、今度はちくま学芸文庫の新著を使って、モーツァルト講座をやらせていただくことになりました。今期は、最初の3回でモーツァルトの生涯を見直し、残る3回で、「危機の時代」に焦点を当てます。第1回は、「天才としての少年期--その再総括」と題しています。

以上、どうぞよろしくお願いします。

今月のイベント2014年09月04日 16時30分40秒

信州行の連載をしているうちに、大事なイベントが始まってしまいました。いま、いずみホールで、今年のモーツァルト企画へのプレイベントのリハーサルが終わったところです。シュタインとワルターのフォルテピアノを比較して使い分けながら、ピアノのソナタや変奏曲、ファンタジー、ヴァイオリン・ソナタを聴こうという企画です。

演奏とお話は久元祐子さん、ヴァイオリンは須賀麻里江さん。早く言ってよ、という方もおられるかと思いますが、満席でチケットはずっと前に締め切られていました。ごめんなさい。

朝日カルチャー新宿校も、昨日から始まっています。午前中ワーグナー講座は《神々の黄昏》の第二幕で、ショルティの録音風景の映像を見ました。昔熱い血をたぎらせて聴いた録音ですが、なぜか感動は戻って来ませんでした。17日にもう一回、第二幕を扱います。

午後の《ヨハネ受難曲》講座は、ついに最終コラールに到達。17日の最終回には、リレー演奏で全曲を聴く予定です。

朝日カルチャー新宿では、一回講座も開きます。15日(月)の10時から12時まで、ワーグナーの《バルジファル》入門。新国立劇場期待の公演に合わせた企画です。いかにも時間が足りませんが、傾倒している作品ですので、エッセンスを伝えられるよう、がんばります。

朝日カルチャー横浜校は、27日(土)の午後。「今が旬の演奏家たち」というお話で、ずっと続いてきたバッハ・エヴァンゲリスト講座に幕を降ろします。来月からは新企画ですので、あらためてご案内します。

その前の土曜日、20日の午前は、立川「たのくら」ワーグナー講座。《マイスタージンガー》が、いよいよ第三幕に入ります。

奇数月に変則ですが、28日(日)の午後は「すざかバッハの会」を開催します。《ヨハネ受難曲》を取りあげていますが、イエスの死とそれに続く場面が、今月のテーマになります。

13日(土)16時からのいずみホール「和の音を紡ぐ」にも、ぜひお出かけください。今藤政太郎先生の人間国宝認定記念公演で、長唄《勧進帳》その他が、豪華な顔触れにより上演されます。

モンテヴェルディやります!2014年07月01日 10時37分40秒

サントリーホール・ブルーローズでモンテヴェルディの宗教曲とマドリガーレを「愛の二態」と題して公演してから、1年が経ちます。その第二弾として、オペラ篇を企画しました。8月1日(金)、19:00からです。

今回は、晩年の二大名作、《ウリッセの帰還》と《ポッペアの戴冠》を、「愛の二態」として対比します。前者は、トロイア戦争から待てど暮らせど帰還しないウリッセ(オデュッセウス)を妻ペネーロペが貞節を貫いて待ち、ついに再会を果たすという純愛物語。後者は、皆様ご承知の通りの、悪女の野望が成就する物語です。踵を接して作曲された、あまりにも対照的な両オペラです。

今回は抜粋かつ演奏会形式ですが、キャストが自慢。昨年大成功した櫻田亮さんをウリッセとネローネに据えるのみならず、加納悦子さんがペネーロペとオッターヴィア役で出演してくださいます。《ウリッセ》冒頭の長大なモノローグがどれほど感動的になるかと、今から楽しみです。

加納さんはルネ・ヤーコプスの《ポッペア》プロダクションに参加され、こんなにいい曲があるのかと、心から思われたそうです。渡邊順生さんと学生たちで始めた《ポッペア》ですが、須坂、西国分寺、国立を経て、サントリーホールに進出できることになりました。そのご縁で、iBACHのキャストも、何人か出演します。その他のキャストは、以下の通りです。

