今月の「古楽の楽しみ」2015年09月12日 07時05分43秒

未明の地震に、飛び起きてしまいました。水害とか噴火とか本当にいろいろあり、地球が怒りだしたのではないかと、不安になります。思うことはいろいろですが、被害の少なからんことを祈りつつ、標記のお知らせへ。

今月は、テレマンの《ターフェルムジーク》特集です。大学生のときに無理して買ったヴェンツィンガ-指揮のアルヒーフ盤(6枚組だったでしょうか)は、私をバロック音楽に引き寄せた誘因の1つであったと思っています。

放送は、ちょうど連休の、21~24日。全3集を順番に聴いていくのでは芸がないので、ジャンル別に再編成しました。21日(月)が管弦楽組曲、22日(火)が四重奏曲、23日(水)が協奏曲、24日(木)が独奏曲、三重奏曲。全部を聴くには時間が足りませんでした。

演奏は、1960年代のブリュッヘン、ヴェンツィンガ-を部分的に使い、あとはゲーベル、コープマン、アーノンクール、ムジカ・アンフィオン、フライブルク・バロック・オーケストラといったところで構成しました。気軽に聴いていただけると思います。

どんなジャンルでも楽々と手がけているように見えるテレマンですが、自伝では意外にも、コンチェルトはたくさん作曲したが苦手だ、と述べているのですね。技巧を目立たせることが必要になるので、という趣旨のようです。

今回やってみて、それは確かにそうだなと思いました。テレマンらしい情感豊かな旋律、流麗な旋律の魅力は、室内楽(とくに四重奏曲)、ソロ曲にあると思います。ずらりと並べると、ちょっと甘すぎかな、という気持ちも生まれてきますが・・。

コメント

_ ダヴィデヒデ ― 2015年09月13日 10時00分15秒

目から鱗です! テレマンと言う作曲家への見方が180度変わりそうです!

_ 久美 ― 2015年09月14日 14時17分46秒

「来週の放送中にはどうかいかなる緊急ニュースも入りませんように…」と願うわたしに「身勝手だなお前は。こんなときも音楽かい?自分の楽しみさえ遂げればいいんだな」と声がしました。もちろんそんな意地悪な人はいるわけなく、ちょっと自分でつっこんでみたんですけど。
先生、わたしは思います。好きな音楽をためらうことなく聞けて、暑くも寒くもなく、噴火も津波も竜巻も知らないわたしはどれだけ幸せなんだろうと。世界中のどんな不運も不幸も思い遣っても思い遣っても、自身におきたこと以外はみんな他人事です。他人の痛みがわからないことをせめてわかっていようと思います。早く、来てっ!テレマンが必要です。

_ I招聘教授 ― 2015年09月17日 11時12分41秒

いいじゃないですか。「緊急ニュースが入らない」ということは、世の中が穏やかなわけですから。幸福と不幸は対外的なことだけではなく、自分自身との向き合い方にも依存しています。ですから、幸福だと思う人が一人でも多ければ、世の幸福量が増大して、社会がよくなるはずです。

_ 久美 ― 2015年09月17日 19時00分14秒

ありがとうございます。先生からのよきお言葉、この上なくうれしい幸福なわたしです(にっこり)

_ アルスター ― 2015年09月18日 07時28分54秒

>ずらりと並べると、ちょっと甘すぎかな、という気持ちも生まれてきますが・・。
昔読んだ柴田南雄氏の本で、テレマンを「気の抜けたバッハだ」と評した一節があったことを思い出しました。

_ I招聘教授 ― 2015年09月18日 08時29分25秒

そうでしたね。柴田先生は恩師です。しかしこれから放送ですから、そのあたりは終わってから、また。

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