2013年回顧2013年12月29日 22時31分06秒

28日(土)をもって、仕事納めとしました。そこで、少し早いですが、今年の総まとめをさせていただきます。その前提として、今年も皆様のおかげで健康なよい一年を過ごすことができたことを、感謝申し上げます。

今年の第一の出来事は何かと考えて頭に浮かぶのは、芸大で《ヨハネ受難曲》ゼミを開講したことです。優秀な人たちが真剣に勉強し、さまざまなノウハウを学んでくれていることに感激しています。今期が終わると、芸大の定年です。他に、聖心女子大、大阪音大、新たにICUでお世話になり、後進の指導を継続することができました。

第2に、自分に新しい方向性を与えてくれたという意味で、文化庁の仕事を挙げたいと思います。これによって今まで縁が遠かった分野の活動に目を向けることができました。訪れたことのない地域を訪れることができたのもそのおかげで、とりわけ富良野が印象に残っています。日本音楽学会の会長は3月に退任しましたが、藝術学関連学会連合、学術会議などの活動は継続しています。

第3は、NHKの「古楽の楽しみ」でしょうか。5年目を迎え、無伴奏ヴァイオリン、無伴奏チェロその他、企画の切り札をいくつか切りました。声をかけてくださる方がよくおられ、励みになります。

第4は、継続している市民講座の活動です。26年目を迎えた立川の「楽しいクラシックの会」、12年目になる「すざかバッハの会」に加え、今年は「まつもとバッハの会」にも再三出かけました。それぞれの会のご支援により、嬉しいコンサートを開くことができました。

第5は、いずみホールにおける企画やレクチャーの活動です。一連のモーツァルト企画、バッハのオルガン連続演奏会などが心に残ります。

サントリー芸術財団でもお世話になりましたが、おかげで、東北の被災地を訪れることができました。サントリーホールのブルーローズでモンテヴェルディのコンサートを開いたことを含めて、第6とさせていただきます。

第7は、合唱界とのかかわりです。今年は合唱指揮者協会における講演で始まり、合唱コンクールの審査も何度か行いましたが、それ以上に東京バロック・スコラーズ、CANTUS ANIMAEなどいくつかの合唱団と講演や企画参加などの形でお付き合いできたことが、楽しい思い出になりました。

講座・講演活動というと、中心になったのは朝日カルチャー・センターです。新宿でのバッハ/受難曲とワーグナー、横浜でのバッハと入門講座には、かなりの時間を費やして対応しました。これを第8としましょう。

著作も翻訳も出版できなかったのは、今年の大きな反省。原稿はいろいろ書きましたが、代表的なものを1つ挙げろ、と言われれば、日経新聞の日曜随想に書かせていただいた「価値観を育てる」に、指を屈します。自分の音楽とのかかわりを反省・熟考し、整理する機会となりましたし、思いのほか大きな反響をいただきました。これを第9とします。毎日新聞にも、お世話になりました。

第10は、朝日サンツァーズの企画でライプツィヒのバッハ音楽祭を訪れ、ヴォルフェンビュッテルの図書館を再訪するなど、ドイツを旅行したことです。友人が増えたことを含め、先につながる旅行だったと実感しています。

こうまとめてみて、大切な1年だったんだなあと改めて思いました。来年は、必ず著作を出します。