人間のはかなさ&ポッペア/阿部雅子、時の神&セネカ/小笠原美敬、幸運の神&小姓/川辺茜、愛の神&エリクレーア/高橋幸恵、ミネルヴァ&パッラデ&侍女/渡邊有希子、セネカの親友たち/大野彰展、小藤洋平。器楽は伊左治道生、渡邊慶子、エマニュエル・ジラール、渡邊順生と発表されていますが、西山まりえさんもハープで華を添えてくださることになりました。

前売4500円でぴあに出ていますが、コメントで申し込んでいただければ、出演者割引でご案内します。なにとぞよろしくお願いします。

7月のイベント2014年06月29日 10時29分13秒

恒例、7月のご案内です。「古楽の楽しみ」はNHKの都合で、《ブランデンブルク協奏曲》の再放送になりました。次の番組は「キャノンズのヘンデル」というテーマで準備しています。またご案内します。

コンサートのステージに乗るのは、4日(金)19:00、いずみホールのバッハ・オルガン作品全曲演奏会です。今回は知名度の高いダニエル・ロート氏(仏)の登場で、《大フーガ》BWV542をトリに、ト短調の作品を多く含む、魅力のプログラムです。

朝日カルチャーの講座がたくさんあります。水曜日隔週の新宿講座は、今月は2日、16日、30日の3回です。10:00からのワーグナーは、いよいよ《神々の黄昏》。とりあえず序幕から入り、ゆっくり進めます。13:00からの《ヨハネ受難曲》は、イエス死後の《マタイ》引用の部分から始めて、重要なソプラノのアリアに至る予定です。

横浜では5日(土)に、10月から開始するモーツァルト講座のプレイベントを行います。「1日で学ぶモーツァルト」というテーマで、13:00から16:30まで(1回休憩)。今回の著作で得た新しい認識を、とりまとめてお話しします。必然的に晩年がテーマとなります。定例のエヴァンゲリスト講座・演奏篇は27日(土)13:00から。今月は「古楽器はどう違うか--弦楽器、合奏」篇です。

8日(火)は大阪音大での節目の講演。今回は、大学で取り組んでおられるという《コジ・ファン・トゥッテ》についてお話しします。15:15から。

19日(土)の立川「楽しいクラシックの会」は(錦地域学習館、10:00~12:00)、ワーグナー《ニュルンベルクのマイスタージンガー》に入ります。とりあえず第1幕です。すぐに移動して、東大和市のハミングホールで行われるイベント「アンサンブル・フェア」へ。地域のくつろいだ音楽コンクールで、私は審査員です。明後日、打ち合わせをします。

24日(木)19:00からは、市川混声合唱団のお招きで、《マタイ受難曲》のお話をします。場所は男女共同参画センターです。お近くの方々、どうぞよろしく。

最新・最後の『モーツァルト』2014年06月06日 11時50分11秒

6月10日発売のちくま学芸文庫『モーツァルト』の見本が上がってきました。

昨年6月にお話をいただいたときのご提案は、私が2000年に講談社から出版した『モーツァルト/2つの顔』を文庫化したい、というものでした。ありがたいお話と思いつつさて旧著を見直すと、いろいろな問題点が目につきます。そこで一定の猶予をいただき、抜本的に書き直すことにしました。

冒頭の「生涯」と、最後の「モーツァルトを知るための15曲」が、まったく新しい書き下ろしです。最後期を扱った第2~4章も、現在の考えに基づいて、原型をとどめぬほど書き直しました。これらを合わせて、全ページの半分ちょっと。残りの章、すなわち伝記論、作品目録論、歌曲論、オペラ論、交響曲論、バッハとの比較論もかなり直しましたので、自分としては、新しい本として読んでいただければ、という気持ちです。

モーツァルトの最後の時期に関しては、百家争鳴というよりも新旧激突というような見解の対立があり、私自身、立ち位置を決めかねていました。しかしヴォルフ先生の近著(目下翻訳中)を読み、なるほどそう考えるとすべてを整合的に理解できるな、と膝を打つ視点があることに気づいたのです。そこで、そうした視点のもとに、生涯と作品、とくに後期に対して根本的に見直しをかけた結果が、本書です。

