8月のイベント ― 2008年08月01日 23時28分14秒
恒例のイベント紹介です。詳細は、それぞれのホームページを検索してください。
2日(土) 10:00 朝日カルチャー新宿 「新バッハ・魂のエヴァンゲリスト~若き日に、死を見つめて」
9日(土) 13:00 朝日カルチャー立川「無伴奏シャコンヌの世界」
16日(土) 10:00 立川楽しいクラシックの会「ヘンデルの真髄、オペラ」
17日(日) 14:00 すざかバッハの会「バッハ最先端その4」 この1曲:《ブランデンブルク協奏曲》第3番ト長調 《マタイ受難曲》:オリーブ山にて
23日(土) 13:00 朝日カルチャー横浜「水上の音楽とヘンデル」
24日(日) 栃木県合唱コンクール審査
30日(土)、31日(日) 山梨県合唱コンクール審査
レパートリー ― 2008年08月04日 07時55分06秒
土曜日の夜は、カラオケに行きました。同行したのは全員二期会所属の卒業生で、歌唱力、盛り上げ力ともA級。私にわかる曲目も準備されており、たいへん楽しく過ごしました。
カラオケというとよく尋ねられるのが、「どんな曲を歌われるのですか」ということ。公表しても何の意味もありませんが、話の種に、土曜日に歌った曲を並べておきます。昔のカラオケ熱が、多少よみがえりました。
井上陽水 少年時代/三浦洸一 踊子/森田公一 青春時代/バンバン いちご白書をもう一度/ロス・インディオス 別れても好きな人/東海林太郎 隅田川/沢田研二 勝手にしやがれ/同 危険な二人/同 時の過ぎゆくままに
こんな歌でもよろしければ、ご一緒しましょう(笑)。
なかなかの名曲 ― 2008年08月06日 12時39分20秒
大ブレーク中の《六本木》(ぎろっぽん)、いい曲ですね。忘れようにも忘れられなくなり、ネット動画を探索してしまいました。
たいへん、うまく作られている曲です。最初は、うら寂しい演歌。「ポッポ」の布石も打たれていますが、まだ目立ちません。サビに入ると突然リズミックになるが、その反復は休止なしにたたみかかけられるので、バッハのフーガで言えばストレッタのような効果になる。反復のたびに音程が上がっていくのは、「螺旋カノン」のよう(カノンじゃないけど)。しかもそのたびに、仕掛けのタイミングがずらされています。歌うの、むずかしいですよ。
鼠先輩という歌い手のキャラクターが、また卓抜ですね。一種裏街道的で、味がある。サビの躍動感、ワイルドなたたみかけ、どちらも見事です。ヒットチャート1位も、むべなるかなと思った次第です。
仕事再開 ― 2008年08月07日 22時55分49秒
カラオケの話題、一部にひんしゅくを買っているようですが、月曜日にまた行ってしまいました。今度は別メンツでしたが、やはり、高年齢で行くのとごく若い人と行くのでは、雰囲気が大きく異なります。しみじみしたメロディを、味わい深く歌うのが前者。強烈なリズムを爆発的なノリで歌うのが、後者です(←ものすごくうまい人がいて仰天)。その違いは大きい。高年齢の方が、今の歌は覚えられない、とおっしゃるのはよくわかります。旋律に、重きが置かれていないのですから。
延び延びになっていた仕事を、ようやく再開しました。やはり休養を取り、意欲を高めないと、本当には仕事ができません。今月のうちに、ザクセン選帝侯家のためのカンタータの本を、どうしても仕上げるつもりです。これが終われば、カンタータはすぐ終わるからと言って約束したDVDの本に取りかかれます。
また、私の第2の著作である『モーツァルトあるいは翼を得た時間』の文庫化が決まりましたので、そのチェックと補筆も行います。昨日ちょっと手を付けてみましたが、さぞ不完全なものかと思って見直すと、そうでもないですね。結局、進歩しているようで、人間、そうでもないんだとわかりました。進歩していることは意識されても、退歩している部分には、意識が及びません。差し引きのプラスが、さて、どれだけあるのか。ともあれ、その年代ならではの仕事をするのがいいようです。
タクシーの乗り方 ― 2008年08月08日 23時49分48秒
ずっと以前、こんなことがありました。
食事に行こうと、何人かでタクシーに乗り合わせました。当時の助手(女性)が、まずまっすぐ、そこを右、そこを左、というように指示をしてひとしきり。クルマはデニーズに着きました。
