集中できる音楽空間 ― 2013年02月14日 22時58分45秒
うかつな人はおられるもので、「宮崎旅行中すみません。カツオのたたき、うらやましくて死にそうです」などというメールを頂戴しました。あの、宮崎に泊まったのは先週の土曜日ですよ。
遠距離の視察は、仕事にかかる時間に比べ、アプローチにかかる時間が長くなります。そこで頭をもたげるのが、「どうせ行くのだから」という考え。私もそうで、日曜日は鹿児島経由、新幹線を乗り継ぎ、途中下車してはおいしいものを食べて帰って来よう、と計画していました。
ところが気づいたのですね、10日の日曜日は午後、立川で私の仕切るコンサートがあることに。これでは飛行機でとんぼ返りし、リハーサルに駆けつけるのが精一杯です。あわただしいこと、この上なし。
立川で開いたのは、12月に須坂で行ったコンサートの東京版でした。出演者たちの熱望が、いろいろな方のご協力で実現したのです。メインタイトルが「春を呼ぶ音楽会」、サブタイトルが「立川26年、須坂10年…合計36歳の音楽会」。両都市で続けてきた講座が、私の中で、分かちがたく融合するに至っている昨今です。
コンサートについては須坂のおりに書きましたので繰り返しません。しかし今回書いておきたいのは、会場となった「セレモア・コンサートホール武蔵野」についてです。すずらん通りという立川駅からやや離れたところにあり、斎場内という立地でもありますから、訪れにくいとおっしゃる方もおられることでしょう。しかしこのホールが仲間内でのコンサートの場としてすばらしい効果を発揮することを、今回再認識したのです。
なにしろ音響設計が、永田穂先生。広くはないがゆったりくつろげる空間に、ベーゼンドルファー、プレイエル、エラールのピアノが並び、クラヴィコードもあります。そこに今回は、チェンバロを持ち込みました。照明を工夫してみると解説の話がたいへんしやすく、全員が自然にまとまって、音楽に集中できます。聴衆は「たのくら」の会員が中心でしたが、皆さん、同様の感想をもたれたようです。加えて献身的なサポートを、出演者に対してというよりはイベントに対して、してくださるのです。
現在のところ貸しホールはしていないようですが、ここでまたコンサートを開きたいと思います。その際は、ぜひお出かけください。
遠距離の視察は、仕事にかかる時間に比べ、アプローチにかかる時間が長くなります。そこで頭をもたげるのが、「どうせ行くのだから」という考え。私もそうで、日曜日は鹿児島経由、新幹線を乗り継ぎ、途中下車してはおいしいものを食べて帰って来よう、と計画していました。
ところが気づいたのですね、10日の日曜日は午後、立川で私の仕切るコンサートがあることに。これでは飛行機でとんぼ返りし、リハーサルに駆けつけるのが精一杯です。あわただしいこと、この上なし。
立川で開いたのは、12月に須坂で行ったコンサートの東京版でした。出演者たちの熱望が、いろいろな方のご協力で実現したのです。メインタイトルが「春を呼ぶ音楽会」、サブタイトルが「立川26年、須坂10年…合計36歳の音楽会」。両都市で続けてきた講座が、私の中で、分かちがたく融合するに至っている昨今です。
コンサートについては須坂のおりに書きましたので繰り返しません。しかし今回書いておきたいのは、会場となった「セレモア・コンサートホール武蔵野」についてです。すずらん通りという立川駅からやや離れたところにあり、斎場内という立地でもありますから、訪れにくいとおっしゃる方もおられることでしょう。しかしこのホールが仲間内でのコンサートの場としてすばらしい効果を発揮することを、今回再認識したのです。
なにしろ音響設計が、永田穂先生。広くはないがゆったりくつろげる空間に、ベーゼンドルファー、プレイエル、エラールのピアノが並び、クラヴィコードもあります。そこに今回は、チェンバロを持ち込みました。照明を工夫してみると解説の話がたいへんしやすく、全員が自然にまとまって、音楽に集中できます。聴衆は「たのくら」の会員が中心でしたが、皆さん、同様の感想をもたれたようです。加えて献身的なサポートを、出演者に対してというよりはイベントに対して、してくださるのです。
現在のところ貸しホールはしていないようですが、ここでまたコンサートを開きたいと思います。その際は、ぜひお出かけください。
