戦慄のキャスティング2016年02月20日 08時35分50秒

ふだん見ないのに、偶然テレビをつけていたらつい見てしまった、という番組があります。最近、2つありました。

一つは、「真田太平記」。武田勝頼に扮した俳優の演技が格調高かったので感心し、ここに書こうかと思って、ついそのままに。後から、平岳大という俳優さんで、全国的にいま大評判、ということを知りました。納得です。すてきな方ですね。

もう一つ、なんというタイトルだったか、若手女優の黒木華さんを紹介している番組を見ました。柔らかな風貌の中にしっかりした個性を秘めた黒木さんにすーっと見とれ、彼女が心に住みつきました。この番組では木野花さんというベテラン女優が「はる=はな」つながりで出演しておられ、一歩引いて若手を立てる心遣いの好ましさが、やはり心に住みつきました。ここに書こうかと思って、ついそのままに。

話は変わって。

18日(木)、新幹線で広島へ。この時期には、公演視察のお役目があります。1泊で東京を離れられるのが18日、19日のみなので、20日の午後・夜と併せて(午前は「たのくら」)、4公演を視察する苦肉のスケジュールを組みました。内訳は演劇が3つ、音楽が1つです。

この日の公演は、樋口一葉を主人公とした『書く女』という演劇(永井愛・作)。場所は廿日市市の「さくらぴあ」です。さて、出演者で知った人はいるのかな、と思ってプログラムを開いて見ると・・・
 
「樋口夏子(一葉) 黒木華」  えっ!
「半井桃水      平岳大」  ええっ!
「樋口たき(母)   木野花」  えええっ!

というキャスティングに、思わず戦慄が走ったのでした。カープファンを掲げているラーメン屋さんで腹ごしらえをしてから、かぶりつきの席で、謹んで鑑賞させていただきました。

明るい演技で舞台を支える木野花さん、脇役の鑑ですね。こういう存在の与える感銘が、じつは大きなものです。オペラでときおり目にするのは、あわよくば主役を食おうと奮闘し、結局ドラマをこわしてしまう脇役さん。もって範としてくださいね。