十数冊の本をこれまで出版してきましたが、編集者が女性というのは、今回が初めてでした。その編集者、平野洋子さんには、共感と感動をもってサポートしていただき、かぎりない励みになりました。次の写真は、見本をご持参いただいたときのものです。モーツァルトの本はおそらくこれが最後になると思いますが、どうぞよろしくお願いします。



6月のイベント2014年06月02日 22時43分15秒

すぐ、ご案内の時がやってきてしまいますね。

4日(水)と18日(水)が、朝日カルチャー新宿校。10:00からの《リング》徹底研究は、《ジークフリート》第3幕を、2回に分けてとりあげます。13:00からの《ヨハネ受難曲》は、イエスの死の前後です。

5日(木)に見本ができてくる私の新しい文庫本(ちくま学芸文庫)が、10日に発売になります。これについては、あらためてご案内します。

7日(土)は、私が関係している藝術学関連学会連合の年1度のシンポジウム、題して「藝術の腐葉土としてのダーク・サイド」が、東京国立近代美術館講堂で開かれます(13:30分~17:30)。芸術に裏からの光を当てる興味深い内容で、諸学会のパネリストの論戦が面白そう。入場無料ですので、ふるってお出かけください。

11日(水)には大阪で、いずみホールの今年のモーツァルト企画に関する記者会見を開きます。これについても、詳細はあらためて。

14日(土)は「バッハアンサンブル富山」さんのお招きで、《マタイ受難曲》の講演会を開きます(富山国際会議場、13:00~15:50)。お近くの方、お会いできると嬉しいです。

21日(土)は、立川の「楽しいクラシックの会」。今月は《トリスタンとイゾルデ》の第3幕です。10:00~12:00の例会終了後、夏恒例のビアパーティが開かれます【間違えました。ピアパーティは7月だそうです】。

22日(日)はすざかバッハの会(須坂駅前シルキーホール、14:00~16:30)。《ヨハネ受難曲》の第2部が、中ほどにさしかかります。

28日(土)は、朝日カルチャー横浜校のエヴァンゲリスト講座。演奏を論じているためか多くの方に足を運んでいただいていますが、今月は「古楽器はどう違うか--金管楽器、木管楽器篇」と題してお届けします。13:00~15:00です。

今月もがんばります。

今月の「古楽の楽しみ」2014年05月06日 23時22分16秒

リューベックさんのご指摘をいただいて、今月のご案内をしていないことに気づきました。ご指摘があるということは、案内に基づいて聴いてくださる方がいらっしゃる、ということです。申し訳ありません。じつは連休中、ご厚意で招待していただいたコンサートの日にちを間違え、プラチナ・チケットを無駄にしてしまいました。フランクフルト以来、ツキがない・・・ということではないですね。ミステイクを重ねている私です。

というわけで遅きに失しますが、ご報告を兼ねて、一応。今月は「聖堂の響き」と題して、ドイツ・バロックのカンタータ(+モテット、アリア)を、オルガン曲で縁取りながら紹介しました。

5日(月)は、ブクステフーデの作品。6日(火)は、ヨハン・シェレのカンタータを、リューベックのオルガン曲と併せて紹介しました。ブクステフーデはもちろんですが、シェレ(バッハの先々代のトーマス・カントル)の作品もたいへん美しくて、感心させられます。

7日(水)は、パッヘルベルのオルガン曲を枠組みとして、エルレバッハ、クーナウ、グラウプナーのカンタータとアリアを。エルレバッハとクーナウの憂い、グラウプナーの豊かさ。知られざる作品の良さを、感じていただけると思います。

8日(木)は、ベームのオルガン曲とカンタータ、テレマンのカンタータ2曲です。テレマンのカンタータにも、ルター派の伝統をしっかり感じさせる、いい曲がありますね。こうした作品が、どんどんCD化されています。

次の出演は6月2日からになりますが、鋭意、準備中。バッハのフランス組曲のリレー演奏を、新しい演奏を中心にお届けします。忘れないでご案内しないといけませんね。