モザイクを聴く ― 2008年11月01日 20時07分42秒
昨日、10月31日は、大阪いずみホールで進行中のベートーヴェン弦楽四重奏曲シリーズを聴きに行きました。８つの弦楽四重奏団がリレー式で出演するシリーズも、最後から２つ目。今回はモザイク・カルテットの出演です。これは、ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスのメンバーで構成されている、ピリオド楽器の四重奏団。バッハ《フーガの技法》抜粋で始まり、ベートーヴェン作品は第４番ハ短調と第８番ホ短調でした。
ガット弦、ノン・ヴィブラートの響きはいいですねえ。中声がしっかりしていて、素朴な味わいに骨格というか、構成感が与えられています。地味と言えば地味なのですが、音楽のよさがお客様によく伝わり、熱気のある反応。大阪にも室内楽文化が本当に根付いてきた、という気がします。ホ短調（ラズモフスキー第２番）の主題は、いくつも休符を含んでいますよね。耳を静寂へとすうっと引き込む始まりです。その「静けさに耳を傾ける」という室内楽ならではの感覚が、こういう演奏だと触発されるのです。
気持ちよく聴き終えて飲みにでかけたら、財布をホテルに忘れてきて大騒ぎ。「ツキの量は一定」という法則を立証しました。今朝は早く出て、新宿で、ワイマール時代のカンタータの講義をしました。大阪も東京も、めっきり秋の雰囲気です。
コメント
_ fylgia ― 2008年11月03日 20時40分57秒
_ Ｉ教授 ― 2008年11月04日 09時27分36秒
fｙｌｇｉａさんありがとうございます。励みになります。ノン・ヴィブラートでしっかり弾け、そこに装飾効果としてのヴィブラートを控えめに使う、というのがコツですよね。チェロのコワンが、いちばんヴィブラートを使っていたようです。いずれにしろ、弱々しいところがなく、豊かなイメージがあったと思います。
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モザイク・カルテットは初体験でした。ピリオド楽器でノン・ヴィブラートというので聴く前はどんな音なんだろうかと不安でしたが、自然な素晴らしい音でした！なんと心地よい音なのでしょうか。ノン・ヴィブラートとはいっても（しっかり奏者の指使いを見ていましたが）適度にヴィブラートはかかっていたように思います。いずみホールの響きも素晴らしいことをまたまた実感いたしました。休憩時間にI教授をお見かけしましたが、ご挨拶
しようかと思いましたが、畏れ多くて・・・また次回お見かけしましたら、勇気を出してご挨拶いたしますのでよろしくお願いします。
ベートーヴェン弦楽四重奏曲シリーズに通わせていただきました。次回最後はベルリンフィル（大阪公演）と
日付が重なり行けなくて残念です。またこのような素晴らしい企画是非お願いいたします。