すると運転手さんが激怒したのです。デニーズで食事するなら、なぜデニーズに食事に行くと最初から言わないのか、と。後ろにいた私は、お客にその言い方はないだろうと思いましたが、結局何も言いませんでした。
さて。JRの駅から当家までタクシーに乗ると、ポイントは3つあります。大通りをどこで曲がるか、その先にある二股をどちらに取るか、その先にある四つ角をどうするか。この3つです。
私は今まで、大通りの曲がるところを最初に指示しておき、曲がったところで二股を指示、最後に四つ角の扱いを指示、という風に、段階的にしていました。その後、二股まで事前に指示しておくように改めた。最近はさらに改めて、四つ角の処理までをすべて指示するようにしました。地元の運転手さんが多いですから、これだけで、ほとんど通じます。
そうすると、とてもスムーズになったような気がするのです。運転する側からしても、目的地が最初からはっきりイメージされているのと、どこまでいくかわからないのとでは、気持ちが全然違うでしょう。乗せてもらう方も、その方がありがたい。運転手さんがかつて怒った気持ちが、やっとわかるようになりました。
スポーツはいいですね ― 2008年08月10日 23時33分14秒
甲子園に続いて北京オリンピックと、ついテレビを見てしまう日々が始まりました。
高校野球が面白いのは、一瞬の出来事で流れがガラッと変わり、大量点になったり、逆転になったりという意外性。昔は、負けたチームの気持ちはどうだろう、試合に出られない選手はどんなに無念だろうか、野球生活が終わってしまうのはさぞむなしいだろうな、というようにたえず感情移入していましたが、いまは、人生を長い目で見るようになっているので(笑)、冷静です。いずれにしろ、スポーツに適性をまったく持たない私は、勝ち負けに青春を賭ける人たちにあこがれるところ大です。
オリンピックで実感するのは、知らない競技がたくさんあること。でも見ていると、どれも面白いですね。バドミントンは有名競技ですが、試合を見ることはとんとなかったので、なるほどこういうものか、と興味をもちました。速度を減じて降下するという羽根の性質が、競技を支えているわけですね。遅くなるから、かなりのスマッシュでも、拾うことができる。まあしかし、ダブルスのめまぐるしいこと。誰のファンとか、そういう話はやめておきますが、しばらく楽しみたいと思います。
メールはこわい ― 2008年08月11日 23時12分47秒
久しぶりのメールネタです。大失敗をしました。
メール好き、電話嫌いの私は、仕事のお願いや打ち合わせを、すべてメールでやっています。後に残り、いつでも参照できるのが、利点のひとつ。紙にメモし、見つからなくなる、といったことがありません。
押し寄せる迷惑メールの中にそれが埋もれてしまう危険については、以前書きました。その要点をまとめておくと、私はASAHI-netのアドレスへのメールをShurikenで受け、それをG-Mailに転送しています。フィルターをすり抜ける迷惑メールは、外出時に携帯電話で、シコシコと手導削除。それでまあ間違いはないだろう、と思っていました。
そこで油断し、コメントにいただいたご教示でいったんストップしたASAHI-netのフィルターを、復活させた。1週間残るサーバーの迷惑メール専用フォルダー(←音引きをいちいち付けている)も、見に行かなくなっていました。そうしたら、次のようなことが起こったのです。
ある名のある若手アーチストに私のコンサートに出演していただこうと、マネージャーの方とご相談していました。2度やりとりし、調整しているのでお待ちください、ということで、待っていた。そうしたら待てども待てども連絡がなく、決定の期限が来ました。そこで私はもう取り下げる、放置されて心外だ、というニュアンスを含むメールを送ったのです。一応、メール事故がなかったとすれば、という前提はつけましたが・・。
するとすぐお返事をいただき、了解のメールを3週間も前にいただいていたことが判明しました(汗)。虫のいいお願いでもあったので、私は大恐縮。普通にやりとりできていたアドレスなのに、内容のちょっとした違いではねられてしまうことが、あるのですね。よりによってそれが、一番大事なメールで起こりました。
