ものを大切にする心2008年09月22日 23時38分31秒

白蝶さん、お久しぶりです(→コメント)。『春の数えかた』、さっそく読みますね!

というわけで、読書の話題続き。成毛さんの並行読書術をなお実践中なので、松本旅行には4冊買って、道中読んでいきました。中でも面白かった、というよりほとんど感動したのは、武田邦彦『偽善エコロジー~「環境生活」が地球を破壊する」(幻冬舎新書)という本です。

エコロジーにしろ、地球温暖化にしろ、原理主義的に声高な打ち出しに何となく違和感があったものですから、異説を知ろうと思って買ってみました。そうしたら、実証データと大局観に裏付けられた、とてもいい本。諄々とした語り口で、資源保護、温暖化、リサイクルなどをめぐる、思い込みの誤りを正してくれます。最後は、本当に大切なのはリサイクルより昔ながらの「ものを大切にする心」だ、という結論になり、共感をもって読了しました。

今日研究室でその話をしましたら、すでに読んでいる方がおられ、同感の由。まとまった異論もきっとあるのでしょうが、この本を踏まえて議論したい、と思います。もちろん私は、ものを大切にすることは、大賛成です。

車内通話2008年09月25日 23時11分33秒

先日、比較的空いた昼間の中央線に乗っていたときのこと。向かいの席に、30代の主婦とおぼしき方が二人、座っておられました。そのうちの一人が、携帯電話をかけている。大きな声で、冗談を言ったり笑ったり、天真爛漫です。隣の方も--私ならいたたまれないでしょうが--悪びれたところがありません。大物というか、なんと言うか。

考えてみると、同じ電車に乗り合わせた方は、ほとんど、携帯電話をお持ちのはずです。その方以外に通話する人がいないのは、要請されたルールを守っているから。できることなら使いたい、と思っている人も、たくさんいるだろうと思います。にもかかわらずほとんど通話する人はいないわけで、これってなかなか、たいしたことではないでしょうか。

それいう状況ですから、遠慮なく通話する人には、みんな、とても冷たい目を向けていると思う。そう考えると、天真爛漫に通話することの剛胆さがわかります。こういう人はいつでもそうしているのでしょうから、トラブルも起こるんじゃないかと思いますが、どうなんでしょうか。30代の主婦というと、周囲に気を遣って生活する人が多いだけに、印象の突出する出来事でした。

ワイングラス2008年09月28日 21時51分56秒

両替商君、異国の報告ありがとう。その異国は、マナーの総量が低いんでしょうか、それとも、総量は一定だが、マナーのありかが違うだけなんでしょうか。「論語」などを頭に浮かべつつ、考えてしまいます。

私事ながら、ビールからワインへの切り替えが着々進んでいます。どうやら、ワインの方がゆっくり寝られるのは確かなよう。ビールは、身体を冷やすように感じるのですがどうなんでしょうか。

ワインを買うのが楽しいのに、知識は全然増えません。昔皆川先生の研究会に入っていた頃、ちゃんと話を聞いておくのでした。

そこで、『ワインの教科書』なる本を購入。まず知ったことは、幅広のワイングラスのうち、口が開いているのがボルドー、口が狭まっているのがブルゴーニュであるということ。空気に触れる、香りを閉じ込める、という目的で、それぞれのワインの特徴とかかわっているんだそうです。皆さん、ご存じでしたか?

髭男爵のグラスは、ボルドーでしたっけ、ブルゴーニュでしたっけ?いずれにしても、あれは赤ワインだから絵になるわけですよね。白ワインじゃまったくさまにならない。なぜでしょうか。

ワインに赤と白があるのは、音楽に長調と短調があるように、すばらしい知恵の所産だと思います。ぶどうの種類や産地の勉強を少ししようと思うのですが、多種多彩で、文章からイメージをつかめるようになるのに、まず日数がかかりそう。それにしても、ワイン評論家の方は、ものすごく語彙の豊富さを要求されるのですね。微細な違いを言葉にしなくてはなりませんから。音楽の方が、まだしも楽だと思います。

〔付記〕CMで判明。髭男爵のグラスは、ボルドーでした。

イベントのお知らせ(10月)2008年09月30日 23時36分14秒

恒例のお知らせです。

4日(土)10:00 朝日カルチャーセンター新宿校講座「新バッハ・魂のエヴァンゲリスト~ヴァイマル時代(1) オルガンに吹き込む生命力」 

9日(木)19:00 くにたちiBACHコレギウム旗揚げ演奏会「ドイツ・バロックの祈り~バッハとその先人たち」 主催:楽しいクラシックの会(問い合わせ グスタフさんGustav <gustav@mtj.biglobe.ne.jp>) 場所:立川アミュー小ホール 

演奏曲目:J.バッハ モテット《われらの命は地上では影》/シュッツ 十字架上の7つの言葉/ブクステフーデ カンタータ《主を讃えよ》/トゥンダー カンタータ《ああ主よ、あなたのいとしい天使に命じて》/バッハ 《ヨハネ受難曲》のコラール 他 出演:藤井宏樹指揮 くにたちiBACHコレギウム

私が立ち上げた室内アンサンブルが、いよいよお披露目です。バッハ以前の名曲を揃えてみました。ぜひご来場ください。 

12日(日)14:00 講演「バッハ最先端 その5」 主催:すざかバッハの会 場所:須坂メセナホール

(《マタイ受難曲》連続講義は、第1部のクライマックスである「ゲツセマネの園」の場面。「この1曲」はオーボエとヴァイオリンのための協奏曲です。)

25日(土)、26日(日) 日本音楽学会全国大会 場所:国立音楽大学 26日(日) 14:55~ ラウンドテーブル「J.S.バッハとC.P.E.バッハ~創造的受容をめぐって」 パネリスト:久保田慶一、小林義武、富田庸 コーディネーター:礒山雅

(イギリスから富田庸さんに駆けつけていただき、こうしたパネルディスカッションを行います。高度な専門性にご期待ください。)