広島にて2016年09月11日 21時40分36秒

10日(土)朝、広島に向け出発。道中が長いので仕事をしようとパソコンを持ち、荷物が重くなりました。谷保駅まで歩き、もう汗びっしょりです。ところがポケットを調べて、財布を忘れたことに気づいたのですね。

どう考えてもこのまま広島に行く方法はないので、家に「逆」戻り。パソコンを置いて荷を軽くし、出直しました。少し余裕を見ていたので、無事到着できました。

「芸術と老年」講演シリーズ8回の、私は第7回担当です。広島大学の現役の先生たちを中心に講師陣が組まれている中に私が入ったのは、一人ぐらいは本当に歳を取った講師が必要だという理由のようです(推測)。もちろん、体験に基づいた話題を連発し、気持ちのよい2時間になりました。

終了後市内を散歩すると、広場で「オクトーバーフェスト」をやっているではないですか。ドイツの著名醸造元が、ずらりとお店を出しています。嬉しくなって、パウラーナー(ミュンヘン)の白ビールを飲みました。500ccを頼んだところ、2400円を要求されてびっくり。1000円はグラスの返却で戻るシステムでした。それにしても高かったが、おいしかったです。

気分が良くなり、お城のあたりを散策しながら、ここに出す写真を撮ろうとスマホを出しました。そうしたら、石畳で落とし、壊れてしまったのです。禍福あざなう、この日です!

夜、スマホなしで苦労しながら、青木孝夫先生(美学)のしつらえてくれた宴席へ。巨人戦の始まる時刻で、町には緊張感が高まってきていました。坂本のホームランで2対0、巨人リードです。

連続ホームランで怒濤の逆転のさいには、町を揺るがす歓声が上がったそうです。現地にいるのに伝聞として申し上げるのは、お寿司屋さんの個室で、老人問題などを語りつつ、飲んでいたため。外へ出て初めて、歓喜のムードに接しました。

年配のタクシー運転手さんも、嬉しくてたまらないご様子。MVPは新井ですかね、と申し上げると、鈴木誠也に上げたい、好青年なんですよ、とのお話。お釣りを、お祝いに差し上げました。結果は、ホテルのテレビで。

野球がこんなに人を感動させるなんて、すごいですね。間接的ながら、元気をいただきました。

熱気の中へ!2016年09月09日 23時17分16秒

広島カープのことを書かないがどうした、とメールをくださった方がおられます。いやあ最近の怒濤の試合ぶり、すごいですね。キリリと引き締まって、躍動しています。この日を待ちかねたファンの方々の盛り上がり、よく理解できます。

ただ私はアンチ・巨人本籍の悲しさ、いまパ・リーグも白熱しているので、広島本籍の方々の熱さには、ちょっと及びません。でも、人ごとではないのですよ。

なぜなら、どうやら優勝の決まりそうな明日、広島に行くからです。公開講座は「芸術と老年」というシリーズ、私の演題が「音楽で恵まれる加齢の福」というのはどうにもしょぼくミス・マッチなのですが、夜の懇親会がどういうことになるか、見ものですね。どうなりますやら。

パ・リーグは、日本ハムに絞っています。増井が先発に転向してから、すばらしいですね。最後まで、楽しみたいと思います。

今月の「古楽の楽しみ」2016年09月07日 22時15分59秒

先日日本モーツァルト愛好会で、「モーツァルトとヘンデル」という講演をさせていただきました。その経験から、モーツァルトとヘンデルの関係で1つ特集番組ができると思い立ちました。

作ったのは、モーツァルトがかかわったヘンデル作品を集め、そのオリジナルの新録音をご紹介する、という番組です。

12日(月)は、ヴォルフ本のからみで以前ご紹介したモーツァルト《レクイエム》の原曲を、音でお届けしようという試みです。すなわち、〈レクイエム・エテルナム〉の原曲であるキャロライン王妃のための葬送アンセム《シオンへの道は悲しみ》の抜粋と、〈キリエ〉の原曲である《デッティンゲン・アンセム》の当該部分です。前者は、クリスティ指揮、レザール・フロリサンの2013年の録音で。後者は、ようやくCDで手に入ったプレストン指揮の録音でご紹介します。

