神の降りる瞬間 ― 2014年11月14日 14時23分51秒
いずみホール、今年のモーツァルト・シリーズ本編が始まりました。「学び深めた四重奏の世界」と題した12日(水)のコンサートは、《ハイドン・セット》の2曲(ニ短調、不協和音)とハイドンの《皇帝》を、ゲヴァントハウス弦楽四重奏団が演奏しました。
演奏は、じつに渋い。飾り気もなく見えも切らず、もちろんにこりともせず、ひたすら内方に集中する室内楽です。
もっと自由でもいいのではないか、もっと洒落ていてもいいのではないか、と思いつつ聴き始めましたが、ところどころ、神が舞い降りるとでも言いたくなるような、絶美の瞬間が訪れる。それは、何かに耳を澄ますように、すっと静かになるところ。ニ短調の四重奏曲の、ヘ長調によるアンダンテが、その意味ですばらしかったです。
地味ながら誠実かつ謙虚な、時間が経っても印象の薄れない、いい音楽でした。こういう演奏を本当に大事に聴いてくださるのが、いずみホールのお客様。終了後サイン会があり、写真も撮っていただきました。またお呼びしたいです。
【付記】9月のプレ・イベントで大阪デビューされたバロック・ヴァイオリンの須賀麻里江さんが、大阪国際音楽コンクールのアーリーミュージック部門で、1位なしの2位に入られたそうです。おめでとうございます。
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