高橋薫子、「倍返し」の熱唱2014年06月05日 12時10分52秒

話を5月25日(日)に戻します。バッグの紛失を免れた私は、良いツキを大量消費した形で夜9時からのリハーサルに臨み、26日昼のコンサートに余波が及ぶのではないかと、不安をもっていたのでした。昼のコンサートというのは、映画の主題歌を特集したいずみホール「日本のうた」のコンサートです。

出演者は高橋薫子(ソプラノ)、田中純(バリトン)、花岡千春(ピアノ)という方々で、いわば、信頼する仲間たち。ただリハーサルに様子見の感じがあったものですから、私は気安さも手伝って、いろいろ注文を出しました。本番に心配はないとは思いつつも、何割かでも生かしてもらえれば、というつもりでした。

驚いたのは、本番の出来映え。高橋さんの歌は言葉がほとばしるように前面に出て、《君の名は》など、精魂こもった絶唱。何割かどころではなく、「倍返し」という、去年の流行語を思い浮かべました。さすが一流ですね。田中さんはこのシリーズの常連で、その高貴で爽やかな声は、こうしたプログラムには不可欠です。映画に詳しい河内厚郎さんにコメントをいただきながら進めましたが、舞台上で何度も涙を拭わざるを得ないコンサートになりました。おかげさまです。

打ち上げでお二人と飲んだワインのおいしさは格別。田中さんとは、サントリーのブルーローズで《冬の旅》のコンサートを開くことになりました。またご案内します。