あとの3回は、ドイツ語テキストに編曲されたいわゆる「モーツァルト版」の残っている4作品から、《アチスとガラテア》を除く3作品のオリジナルを取り上げます。

13日(火)は《アレクサンダーの饗宴》、15日(木)は《聖セシリア日のためのオード》を取り上げますが、どちらも「音楽の力」をテーマとした作品で、いわば、《魔笛》を準備するものです。演奏は新星ネヴィル=タウル指揮、ルードゥス・バロックの新録音です。

14日(水)は《メサイア》ですが、アーノンクール追悼の時に部分的に扱ったのを除けば、《メサイア》を放送するのはこれが初めてです。お待たせしました!

新しい録音をご紹介する機会にしたいと思い、エマニュエル・アイム指揮、ル・コンセール・ダストレの2013年の録音を選びました。繊細にして華のあるすばらしい演奏です。どうか楽しみになさってください。

格別の解放感2016年09月05日 09時26分14秒

仕事が集中している、この夏の終わり。前半のピークが過ぎたところです。

緊張と負担感の由来は、いつものごとく、合唱コンクールでした。今年は、埼玉県大会が昨日にかけて、土・日・日の3日間組まれていました。

その審査がたいへんなことは折にふれて述べていますが、もう一度強調させてください(笑)。開始が午前10時。表彰式の終わるのが、たとえば昨日は20時35分(演奏終了は19時13分)でした。その間、わずかの休憩を挟みながら、1団体数分の間に、演奏へのコメントやアドバイスを書き綴ってゆく。同時に採点をしつつ、順位を考えます。埼玉県のように参加数が多く実力伯仲が何団体も、というところでは、1秒もゆるがせにできない作業が続きます。

加えて、耳の疲労があるのですね。高い周波数を聴き続けるうちに耳が飽和してきて、聴覚の弾力が失われてしまうのです。この段階で大激戦が起こると、実感として、お手上げです。

それだけに、終わったときの解放感は大きい。ただしその前提は、後悔とか、罪の意識とかとの差し引きです。ある程度プラスになればいいのですが、マイナスになったら目も当てられません。

後悔や罪の意識は今年もありました。しかし疲労感も解放感も、かつてなく大きいと感じたのが今回でした。理想にはとても及びませんが、勉強の機会をいただいてきたおかげで、ある程度わかってきたかな、という気がしているのです。同時に、先生方との協力で進める審査の場合には、自分の価値観をブレずに貫き、そこで責任を取るのが最上、いろいろな配慮から修正しても結局いいことはない、という確信ももちました。当たり前と思われるかと思いますが、これは案外、困難なことなのです。

いろいろな団体をご紹介するゆとりはありませんので、とても感心し勉強になったことを一つだけ。

クール・ヴァン・ヴェールという女声合唱団がありますが、この団体はいつも、和声いのち、という演奏をされます。今年は自由曲にミクローシュの《サルヴェ・レジーナ》を歌われましたが、要所に出てくる不協和音をじつに美しく表現されることに感嘆しました。たとえばド・レ・ミが同時に鳴っている和音がフレーズの終わりにあるとしますね。普通はそれぞれの音程を正しく取ることが先決になりますが、この合唱団は、どうです、この和音美しいでしょう、と、耽溺するかのように立ち止まるのです。その集積として、なんとも甘美なマリア像が出現しました。

9月のイベント2016年08月31日 17時56分26秒

3日(土)は、いずみホール年1回のオペラ。河原忠之さんの指揮で積み重ねてきたモーツァルト・シリーズの、《ドン・ジョヴァンニ》です。演出 粟國淳さん、キャストは黒田博さんのタイトルロール以下の豪華版、こちらをご覧下さい。http://www.izumihall.jp/schedule/concert.html?cid=1141&y=2016&m=9 澤畑恵美さんがドンナ・エルヴィーラ、石橋栄実さんがドンナ・アンナという振りに、どうやら工夫がありそうです。14:00からですのでお間違いなく。