絶品の「たたき」 ― 2013年02月13日 11時00分03秒
宮崎にはメディキットという、県立の総合文化施設があります。音楽、演劇、イベントの3ホールが複合しているのです。
駅前のホテルからそこまで歩き、途中軽く食事しよう、という計画を立てて出発しました。ところが繁華街とは反対の方向に歩くことになり、お店がありません。45分ぐらい歩いて劇場に着いてしまったため、食事は公演後の楽しみとしました。
3時間の公演(演劇)が終わり、再び徒歩で市心へ。盛り場に少し入ってみましたが、むしろホテルまで戻り、駅の近くで食べることにしました。ところがお店が少ない上にもう閉まっており、選べるのはラテン系の居酒屋か、日本料理のどちらか。そこでワインをあきらめ、「炎の舞」という、日本料理店に入りました。
内部は大賑わいで、カウンターの端に座るのがやっと。しかしこれが、すばらしいお店だったのです。焼酎「霧島」のお湯割りとともにいただいたオリジナル料理、「藁焼き カツオのたたき」と「宮崎鶏の炭火炙りたたき」が絶品。お客様の注文が飛び交っているのに、ひとりで隅にいる私にも気を配り、すぐに注文に応じてくれます。その心遣いが、お店の格というものでしょう。駅の一角にありますので、便利にお食事できます。
駅前のホテルからそこまで歩き、途中軽く食事しよう、という計画を立てて出発しました。ところが繁華街とは反対の方向に歩くことになり、お店がありません。45分ぐらい歩いて劇場に着いてしまったため、食事は公演後の楽しみとしました。
3時間の公演(演劇)が終わり、再び徒歩で市心へ。盛り場に少し入ってみましたが、むしろホテルまで戻り、駅の近くで食べることにしました。ところがお店が少ない上にもう閉まっており、選べるのはラテン系の居酒屋か、日本料理のどちらか。そこでワインをあきらめ、「炎の舞」という、日本料理店に入りました。
内部は大賑わいで、カウンターの端に座るのがやっと。しかしこれが、すばらしいお店だったのです。焼酎「霧島」のお湯割りとともにいただいたオリジナル料理、「藁焼き カツオのたたき」と「宮崎鶏の炭火炙りたたき」が絶品。お客様の注文が飛び交っているのに、ひとりで隅にいる私にも気を配り、すぐに注文に応じてくれます。その心遣いが、お店の格というものでしょう。駅の一角にありますので、便利にお食事できます。
大淀川 ― 2013年02月12日 09時02分30秒
三連休の始め、9日(土)は、劇場視察の特命を帯びて、宮崎に向かいました。九州では宮崎だけが超混んでいて、飛行機もホテルも、確保に苦労。プロ野球チームが集結しているためでしょうか。
時間がありましたので、ワンポイントで観光しようと思い、大淀川の河口を選びました。川に興味があるのは、千曲川のほとりで育ったからかもしれません。宮崎駅から大淀川を目指して歩くと(スマホが本当に役に立ちます)、市街地の、まことに閑静な一角に到達。聞こえるのは、自分の足音だけです。
余談ですが、私は足を上げないで歩くのを特徴としています。これが、女子学生には大不評。「足をちゃんと上げるように私が特訓する」と宣言する学生まであらわれるほどでした。しかし、摺り足にも利点はあるのです。たとえば、「知らない間に背後に立っている」といったことが可能になります。
その私が「聞こえるのは自分の足音だけ」と言うのですから、どれだけ静かか、おわかりでしょう。到達した大淀川は水量豊かですがゆったりと穏やかで、きっと、これが宮崎。海との境目も判然としませんでした。ポイントのない写真で恐縮です。

そこから北上して、港を過ぎ、一つ葉という地区へ。気持ちの良い自然道(下)を抜けて、ビーチにたどり着きました。日向灘が広がっています。

2時間歩いてさすがに疲れ、タクシーを呼んで(スマホが便利)駅へ。(続く)
この数日 ― 2013年02月08日 10時44分43秒
ちょっと間が空いてしまいました。この数日間を振り返っておきます。
