今月のCD/DVD2011年12月24日 23時19分50秒

OPUS ARTEのDVDを国内発売しているデノンから、ブルーレイのシリーズが始まりました。《椿姫》、《ヘンゼルとグレーテル》、《ラ・ボエーム》の3点(英ロイヤル・オペラのライヴ)がまず出ましたが、ブルーレイは快適ですねえ。映像も音も、格段によく、進化を実感します。

3つとも、正統的な演出による美しい舞台で楽しめますが、《椿姫》と《ヘンゼルとグレーテル》がとくに、甲乙付けがたい出来栄えです。新聞の1位には《椿姫》を入れましたが、それは、この耳にたこができるほど聴いている作品を、やはり名作だなあと、しみじみ思ったから。フレミング、カレヤ、ハンプソンというキャスティングは伊達ではなく、パッパーノの指揮にも熱い勢いがあります。しかし、キルヒシュラーガー、ダムラウ、トーマス・アレンと揃えたフンパーディンクも、長老デイヴィスの名指揮を得て、劣らぬ出来になっています。

第2位は、エレーヌ・グリモーのモーツァルトのピアノ協奏曲第19番と第23番(+コンサート・アリア)。クリスタルな煌きのモーツァルトですが、独創的なスピリットにあふれていて、バイエルンの室内オケとのコラボレーションも緊密。指揮者なしの演奏のよさを、ますます感じるようになりました。

もう1枠は、藤原道山さんの尺八をウィーンのシュトイデ弦楽四重奏団による、「FESTA」というCDです。バッハの管弦楽組曲第2番の抜粋が入っていますが、トラヴェルソとまったく遜色のない妙技で驚きました。音感といいフィーリングといい、西洋音楽のエッセンスが完全に踏まえられているのです。興味本位のコラボをはるかに超えた、本格的なアンサンブルです。