4日(日)は全日本合唱コンクール埼玉大会の「大学職場一般部門」と「彩の国部門」。審査委員長をつとめます。

7日(水)、そして21日(水)が、朝日カルチャーセンター新宿校の定例講座です。10:00~12:00のワーグナー講座は《さまよえるオランダ人》の締めくくり。新旧の演出比較や、ピリオド楽器演奏の聴き比べなどを用意しています。13:00~15:00のバッハ・リレー演奏講座は、7日がカンタータ、21日が《ゴルトベルク変奏曲》。どちらも最新録音の紹介です。皆さんの反応も最近活発にいただけるので、楽しみです。

朝日新宿校ではもう一つ、単発のレクチャーコンサートがあります。サントリー・ブルーローズでの《冬の旅》で絶賛をいただいた田中純さん(バリトン)を京都からお招きして、「名バリトンは何でも歌う」と題して行います。バッハの部(カンタータ第82番のアリア)、ドイツ・リートの部、オペラの部(にわとこのモノローグ)、日本歌曲の部(松島音頭など)、歌謡曲の部(南の薔薇/少年時代)という超広いプログラムですが、どれもみな、お上手なのですよ。ピアノは久元祐子さんで、彼女の《ゴルトベルク》のアリアがスタートです。30日(金)19:00~20:30。ぜひぜひお出かけください。

10日(土)は14:00から広島大学公開講座『芸術と老年』というシリーズに出講します(広島県民文化センター)。「音楽で恵まれる加齢の福」というタイトルになっていますが、いかにも自分がやりそうなのが、割り切れないところです。どうなりますやら・・。

17日(土)は、10:00~12:00に立川で「たのくら」。ヴェルディ《オテロ》の第2回となります。

24日(土)13:00~15:00は、朝日カルチャーセンター横浜校のモーツァルト講座。三大交響曲に入ります。第39番変ホ長調を取り上げますが、この曲については最近考えがあるので、準備してお話しします。

29日(木)15:00~17:00から、早稲田エクステンションセンター中野校の秋シリーズが始まります。今回はモーツァルトで、タイトルは「32歳のモーツァルト~見直される『頂点』の年」。モーツァルトが最大数の作品を遺した1788年について、5週連続で講義します。第1回は、とりあえずその年までの生涯を概観します。

長々とすみません。どうぞよろしく。

今月のCD2016年08月30日 09時24分26秒

リオからラテンの感覚が届いていた今月。夏の終わりに、南米、中米から北米までをギターで巡る旅はいかがでしょう。

それが、スペインのギタリスト、パブロ・ヴィレガス(ビレガス?)の出した「アメリカーノ」という新譜です。ホローポ、サンバ、タンゴといった心地良く躍動するリズムに乗せて、ブラジル、ベネズエラ、パラグアイ、アルゼンチン、メキシコ、アメリカのギター曲、ギター編曲が演奏されています。ヴィラ=ロボス、バーンスタインもあり。私は歯切れのいいリズムが好きなので、楽しく聴きました(ハルモニアムンディ)。

他の新譜で印象に残ったのは、パーヴォ・ヤルヴィの好調さです。フランクフルト放響とのブルックナー第2、N響とのシュトラウス《ドン・キホーテ》、どちらも鮮度の高い演奏です(ソニー)。

古楽関係の新録音については、放送と朝日新宿の講座で随時ご紹介してまいります。

メリケン波止場2016年08月26日 21時21分38秒



関西で好きなスポットというと、神戸のメリケン波止場。今の呼び方は、「メリケンパーク」です。モダンな明るさを楽しみながらも、その昔の異国情緒を偲ぶ楽しみは格別です。