2日(土)。バッハの世俗カンタータのクォリティを新宿の講座で確認したあと、走るように大阪へ移動。いずみシンフォニエッタの定期を聴きました。まもなく還暦を迎えられる音楽監督、西村朗さんをお祝いしての、オール西村プログラムです。宇宙的な思索を追求しつつも誰にもわかりやすく訴えてくる西村さんの作品はひとつの驚異だと思っていますが、西村作品を知悉したシンフォニエッタの高いクォリティにカール・ライスターの名人芸まで加わって、すばらしいコンサートになりました。雄弁なスコアを書いてきた西村さんの最新作(室内交響曲第4番)が、響きの間合いを重んじたものになってきたのは注目に値します。題して、《沈黙の声》。
1週間に3回も新幹線の往復をしたものですから、3日の日曜日は疲れてしまい、まったくやる気が出ませんでした。やっぱり過労はダメですね。4日(月)に仕事を再開。6日(水)の《マタイ》講座の準備をまず済ませ、資料を朝日カルチャーに送ったところ、担当者から、「こんなに早くいただいては、雪が降っちゃうじゃありませんか」との返信。関東に、大雪の危機が迫っていたのです。
5日(火)にマッサージ(新橋)と床屋(日本橋)を済ませて帰宅すると、朝日カルチャーから、大雪で休講になる場合は早朝に決定し、連絡する、という知らせが入りました。反射的に、しめた!という心の叫び。雪を楽しみにするのでは人様に迷惑ですが、子供の頃からよく陥った心理です。でも世の中、そう甘くはないですね。講座には皆さんしっかりおいでになり、盛り上がりました。
7日(木)は、「都市ミュンヘンとミュンヘン・フィル~その魅力を探る」という講演を、朝日新聞社で。場所が場所なので緊張しましたが、準備は十分にしましたので、責任は果たせたと思います。
ミュンヘン・フィルは1928年に市の楽団となってこの名称を得ましたが、それまでは「カイム管弦楽団」という個人所有のオーケストラで、1893年から活動していました。歴代の指揮者には、ワインガルトナーや作曲家プフィッツナーの名前があります。調べてみると、マーラーの第4、第8交響曲をマーラー自身の指揮で、《大地の歌》をワルターの指揮で初演したことになっています。
はて、カイム管弦楽団という名前を文献で見た記憶がないが、と思って手元の複数の資料を見たところ、どちらにも、「マーラー自身の指揮でミュンヘンで初演」「ワルターの指揮でミュンヘンで初演」という表現になっており、カイムという名前がありません。よく調べたわけではないですが、伝承の不備かもしれませんね。
終了後早々に抜け出し、オペラシティへ。サロネン指揮、フィルハーモニアのコンサートで、新聞批評の当番です。ルトスワフスキの第4交響曲はたいへんすばらしかったですが、ベートーヴェンには私として異論があり、どう書くべきか悩んでいるところ。批評の心理的負担から、なかなか抜け出すことができません。
2日(土)。バッハの世俗カンタータのクォリティを新宿の講座で確認したあと、走るように大阪へ移動。いずみシンフォニエッタの定期を聴きました。まもなく還暦を迎えられる音楽監督、西村朗さんをお祝いしての、オール西村プログラムです。宇宙的な思索を追求しつつも誰にもわかりやすく訴えてくる西村さんの作品はひとつの驚異だと思っていますが、西村作品を知悉したシンフォニエッタの高いクォリティにカール・ライスターの名人芸まで加わって、すばらしいコンサートになりました。雄弁なスコアを書いてきた西村さんの最新作(室内交響曲第4番)が、響きの間合いを重んじたものになってきたのは注目に値します。題して、《沈黙の声》。
1週間に3回も新幹線の往復をしたものですから、3日の日曜日は疲れてしまい、まったくやる気が出ませんでした。やっぱり過労はダメですね。4日(月)に仕事を再開。6日(水)の《マタイ》講座の準備をまず済ませ、資料を朝日カルチャーに送ったところ、担当者から、「こんなに早くいただいては、雪が降っちゃうじゃありませんか」との返信。関東に、大雪の危機が迫っていたのです。
5日(火)にマッサージ(新橋)と床屋(日本橋)を済ませて帰宅すると、朝日カルチャーから、大雪で休講になる場合は早朝に決定し、連絡する、という知らせが入りました。反射的に、しめた!という心の叫び。雪を楽しみにするのでは人様に迷惑ですが、子供の頃からよく陥った心理です。でも世の中、そう甘くはないですね。講座には皆さんしっかりおいでになり、盛り上がりました。
7日(木)は、「都市ミュンヘンとミュンヘン・フィル~その魅力を探る」という講演を、朝日新聞社で。場所が場所なので緊張しましたが、準備は十分にしましたので、責任は果たせたと思います。
