富山でバッハを語る(1) ― 2014年06月16日 07時32分23秒
バッハアンサンブル富山さんのご招待で、《マタイ受難曲》について話しに行ってきました。
私はいつもベストの講演をしたいと思っているのですが、一番むずかしいのは、バッハの大曲について、1回でお話しすることです。お話ししたいことがたくさんある上、いい演奏を鑑賞していただきたいので、つい盛りだくさんになりすぎ、収拾がつかなくなってしまう。素材をぐっと絞り、ていねいにご説明するのが理想だとは思っているのですが、なかなかそうできずに今日に至りました。
今回は、来年2月22日の公演に寄与するためのレクチャーです。そこで演奏者のヒントとなるポイントを中心にまとめ、それによって時間の効率化を図ることにしました。前日泥縄で、プレゼンテーションを作成。
西国分寺、南浦和、大宮、越後湯沢と乗り換えて富山に着くまでは、かなりの道のりです。新幹線の開通が楽しみ。富山県は、過去に立山登山の帰り、魚津に一泊したことがあるだけで、富山市に降りたことはありません。到着した11時過ぎには雨も上がり、よい天気になっていました。
富山は区画整理が行き届いて広々とし、木々の緑が印象的な町です。
ぶらぶら歩きを楽しみ、途中お蕎麦を食べて、国際会議場へ。行き交う人は少なかったのですが、会場は、合唱団の方々に外部参加者を交えて、思いのほかにぎわっていました。しかも皆さん、私に興味がおありなのか(笑)、興味津々の強い目線で、話に備えていてくださるのです。これでは、気持ちが高まらざるを得ません。
私は「名演奏の条件」というテーマで、話を始めました。私の挙げた条件は、「作品をして自ら語らしめる」「受難に向き合う」「言葉を重んじる」の3つです。(続く)
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