鰍沢2008年11月16日 23時36分51秒

私の周囲には、熱心な落語ファンの方が複数いらっしゃいます。私は自分から聞くという方ではなく、最近とんと機会がありませんでしたが、今日偶然BSで放映に接しました。

聞き始めたらどんどん引き込まれてしまって、傾聴。諄々と語る、いわゆる「人情噺」です。笑わせるところはないが、さまざまな身振りを交えて面白く、味が深い。調べてみると、三遊亭圓朝作の「鰍沢」という話だそうで、一種の怪談です。落語家も、私は見たことのない人でしたが、じつにうまい。柳家さん喬という人、ご存じですか?こういう人がいるんですね。落語というと笑わせるもの、という通念がありますが、話術としての人情噺こそ真髄なのではないか、と思いました。

この話には、江戸時代の会話の感覚がある程度伝えられているのだと思います。だとすると、ずいぶん腰の低い、丁寧な会話を交わしているんですね(旅人と花魁)。「礼」が乏しくなったのは、相撲だけではないようです。