ミュンヘン・フィルは1928年に市の楽団となってこの名称を得ましたが、それまでは「カイム管弦楽団」という個人所有のオーケストラで、1893年から活動していました。歴代の指揮者には、ワインガルトナーや作曲家プフィッツナーの名前があります。調べてみると、マーラーの第4、第8交響曲をマーラー自身の指揮で、《大地の歌》をワルターの指揮で初演したことになっています。
はて、カイム管弦楽団という名前を文献で見た記憶がないが、と思って手元の複数の資料を見たところ、どちらにも、「マーラー自身の指揮でミュンヘンで初演」「ワルターの指揮でミュンヘンで初演」という表現になっており、カイムという名前がありません。よく調べたわけではないですが、伝承の不備かもしれませんね。
終了後早々に抜け出し、オペラシティへ。サロネン指揮、フィルハーモニアのコンサートで、新聞批評の当番です。ルトスワフスキの第4交響曲はたいへんすばらしかったですが、ベートーヴェンには私として異論があり、どう書くべきか悩んでいるところ。批評の心理的負担から、なかなか抜け出すことができません。
自然との共生 ― 2013年02月04日 23時35分11秒
「自然との共生」。最近よく言われることで、価値のあることだと思いますが、たいへんな難題であることに気づかされました。自然と触れあいつつ、豊かに生きたいと思っておられる方は、たくさんおられることでしょう。しかし自然は時に牙をむき、災害をもたらす。このことは必然的に、防災の観念を生み出します。
ナイル川が毎年氾濫することは、災いと同時に、青ナイルからの沃土という恵みを住民に与えました。しかし20世紀の人々は、アスワン・ダム、アスワン・ハイダムの建設によって、治水を優先した。その功罪については、専門家の間でも意見が分かれているようです。たしかに、両面あるに違いないと思います。
星空を見る体験は、人間の精神的成長に、かなりの影響を与えるはずです。しかしそのためには、闇がなくてはならない。闇は危険ですから、人間は街灯を整備します。しかしそのもとで育った人は、銀河や彗星を見る機会がありません。
先日、富士市の海岸で防波堤に登り、富士と駿河湾の大景に接した、と書きました。逆に言えば、登らなくては海が見えなかった、ということです。このあたりの海岸にはかなり高い防波堤が巡らされ、災害に備えています。いいことだと思いますが、欠点もある。海岸で暮らす人たちがある意味で海を奪われ、防波堤というコンクリートの中で日々を送ることになるからです。
その利害得失には、いろいろな考え方がありうるでしょう。住んでおられる方がどう思っておられるのか、私にはわかりません。しかし人為的な環境のもつ弊害も、考えてみたいと思います。
ナイル川が毎年氾濫することは、災いと同時に、青ナイルからの沃土という恵みを住民に与えました。しかし20世紀の人々は、アスワン・ダム、アスワン・ハイダムの建設によって、治水を優先した。その功罪については、専門家の間でも意見が分かれているようです。たしかに、両面あるに違いないと思います。
星空を見る体験は、人間の精神的成長に、かなりの影響を与えるはずです。しかしそのためには、闇がなくてはならない。闇は危険ですから、人間は街灯を整備します。しかしそのもとで育った人は、銀河や彗星を見る機会がありません。
先日、富士市の海岸で防波堤に登り、富士と駿河湾の大景に接した、と書きました。逆に言えば、登らなくては海が見えなかった、ということです。このあたりの海岸にはかなり高い防波堤が巡らされ、災害に備えています。いいことだと思いますが、欠点もある。海岸で暮らす人たちがある意味で海を奪われ、防波堤というコンクリートの中で日々を送ることになるからです。
その利害得失には、いろいろな考え方がありうるでしょう。住んでおられる方がどう思っておられるのか、私にはわかりません。しかし人為的な環境のもつ弊害も、考えてみたいと思います。
2月のイベント ― 2013年02月01日 22時26分15秒
もう2月、またまた泥縄のご案内です。おお、何と今、ダブルブッキングを発見しました。下記の予定を完遂できるよう、調整します(汗)。
2日(土) 10:00 朝日カルチャー新宿校の世俗カンタータ講座。前回途中で終わっているBWV206と、BWV207a。どちらもいい曲ですよ!
