「ぼきゅ」ですって? ― 2009年09月20日 22時23分32秒
いま最終の新幹線で、広島から東京に向かっています。広島で買った「あなご寿司」を初めて食べました。売り子のおばさんに「いま作ったばかり。おいしいですよ」と言われ、「じゃ、楽しみに」と応じたのですが、確かに悪くないですね。
合唱コンクールは無事終わり、ほっと安堵しました。合唱王国と呼ばれる島根県は突出した強さで、次々と金賞を取り、2日間のトップである理事長賞も、出雲第一中学が受賞しました。これなんか、すごかったですよ。
講評では言葉を生かすことの大切さについて話したのですが、そこで触れなかった、小さな例をひとつ。女声合唱の歌詞が「ぼく」を主語にしたもの の場合、男の子なり、男の人なりへの気持ちの同化が必要ですよね。でも、単に言葉だけ「ぼく」になる場合が多い。使い慣れていない言葉なので、不自然なのです。しかも、発音が「ぼきゅ」と聞こえます。
若い人の発音で「う」が「ゆ」に近づく傾向は、つねに年長者から嘆かれていることです。しかしあまりにも一般化しているので、これは日本語が変わったと受け止めるべきではないか、と考え始めているのですが、それでも、「ぼきゅ」という人はいませんよね。そのうちに、木下さんの作品も「ロマンチストのビュタがいた」と歌われるようになるのではないでしょうか。
ところで、「ぼく」のアクセントはどうでしょう。私は「ぼ」にアクセントを置きますが、「く」に置く人も、同じぐらいたくさんいます。これほど多用される言葉のアクセントが標準語においてさえ真っ二つというのは、おもしろい現象ですね。
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