無駄を省く2011年02月10日 11時40分39秒

「無駄を省く」努力が行政の方でも盛んに行われていると、報道されています。結構結構。「エコ」というのは、そういうことですよね。私はお金の無駄遣いをすることはある程度ありますが、時間の無駄は、極力切り詰めています。本当は必要なことまで、切り詰めてしまっているのかもしれませんが。

でも、何が無駄か、という判断はむずかしいのではないでしょうか。未来への投資、学問や芸術への投資は、いつも、判断のグレーゾーンにあります。でも今日書きたいのは、そのことではありません。

私は、制度やシステムを変えることに伴う無駄こそじつは非常に大きいのではないか、と思うのです。選挙も、ここに入ります。こういう制度に変えるべきだ、ああいうシステムに変えるべきだという主張にはいろいろなところで出会いますし、「とにかく変えて欲しい」という希望も、よく耳にする。でも、どんな制度も結局は一長一短だ、という経験を、私はしてきました。

お金をかけ、人手をかけて、新しい制度を採用する。しばらくすると、その制度の思わぬ欠点が目につくようになり、いろいろな調査や議論を経て、新しい制度が採用される。よく見ると、以前の制度に戻っている場合もある。このようにして、多額の金銭と、労力と、時間が失われているのが、世の中ではないでしょうか。実例は皆様に周りを見回していただきたいのですが、わかりやすいとしては、小選挙区制の採用が挙げられると思います。

完璧な制度やシステムはない。それを補うのは、運用です。運用がしっかりしていれば、制度やシステムの不備を補って、合理的に、安価に事を運ぶことができる。もちろん人間ですから、不備を利用した悪い運用が行われ、だから制度の変更が必要だ、ということになっているのでしょうが、身の回りであれば、運用によって伝統的な制度やシステムを活かす、という知恵があってもいいように思います。そういう柔軟性が、だんだん許されない時代になっているのでしょうか。

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