同 16:00 いずみホールでいずみシンフォニエッタの定期演奏会。音楽監督、西村朗さんの還暦を祝っての西村作品特集です。全力で移動し(これはダブルブッキングではない)、会場でお目にかかります。
6日(水) 13:00 朝日新宿校、《マタイ受難曲》徹底講座。イエスの捕縛の場面に入り、二重唱と合唱を中心に取り上げます。ビラー~聖トーマス教会のDVDを新たに購入しました。
7日(木) 16:00 朝日新聞社の読者ホールで、ミュンヘン・フィル来日記念の講演会をします。しっかり原稿を準備するつもり。すでに満員と伺っています。
10日(日) 15:00 立川市のセレモア武蔵野ホールにお集まりください!12月の須坂で感動的な盛り上がりとなったコンサートを、「たのくら」ベースに再現します。
ピアノの部(ベートーヴェンの第31番のソナタ、シューベルトの変ホ長調即興曲)、バロックの部(モンテヴェルディのソロ・モテット、バッハの〈ベネティクトゥス〉とカンタータ第78番のテノール・レチタティーヴォとアリア)、オペラの部(《フィガロ》第1幕の二重唱、《魔笛》第1幕の夜の女王のアリア、《カルメン》第1幕の二重唱、同じく〈ハバネラ〉、《ホフマン物語》のオランピアのアリア、《サムソンとデリラ》第2幕のデリラのアリアに、小林秀雄と武満徹の歌曲というプログラム。出演は須坂と同じ(久元祐子、岩森美里、谷口洋介、大武彩子)ですが、トラヴェルソのみ、立川和男さんに交代します。ご連絡は渡辺公子さんまで(℡042-527-4801)。
16日(土) 10:00 楽しいクラシックの会(たのくら)例会、立川市錦町地域学習館。ワーグナーの《ローエングリン》を取り上げます。お問い合わせはやはり渡辺さんまで。
同 14:00 豊島区勤労福祉会館 TBSこと東京バロック・スコラーズの主催で、バッハのモテットについて講演します。
17日(日) 14:00 須坂駅前シルキーホール 「すざかバッハの会」の新シリーズ、「バッハが手塩にかけた《ヨハネ受難曲》--その独創性と変貌の秘密を探る」が始まります。その第1回は、「《ヨハネ受難曲》は受難曲の歴史を変えた――画期的大作が登場した経緯」と題してお話しします。しばらく《ヨハネ受難曲》をテーマにするつもりなので、その皮切りです。
20日(水) 13:00 朝日新宿の《マタイ》徹底講座その2です。第1部最後の大合唱曲を取り上げることになるでしょう。
23日(土) 13:00 朝日カルチャーセンター横浜校のエヴァンゲリスト講座、今月のテーマは《クラヴィーア練習曲集第2部》です。イタリア協奏曲とフランス風序曲を対比してお話しします。いい映像をご覧に入れます。
放送は、評判の良かったチェンバロ協奏曲リレー演奏の再放送です。
視察もいくつか入っているので、案外気の抜けない今月です。
2日(土) 10:00 朝日カルチャー新宿校の世俗カンタータ講座。前回途中で終わっているBWV206と、BWV207a。どちらもいい曲ですよ!