いつもは公園の奥まで行って海を眺めるのですが、この日(25日)は改装中で、狭い展望に。しかし散歩しているうちに、目の前に立つ大きな塔が、登れるように思えてきました。近づいてみると、「神戸ポートタワー」という観光施設なのですね。

さっそくエレベーターで上ってみると、淡路島の浮かぶ海の展望が広々と開け、北には六甲山。海もいいが雲もいい、と写真を撮ったら、雲の上が切れてしまいました(笑)。


朝目覚めたのは、下関。24日、いずみホールの年間企画「シューベルト~こころの奥へ」の記者会見を行い、25日のプレイベントまで時間があったので、西の方に足を伸ばしてみたのです。下関に行ったのも、新幹線の中で決めたことでした。朝は山口に行ってみようと思ったのですが、雨が強かったので断念。神戸歩きに切り替えました。こちらはよく晴れて、猛暑のさなかでした。私、山登りをやっていたので、炎天下を歩くのは苦にならないのです(もう危ないかな)。

ホールのプレイベントは、鈴木優人さんの弾くフォルテピアノ(ホール所有のナネッテ・シュトライヒャー・オリジナル)を中心に、お仲間たちとかつてのシューベルティアーデを再現する趣向のもの。堀朋平君の透徹した解説が加わり、お客様も十分楽しんでくださったようです。今年は豪華な出演者を揃えていますので、シューベルト企画、どうぞお出かけください。10月9日(日)、ロータス・カルテットが皮切りです。


鳴り響くポストモダン2016年08月23日 11時45分30秒

皆様、台風の被害は大丈夫でしたか。私はちょうど須坂の仕事の後温泉に泊まり、半分青空の長野を出発して、風雨の関東平野に突っ込んでくる形になりました。幸い、埼京線・武蔵野線・中央線の乗り継ぎが確保でき、お昼過ぎ、無事帰宅しました。

その日は、夕刻にマッサージ、夜はコンサートという予定。マッサージは絶対抜かしたくないと都内に出たのは、たいへん疲労感があったからです。マッサージの先生からも、今週はどうしたんですか、というお尋ね。ここ数日、精神的には喜びのある日々で、肉体的にもタイトだとは思っていなかったのですが、案外、積み重なるものがあったようです。温泉、入ったんだけどなあ。

しかしすべてを吹き飛ばしたのが、サントリー・サマーフェスティバルの幕開け公演でした!佐藤紀雄さんのプロデュースによる「めぐりあう声」がそれ。詳細はこちらhttp://www.suntory.co.jp/sfa/music/summer/2016/ をご覧下さい。

佐藤さんが「ひらく」対象とした今日の作曲界の「グローバル」な状況というのは、地域や風土のみならず、歴史やジャンル、芸術の境界をも、融通無碍に乗り越えてゆくものなのですね。ニュージーランド出身というジャック・ボディの《死と願望 の 歌とダンス》改訂版世界初演は、そういう状況がいかに楽しく心ときめくようなものでありうるかを、見事に示してくれたと思います。ビゼーの《カルメン》、マオリの民謡その他世界の音楽素材を軽妙に重ね合わせ21世紀感覚で躍動させるその手法についての詳しい解説は、おそらくどなたがが書いてくださるでしょう。

メレ・ボレントン、波多野睦美、シャオ・マ(カウンターテナー)の声楽ソリスト、森山開次さんのダンス、アンサンブル・ノマドの器楽、すべてが作品に入りこんで、最高のノリ。こうしたコンサートを実現した佐藤紀雄さんの見識と手腕には、脱帽あるのみです。サマーフェスティバル、30日まで続きます。

導き?2016年08月16日 22時37分13秒

終戦記念日の月曜日に、ガン検診を予約していました。PET検診というものです。この検診、過去にも受けていて信頼性のほどはよくわからないのですが、父も姉もガンで死にましたし、周囲にも膵臓ガンで亡くなる方が後を絶たないものですから、受けておくことにしました。

