第一級の知性 ― 2008年12月05日 23時03分31秒
昔はほとんど読んだことのなかった政界の裏話や国際関係の本を、ときおり読むようになりました。そこで手に取ったのが、佐藤優『自壊する帝国』(新潮文庫)。帝国とは、ソ連のことです。
読んで、度肝を抜かれました。すばらしい文章、たいへんな博識、情報獲得のための、最新にして大胆な行動。著者が第一級の知性の人であることは明らかです。しかもキリスト教神学が専門だと言うではありませんか。
佐藤優さんという方は、鈴木宗男関連でマスコミに採り上げられた方ですよね。そういう人が最近よくものを書いている、という程度の認識だったのですが、これほど優秀な人だとは知りませんでした。いろいろな章も取っていますから、お前今頃わかったの、ということのようです(汗)。さっそく、大宅賞受賞の『国家の罠』も買ってきました。
『自壊する帝国』には、要人との会話がものすごく克明に再現されています。全部記憶しているとも思えないので、ある程度創作しているのでしょうか、あるいは詳細なメモがあるのでしょうか。また、こんなに書いてしまっていいものでしょうか。疑問も生まれますが、ぐんぐん読ませる力は凄いです。
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