譜例 ― 2008年11月24日 22時36分29秒
東京は、ひどい雨でしたね。今日私は、2つの面談をこなしてからボストリッジのコンサートに行く、という予定を組んでいました。最初の面談に合わせて支度をし、出がけに(4時)チケットを見たら、なんと5時からではありませんか。
そうか、休日ね。7時だとばかり思い、5時と6時に面談を入れてしまっていました。もうコンサートには間に合わない時間でしたので、ボストリッジはあきらめ。きっとすばらしかったことでしょう。彼は、楽譜をじつに正確に、深く読む人です。
その楽譜なのですが、皆さんは、音楽書にはどの程度譜例があっていいと思いますか。昔よく言われたのは、楽譜を入れると本が売れないから、楽譜はなるべく使わないで欲しい、ということでした。斯界の通説、と受け止めています。私がそれでも結構使ってきたのは、専門性の上でどうしても必要な場合が多かったからです。
楽譜を読める人にとっては、言葉であれこれ説明するより、譜例を出せば一目瞭然、ということが多い。この文章をお読みの方も、多くはそういう方ではないでしょうか。一定の予備知識を必要とする本を書く場合には、むしろ譜例をたくさん入れた方が読みやすく、面白いと思うのですがいかがでしょう。あるいは、それはまだ時期尚早で、そうすると多くの読者を置いていってしまうことになるのでしょうか。このあたりが見極められれば、これからの音楽出版が変わってくるように思います。
コメント
_ REIKO ― 2008年11月25日 13時08分24秒
_ miduki ― 2008年11月25日 18時05分17秒
私は、音楽については、好きだという以外には、普通の中学高校で、習った程度の知識しか有りませんが、それでも譜はあった方がいいと思っています。
わかりやすい解説で、どんなに言葉を尽くしても、譜を見た方がいいという場合は、多いように思います。
諸事情はあるでしょうが、音楽に関する本には、必要に応じて、譜は入れていただくように、お願いしたいと思います。
わかりやすい解説で、どんなに言葉を尽くしても、譜を見た方がいいという場合は、多いように思います。
諸事情はあるでしょうが、音楽に関する本には、必要に応じて、譜は入れていただくように、お願いしたいと思います。
_ N市のN ― 2008年11月25日 22時47分01秒
本は移動中に読むことが多いので、譜例は欲しいです。
文字だけではピンときません。
楽書を読んでチェックしたいことがあった場合、メモをとって、帰ってからチェックするつもりでいても悲しいかな、大体忘れます。
N市では先週金曜日にボストリッジの演奏会がありました。
「冬の旅」です。考えぬかれた演奏でした。
悲しいかな、どう素晴らしいか表現できませんが、構築性だけでなく、全てのニュアンスが内的必然に結び付いたものだったと思います。テノールであれほど深いリートが聴けるとは思いませんでした。
またピアノのドレイクも一分の隙もない計算しつくされた演奏で、冬の旅の精神の陰影をくまなく表現していたと思います。
とても神秘的な時間でした。
文字だけではピンときません。
楽書を読んでチェックしたいことがあった場合、メモをとって、帰ってからチェックするつもりでいても悲しいかな、大体忘れます。
N市では先週金曜日にボストリッジの演奏会がありました。
「冬の旅」です。考えぬかれた演奏でした。
悲しいかな、どう素晴らしいか表現できませんが、構築性だけでなく、全てのニュアンスが内的必然に結び付いたものだったと思います。テノールであれほど深いリートが聴けるとは思いませんでした。
またピアノのドレイクも一分の隙もない計算しつくされた演奏で、冬の旅の精神の陰影をくまなく表現していたと思います。
とても神秘的な時間でした。
_ おおぐま ― 2008年11月29日 03時52分47秒
譜例は、便利ですよね。
今、メンデルスゾーンのヴァイオリンソナタ全集の楽譜が最終校正をむかえています。校訂報告に載せる譜例が膨大な量になってしまい、譜例は載せない、と言われたこともあったのですが、最終的にほとんど全部載せてもらえそうです。
譜例の内容を、すべて言葉で表すと、本当に大変なことになってしまうので、譜例を載せるというのは、とてもわかりやすくて良い方法のはずですよね。
譜例が多いと売れない、というのは、やはり世の中楽譜が読めない人の方が多いからでしょうか。
自分は、5歳の頃から自分で楽譜を読んでやっていたので(親に教え込まれた)、日本語より先に楽譜を読むことを覚えていたのかもしれません。だから、子供の頃は、誰でも楽譜は読めるものだと思っていました。楽譜が読めない人がいる、と中学で知ったときに、びっくりしました・・・
でも、今大きな問題が・・・音大生でも正しく楽譜を読めていない人が、結構多いのです・・・
今、メンデルスゾーンのヴァイオリンソナタ全集の楽譜が最終校正をむかえています。校訂報告に載せる譜例が膨大な量になってしまい、譜例は載せない、と言われたこともあったのですが、最終的にほとんど全部載せてもらえそうです。
譜例の内容を、すべて言葉で表すと、本当に大変なことになってしまうので、譜例を載せるというのは、とてもわかりやすくて良い方法のはずですよね。
譜例が多いと売れない、というのは、やはり世の中楽譜が読めない人の方が多いからでしょうか。
自分は、5歳の頃から自分で楽譜を読んでやっていたので(親に教え込まれた)、日本語より先に楽譜を読むことを覚えていたのかもしれません。だから、子供の頃は、誰でも楽譜は読めるものだと思っていました。楽譜が読めない人がいる、と中学で知ったときに、びっくりしました・・・
でも、今大きな問題が・・・音大生でも正しく楽譜を読めていない人が、結構多いのです・・・
_ I教授 ― 2008年11月29日 23時54分46秒
メンデルスゾーンの全集、大きなお仕事ですね。そう、まさに「校訂報告」こそ、楽譜や写真が欲しいわけです。新バッハ全集なんか、何小節目のいくつ目の音符がどうこう、と、全部言葉で書いてありますから、追跡がたいへん。これからは、視覚的な校訂報告になっていくといいですね。
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(一週間ほど前にこちらのブログを知り、楽しく拝見しています)
譜例のことですが・・・
当然、「できるだけたくさんの譜例」があった方が、分かりやすくて面白いです。
特に、楽曲分析って言うのでしょうか、そういう内容の場合は、譜例がなければ話にならないと思います。
ですが(出版社の方で?)、「楽譜を入れると本が売れないから、楽譜はなるべく使わないで欲しい」という考えがあったとは、驚きました!
信じられないです・・・今でもそのような考えが残っているのでしょうか?
おそらく、楽譜をたくさん入れると「楽譜を読めない人」(相当数いる?)が買わなくなるから」ということだと思うんですが・・・。
ところで、「私は楽譜が読めないので」とハッキリ?言う人が多い現実には、納得いかないものを感じています。
楽譜が読めるor読めないは、別に先天的なものではなく、読む練習をしたかしないかだけのことですよね?
何歳までに読めるようにならなければ、その後いくら勉強してもダメだとか、そういうものでもないし・・・。
なぜ「読めない」と簡単に言い切り、諦めてしまうのかわかりません。
小学校、中学校で9年間も音楽の授業があるのに、「楽譜が読めない人」がたくさんいる事実については、「英会話」などと比べると、全く問題になっていないのも不思議ですが・・・。