前後に待ち時間が出るだろうと、持参する本を決めていました。小説ではなく、キリスト教研究の本です。ところが、うっかり持参を忘却。まあ、よくあることです。

検査が終わり、夕方の予定まで新宿で時間がありましたので、何か代わるものがないかと、めったに寄らないブックファーストに寄ってみました。宗教書のコーナーに行くと、八木誠一先生の近刊が2冊、置いてあります。知らない本でしたが、ひらめくものを感じて、1冊を買いました。

読んでみると、これがすばらしいのですね。今まで読んだどの本とも違う角度から、思いも寄らないことが書いてあります。読んでいるうちに、これはもしかして、私が今まで考えていたことを説明してくれる理論かもしれない、という気がしてきました。

哲学的な内容ですので、じっくり勉強して、吸収できたらと思います。まだ読みかけのうちにこのことを書いたのは、この日の流れが不思議だなあ、と思ったから。いかにも、引き寄せられる導き(?)があったように見えます。どなたの人生にも、たびたび起こっていることでしょうが。

本は『〈はたらく神〉の神学』というものです(岩波書店)。芭蕉の俳句がいくつも引用されているのですが、宗教的視点からのその解釈は心から納得のいくもので、これに触れるだけでも価値があると思いました。

アメリカ国歌2016年08月15日 06時36分06秒

前夜飲まなかったので、よい目覚めでした。お昼からガン検診が入っているのです。

この2週間は予定がかなり少なく、専念とまではいきませんが、研究に時間を費やしました。主として、新約聖書関連。ブルトマンのイエス観など、すごいなあと思います。しかし今日から、月も後半ですね。予定もいろいろ入ってくるので、どこまで時間が確保できるか、工夫がいります。

オリンピックを見ているんじゃないの、という声あり。やっぱり見ますよね。スポーツの祭典。若さと輝きにあふれて、すばらしいと思います。リオで大丈夫か、という声もありましたが、大過なく進んでいますね。

日本選手のがんばり、格別ではないですか。盛り上げようとあの手この手を使う中継の手口は見破りながらも、結局は乗せられて、感動しています。プレッシャー最大の状況でベストを出すのが、一流の証明なんですね。

音楽の話をしましょう。アメリカ国歌って、強いインパクトがあると思われませんか。最近旋律を聴くと、順次進行と跳躍をどう組み合わせているかを、つい考える癖がついてしまいました。その意味では、誰でも歌う曲で、これほど跳躍ばかりの曲というのは珍しい。軍楽隊から出た曲だからかと思ったら、酒の歌が原曲なのですね。

蛇足ですが、どうなっているかというと・・。アウフタクト付きの3拍子。2小節単位のフレーズを4つ重ねて、最初の楽節になります。

調性抜きの階名でいくと、最初のフレーズは 「ソッミ|ド・ミ・ソ|ドー」で、全部跳躍です。導入でまず下に進み(前提の効果大)、ドを獲得したら、大股で上のドまで歩む。普通の分散和音ですが、声楽的ではないと思います。

ここからさらに上のミに飛ぶのが工夫で、歌はたいへんですが、力強い表情が出ます。初めて音階の順次進行となり、ドまで降りた次は下に飛んで、ミから、音階の登り直し。ただしファには♯が付いていて(ドッペルドミナント)、ソを座りよく導き出します。すなわち、「ミッレ|ド・ミ・♯ファ|ソー」です。

ここでアウフタクトが付点から均等に変わるのが、次にくる拡大された付点を見込んだ、いい隠し味。ソからミに一気に飛んで(=長六度の力強い効果)長い音符を確保しますが、これが2倍の付点音符です。ここでクライマックスを築いた後は、音程の順次下降。「ソソ|ミーッレド|シ-」となります。

最後のフレーズは付点なし。アウフタクトがラで始まる味がよく、最初のフレーズとは真逆に、大股で下降してオチがつきます。「ラシ|ド・ド・ソ|ミ・ド」です。

というわけで、声楽的な旋律ではないが、じつによくできている、と感心した次第。荘重で動きの少ないイギリス国歌とは対照的です。