ドイツ2016淡々(補遺2)~座席のお話2016年07月14日 12時07分56秒

「機内の出来事」については、ドイツからもご反響をいただきました。そこで書かなかったことについて、少々補いをしておきます。

別の席に座ってくれと見知らぬ人から言われて私が当惑した背景には、座席というものに対する、彼我の感覚の違いがあるのかもしれません。

遠距離列車に乗るとき、多くの方が、指定券を買われると思います。お金を出して権利を手にするわけです。しかし同時に、そこに座らなくてはならない、という義務感も発生する。ですから、車両と席を決して間違えないように、何度も切符を確認しつつ、探し当てます。座ってからもう一度確認するのも、いつものことです。

こういう日本人(私だけ?)の几帳面さが、ドイツ人の感覚とは違う、ということが、ひとつ考えられます。窓際の席に行かなくてはならないものだと思い込んでいた私が、あまり頓着しない発想で席替えを要求されたため、柔軟に対応できなかった、という考え方です。

ここで見逃せないのは、飛行機において、窓際の席と通路側の席ではどちらに価値があるか、という問題です。これは大きな問題なので(笑)、次話で考察しますね。

代わりに、列車の話題を一つ。ドイツの列車では、荷物を座席に置いて複数空間を占有する光景は、日常的です。4人掛けの席を独り占めする剛の者もいる。まあ空いている列車がほとんどなのでそれで成り立つとも言えますが、座らせてもらうのには勇気が要ります。というわけで、長く乗るときには座席指定を取るようにしています。自動販売機で簡単に取れますので。

日本の電車・列車は本当に混んでいますが、乗客のマナーはいいですね。世界一じゃないでしょうか。もちろん、個別的にはいろいろなことがあるでしょうが・・・。

ドイツ2016淡々補遺(3)~窓際と通路側2016年07月14日 12時52分06秒

さて、座席の価値の問題です。列車の場合はどうでしょうか。多くの方が窓際を選ばれますよね。席がAB CDという4列の車両であれば、AとDが先に売り切れることを、自動販売機で確認しています。

ただ、ABC DEという5列の車両になると、Aの価値がかなり下がるようです。Dの人気が、相対的に高まる。Aが奥になり、出入りが不自由になるためでしょう。もちろん、最後まで埋まらないのはB席です。

飛行機が列車と異なるのは、出入りが格段に不自由で、通路側の人に立ってもらう必要が出てくることです。長距離の場合、座席を2.3回は離れることを想定しなくてはなりません。

国際線の飛行機は大きく、座席はエコノミーの場合、 AB CDEF GH という感じに並んでいますよね。自分一人の旅行であるとすれば、中央ならCかF(通路側)、と思う人が多いはずです。A対B、G対Hならどうでしょうか。この問いは、AB CDと配置されているビジネスクラスにも発生します。

私のチョイスは、絶対窓際なのです。外が見えるということもありますが、人と通路の間に挟まれているよりは、片側行き止まりの方が、心理的にゆっくりできます。欠点はサービスの時に遠くなることと、出入りのさい気兼ねすることでしょうか。しかし通路側になっても、気兼ねはそれほど変わらないことに気づきました。窓際の人がトイレに行きたいのではないか、という心配がつきまとうのです(私だけ?)。

もう歳でもありますので、最近はツアーの航空券を、自費でグレードアップしています。すると取ってくださるのは、通路側の席。そこで今回、「できれば窓際の方がいいんですけど」と申し上げてみました。すると、担当の方が驚かれ、通路側を希望される方が多い、7対3ぐらいだ、とおっしゃるではありませんか。そうなんですねえ。窓際の最大の問題は夜トイレに行くときですが(お隣がフラットの姿勢で寝ている)、なんとか股いで、事なきを得ました。

そこで、話が戻ります。仕事でどんどん国内便を使う方が、窓際ではかなわない、通路側が便利、と思っておられるとすると、ライプツィヒ~フランクフルト間の出来事に、違った解釈が可能になります。私の窓際指定席に陣取り、別の通路側席が空いていると指示した人は、よりよい席を提供したという意識をもっていた可能性があるからです。別の人が「あなたは窓際の席に座りたいのか、それなら私が・・」とただちに反応したことも、その流れで解釈できます。

いろいろ考えていると気の休まらない、空の旅ではあります(笑)。