同 16:00 いずみホールでいずみシンフォニエッタの定期演奏会。音楽監督、西村朗さんの還暦を祝っての西村作品特集です。全力で移動し(これはダブルブッキングではない)、会場でお目にかかります。
6日(水) 13:00 朝日新宿校、《マタイ受難曲》徹底講座。イエスの捕縛の場面に入り、二重唱と合唱を中心に取り上げます。ビラー~聖トーマス教会のDVDを新たに購入しました。
7日(木) 16:00 朝日新聞社の読者ホールで、ミュンヘン・フィル来日記念の講演会をします。しっかり原稿を準備するつもり。すでに満員と伺っています。
10日(日) 15:00 立川市のセレモア武蔵野ホールにお集まりください!12月の須坂で感動的な盛り上がりとなったコンサートを、「たのくら」ベースに再現します。
ピアノの部(ベートーヴェンの第31番のソナタ、シューベルトの変ホ長調即興曲)、バロックの部(モンテヴェルディのソロ・モテット、バッハの〈ベネティクトゥス〉とカンタータ第78番のテノール・レチタティーヴォとアリア)、オペラの部(《フィガロ》第1幕の二重唱、《魔笛》第1幕の夜の女王のアリア、《カルメン》第1幕の二重唱、同じく〈ハバネラ〉、《ホフマン物語》のオランピアのアリア、《サムソンとデリラ》第2幕のデリラのアリアに、小林秀雄と武満徹の歌曲というプログラム。出演は須坂と同じ(久元祐子、岩森美里、谷口洋介、大武彩子)ですが、トラヴェルソのみ、立川和男さんに交代します。ご連絡は渡辺公子さんまで(℡042-527-4801)。
16日(土) 10:00 楽しいクラシックの会(たのくら)例会、立川市錦町地域学習館。ワーグナーの《ローエングリン》を取り上げます。お問い合わせはやはり渡辺さんまで。
同 14:00 豊島区勤労福祉会館 TBSこと東京バロック・スコラーズの主催で、バッハのモテットについて講演します。
17日(日) 14:00 須坂駅前シルキーホール 「すざかバッハの会」の新シリーズ、「バッハが手塩にかけた《ヨハネ受難曲》--その独創性と変貌の秘密を探る」が始まります。その第1回は、「《ヨハネ受難曲》は受難曲の歴史を変えた――画期的大作が登場した経緯」と題してお話しします。しばらく《ヨハネ受難曲》をテーマにするつもりなので、その皮切りです。
20日(水) 13:00 朝日新宿の《マタイ》徹底講座その2です。第1部最後の大合唱曲を取り上げることになるでしょう。
23日(土) 13:00 朝日カルチャーセンター横浜校のエヴァンゲリスト講座、今月のテーマは《クラヴィーア練習曲集第2部》です。イタリア協奏曲とフランス風序曲を対比してお話しします。いい映像をご覧に入れます。
放送は、評判の良かったチェンバロ協奏曲リレー演奏の再放送です。
視察もいくつか入っているので、案外気の抜けない今月です。
カメラと共に ― 2013年01月31日 21時01分56秒
皆様からいただくコメントを拝見していると、熱心にコンサート通いをされている方が多いなあと、驚いてしまいます。私も、ラッシュ。日曜日の花巻に続いて、月曜日は上野でモルゴーア・クァルテットの定期演奏会、火曜日はサントリーで樫本大進+リフシッツ、今日(木)は静岡に足を伸ばし、大植英次指揮、大阪フィルを聴きました。このうち3つが視察で、ひとつが新聞批評(樫本)。それぞれに、興味深いコンサートでした。
日本のあちこちを見て回ることは熟年の滋養と考え、デジカメを携行することにしました。少し、ご紹介しましょう。
まず、夕暮れの三浦海岸に光を増す満月。26日(土)、風が強く寒い日に撮りました。対岸は千葉県、すぐそこに見えます。

早朝発、早めに着いた花巻でぜひ実現したかったのは、北上川を見ること。「イギリス海岸」と呼ばれる景勝地にたどりつきましたが、深い雪の中にはまりこんでしまい、車道ではクルマのはねる泥水を頭からかぶる始末。川は、予想よりずっと穏やかな流れでした。

静岡グランシップのコンサートの後の散策は、新富士駅周辺と決定。海岸の防波堤に上がり、北に富士山、南に駿河湾の大観に接しました。伊豆半島が、ゆったりと横たわっていました。

目を惹いたのは、愛鷹山の堂々たる山容。東から見ると単なる前山ですが、西から見ると貫禄十分です。展望もさぞいいでしょうが、岩がもろく、エキスパートしか登れないそうですね。

