今月のCD2016年07月27日 10時56分10秒

いつも中旬に原稿の締め切りが来ますので、「今月」は、事実上「先月」かもしれません。悪しからず。

サイトウ・キネン2011のバルトーク《青ひげ公の城》が、すごいですね。扉を開くごとに心の深い闇に導かれるというスリリングなストーリーが、鮮烈な迫力で音になっています。小澤さんの指揮がなにしろ気迫満点で、オーケストラが熱烈に、かつ精妙に、それに応えている。ゲルネの青ひげ公はどこまでも陰影深く、エレーナ・ツィトコーワのユディットは毅然としてプライド高く・・・。すばらしいです。

私は舞台を見ていませんが、バレエが入って、ストーリーを進めたのだそうですね。そうなるとまた、別の印象が生まれそうです。DVDも出るのかもしれませんが、しかし音だけで、作品の真価は十分に伝わっています。フェスティバル運営の苦労が大いに報われる成果だと思います。