そんなわけで、急遽お願いした代替企画を取り下げることになり、ここでも、あちこちにご迷惑をおかけすることになってしまいました。これからは、毎週必ず、プロバイダのストックを確認することにします。皆様もお気をつけください。
全部マメにチェック? ― 2008年08月12日 23時32分58秒
通行人さんからアドバイスをいただきました。
まあそれが正論なんでしょうが、毎日300通から400通あるメールをひとつずつ対処するのは大変です。妙な迷惑メールを自分の目で判定するのも、結構しんどい作業です。
アドバイスの要点は、別のアドレスを新設し、それを仕事用として周知しなさい、ということですよね。でも長く使っているアドレスには仕事のメールが来続けるだろうから、やっぱり全メールチェックは欠かせない、ということになりますよね。
ミスをゼロにするために「手抜きは厳禁」ということにするか、効率に配慮して、ごくまれな失敗は誤差の内と考えるか。皆さんはどうお考えでしょうか。
昔の記憶 ― 2008年08月14日 23時24分40秒
ドン・アルフォンソさん、温かいお言葉ありがとうございました。20年前に書いたひとことがずっと心に生きていたなんて、感激です。
昔の本を見直したらそんなに悪くなかった、ということをブログに2度書きました。私の場合、昔の記憶が心の中でだんだん悪くなっていく傾向があるのです。ですから、昔の本をしばらく読み返していないと、いろいろ不備だらけなのではないか、と思ってしまう。世の方々はどうなのでしょうね。昔の思い出話が好きな人はたくさんいらっしゃるけど、そういう方の場合、記憶が心の中でだんだん良くなっていくのでしょうか。だとすると、昔すごい本を書いたと思っていたが、いま読むとだめじゃん、ということが起こりますね。
私のような性格だと、過去が思い出したくないことばかりになってきて、結構困ります。タイムマシンで戻ってみたら、それなりにベストを尽くして生きていたのだと思うのですが・・。このあたり、精神修養したいポイントのひとつです。
今日は、遅れに遅れていたザクセン選帝侯家のためのカンタータ解説書の原稿を仕上げ、出版社に渡しました。少しほっとし、今はCD選に精を出しています。
ジュリアス・シーザー ― 2008年08月16日 22時11分52秒
ヘンデルのオペラ《ジュリアス・シーザー》のDVDをあらためて鑑賞しました。2005年グラインドボーン音楽祭のライヴで、演奏は、ウィリアム・クリスティ指揮のエイジ・オブ・エンライトゥンメント管弦楽団。作品といい、演奏としい、演出(デイヴィッド・マクヴィカー)といい、まれに見るすばらしさですね。圧倒されました。
いまどき、こんなに舞台が豪華で、衣装がきれいで、凝った動きがきちんとできあがっているプロダクションって、珍しいのではないでしょうか。クリスティの統率力はたいしたもの。ドラマの中からアリアが始まるところなど、「わあこの曲だっ!」とその都度思わせられるような形で、絢爛と立ち上がってくるのです。ナチュラルホルンが響くオーケストラの力強いこと、《花火の音楽》のごとし。
キャストがまた卓抜です。女性の歌う女性役2、男性が女声音域で歌う男性役2(←カウンターテナー)、女性の歌う男性役2で、とにかく高音域のアリアばかりが、次々とあらわれる(男性の歌う男性役は脇役1のみ)。カストラートの世界ですね。でもタイプの違う一流どころを揃えているので、違和感はありませんし、むしろ、オクターヴ下げて男が歌うのではダメなのだな、と実感しました。
学術文庫の拙著ではド・ニース(クレオパトラ)のど派手な活躍ぶりについて書きましたが、今回はそれ以上に、主役のサラ・コノリーに感心しました。まったく、度肝を抜かれる男ぶり。ダ・カーポ・アリアでの変奏も音楽的だし、二重唱ではソプラノを完璧にフォローしている。すばらしい歌手がいるものです。
昔の音楽史では、ヘンデル後半生のオラトリオを高く評価するあまり、オペラを軽んじていました。しかし、本格的に復活してきてみると、オペラの方が面白いですね。手持ちの映像だけで、8作品もある盛況です。演奏が平凡だと単調になりやすいが、一定レベルを超えると、急に作品が輝いてくるのが、ヘンデルのオペラであるようです。
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