このあたりの名物は、しらす。「しらすの八幡」というお店で、生しらす定食を食べました。生しらすと釜揚げしらすがたっぷり提供されて、600円。ちょっと幸福なひとときでした。
農民の《田園》 ― 2013年01月28日 12時17分24秒
「北海道農民管弦楽団」というアマチュア・オーケストラをご存じですか?宮沢賢治の『農民芸術概論綱要』の理想を実現せんと北海道の農業関係者によって組織され、「鋤で大地を耕し、音楽で心を耕す」をモットーに、農閑期に集まって活動しているオーケストラです。勝負曲は、もちろん《田園》交響曲です。
と紹介しておりますが、不肖私、まったく存じませんでした(汗)。認知のきっかけは、「ウィーン・フィル&サントリー音楽復興祈念賞」への応募です。無事採択となり、1月27日(日)にそのコンサートが、賢治ゆかりの都市、花巻の市文化会館で行われました。じつのところ半信半疑で視察に出かけたのですが、早朝発の旅行記については、また別の機会に。
後発の東北農民管弦楽団、金星少年少女オーケストラ(←賢治つながり)も一部参加したコンサートは、賢治にちなむ新作《星めぐりの歌による幻想曲》(当日の指揮者、牧野時夫氏作曲)を交えた、多彩なプログラム。しかし看板に偽りなしで、大地に根を生やしたゆるぎないもの、音楽と正面から向かい合う気骨が、演奏にあるのです。
最後に演奏された《田園》には、その意味で本当に驚かされ、感嘆しました。とくに第2楽章の〈小川のほとりの情景〉。木管楽器のハイレベルなアンサンブルに聴き惚れていると、そこにいつしかオーケストラ全体の響きが集まり、自然と人間のよき交流の姿が、文字通り自然に、農業にかかわる方々ならではの裏付けをもって描かれていきました。ここに至るまでの活動の困難さは想像に余りありますので、それだけ驚きも大きかった、ということです。
祈念賞がこうした活動を少しでも知らしめる役割を果たすとしたら、本当に嬉しいことです。
と紹介しておりますが、不肖私、まったく存じませんでした(汗)。認知のきっかけは、「ウィーン・フィル&サントリー音楽復興祈念賞」への応募です。無事採択となり、1月27日(日)にそのコンサートが、賢治ゆかりの都市、花巻の市文化会館で行われました。じつのところ半信半疑で視察に出かけたのですが、早朝発の旅行記については、また別の機会に。
後発の東北農民管弦楽団、金星少年少女オーケストラ(←賢治つながり)も一部参加したコンサートは、賢治にちなむ新作《星めぐりの歌による幻想曲》(当日の指揮者、牧野時夫氏作曲)を交えた、多彩なプログラム。しかし看板に偽りなしで、大地に根を生やしたゆるぎないもの、音楽と正面から向かい合う気骨が、演奏にあるのです。
最後に演奏された《田園》には、その意味で本当に驚かされ、感嘆しました。とくに第2楽章の〈小川のほとりの情景〉。木管楽器のハイレベルなアンサンブルに聴き惚れていると、そこにいつしかオーケストラ全体の響きが集まり、自然と人間のよき交流の姿が、文字通り自然に、農業にかかわる方々ならではの裏付けをもって描かれていきました。ここに至るまでの活動の困難さは想像に余りありますので、それだけ驚きも大きかった、ということです。
祈念賞がこうした活動を少しでも知らしめる役割を果たすとしたら、本当に嬉しいことです。
これは老化なのだろうか ― 2013年01月25日 23時55分09秒
やらなければならない仕事、というのがあります。同業者感覚でいうと、採点。その前提となる出席のカウントで、今日は一日を費やしました。
162人が登録している授業なので、点呼はできませんから、感想だの質問だのを記したリアクションペーパーを、出席票代わりにしています。その累積が、二千枚以上。それを並び替え、登録し、回数を数えるのが、今日の仕事でした。おしゃべりする学生はいても、欠席する学生はほとんどいませんので、大量にあります。
みんなよく出席していた、ということを確認し、多少の濃淡を記録して仕事を終了。相当な労働でした。でも皆さん、どうしておられるのでしょうね。この仕事をたいへんにしない方法はただひとつ。毎週、授業の後に整理を行うことです。そういう当然のことをできている先生が、どのぐらいおられるのでしょうか。
