富山でバッハを語る(3)2014年06月19日 08時36分30秒

講演は土曜日の午後でしたので、翌日富山県を少し見るにはどこで泊まるのがいいかと思い、検索をかけてみました。すると高岡に、ニューオータニがあることがわかったのですね。これは高岡の観光上のステイタスを示すもののように思え、高岡に泊まることにしました。それから氷見に足を伸ばし、戻ってこようという計画です。

土曜日にはしゃぎすぎたためか、日曜日は風邪気味で足も痛いという、バッド・コンディション。通行人に次々と追い越される、とぼとぼ歩きになってしまいました。でも高岡、いいですね。日本三大大仏のひとつが、宿の近くに。


隣接する、緑豊かな高岡古城公園。


さらに良かったのが、前田利長の菩提寺だという、瑞龍寺。さすが国宝、端正なたたずまいで心が洗われるようでした。


1両だけの小さな電車に乗り、能登半島の右端を北上して、漁港と温泉の町、氷見へ。海産物の集まる「ひみ番屋街」までの30分の道のりを、とぼとぼと歩きました。駅にコインロッカーがなく、荷物を持参するはめに。


足湯に漬かっていると、理系の大学生を相手に話しているおじさんの声が聞こえてきました。STAP細胞の話です。STAP細胞はないと言われているが、本人があると言っているのだから、あるかもしれない。だとしたらすばらしいことだ、応援したい、という趣旨。よくある意見なのでしょうね。

私は、学問の世界に身を置いてきた人間として、いい加減を許容するような立場はとれません。手続き的にも信頼の置ける仮説だと認められて、初めて次に進めるわけで、その立証責任は、仮説の提唱者にあります。ないことを立証するなどという気の遠くなるようなことを、回りがすべきだということではない。どの分野にも、立証されない仮説を好都合に打ち上げる人もいれば、客観性を得るために苦労している大勢の人もいることを、見てきています。

期待したお寿司屋は長蛇の列であきらめ、市内で食事を済ませて帰宅しました。おかげさまの週末。バッハアンサンブル富山の皆さん、ありがとうございました。