私は「自分を追い込み、焦りにより能率を上げる」という方法でやってきましたので、締め切りより1週間も早くこの作業をしていることに、われながら驚いています。そういうことをすること自体が、私の老いなのではないだろうか。
老化現象を大いに警戒している私ですが、先週、4時台に目が覚めてしまう日が、3日ありました。さしもの超夜型もいよいよこうなったか、と受け止める心境でした。でも今週は、普通の夜更かしに戻っています。かく行きつ戻りつして、老化は進行するのでしょうかね。
162人が登録している授業なので、点呼はできませんから、感想だの質問だのを記したリアクションペーパーを、出席票代わりにしています。その累積が、二千枚以上。それを並び替え、登録し、回数を数えるのが、今日の仕事でした。おしゃべりする学生はいても、欠席する学生はほとんどいませんので、大量にあります。
みんなよく出席していた、ということを確認し、多少の濃淡を記録して仕事を終了。相当な労働でした。でも皆さん、どうしておられるのでしょうね。この仕事をたいへんにしない方法はただひとつ。毎週、授業の後に整理を行うことです。そういう当然のことをできている先生が、どのぐらいおられるのでしょうか。
私は「自分を追い込み、焦りにより能率を上げる」という方法でやってきましたので、締め切りより1週間も早くこの作業をしていることに、われながら驚いています。そういうことをすること自体が、私の老いなのではないだろうか。
老化現象を大いに警戒している私ですが、先週、4時台に目が覚めてしまう日が、3日ありました。さしもの超夜型もいよいよこうなったか、と受け止める心境でした。でも今週は、普通の夜更かしに戻っています。かく行きつ戻りつして、老化は進行するのでしょうかね。
今月の特選盤 ― 2013年01月24日 09時01分20秒
フォルテピアノが、面白くなってきましたね。楽器の修復・復元能力も進化しているのでしょうが、新世代奏者の活躍が目立ってきました。
中でもすごいなあと思うのは、南アフリカ生まれだという、クリスティアン・ベザイテンホウト。彼がフォン・デア・ゴルツ率いるフライブルク・バロック・オーケストラと組んだメンデルスゾーン少年期のピアノ協奏曲イ短調/ヴァイオリンとピアノのための協奏曲ニ短調のCD(ハルモニアムンディ)を、今月のベスト・ワンに選びました。
本来ロマンティックな持ち味のピアノに比べて、フォルテピアノはクラシック、と分類したくなります。しかしこのCDでベザイテンホウトの弾くグラーフ・モデルのフォルテピアノは感性に密着してみずみずしく、ロマン性にあふれているのです。天才少年メンデルスゾーンが才気満開で繰り広げる音たちが、変幻自在のきらめきを放っています。ここまで、できるものなのですね。
今月はいいものが結構ありました。トーマス・ヘルが詩情豊かに弾くリゲティの「ピアノのためのエチュード」(ハルモニアムンディ)、新録音と旧録音の組み合わせですが堂々たる貫禄で楽しませる、福田進一さんのピアソラ作品集(デノン)、好調を持続するロータス・カルテットのシューベルト/弦楽五重奏曲(ライヴノーツ)などなど。
中でもすごいなあと思うのは、南アフリカ生まれだという、クリスティアン・ベザイテンホウト。彼がフォン・デア・ゴルツ率いるフライブルク・バロック・オーケストラと組んだメンデルスゾーン少年期のピアノ協奏曲イ短調/ヴァイオリンとピアノのための協奏曲ニ短調のCD(ハルモニアムンディ)を、今月のベスト・ワンに選びました。
本来ロマンティックな持ち味のピアノに比べて、フォルテピアノはクラシック、と分類したくなります。しかしこのCDでベザイテンホウトの弾くグラーフ・モデルのフォルテピアノは感性に密着してみずみずしく、ロマン性にあふれているのです。天才少年メンデルスゾーンが才気満開で繰り広げる音たちが、変幻自在のきらめきを放っています。ここまで、できるものなのですね。
今月はいいものが結構ありました。トーマス・ヘルが詩情豊かに弾くリゲティの「ピアノのためのエチュード」(ハルモニアムンディ)、新録音と旧録音の組み合わせですが堂々たる貫禄で楽しませる、福田進一さんのピアソラ作品集(デノン)、好調を持続するロータス・カルテットのシューベルト/弦楽五重奏曲(ライヴノーツ)などなど。
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