東海道五拾三次2011年12月26日 09時37分27秒

いまサントリー美術館で、広重「東海道五拾三次」の展覧会をやっています(1月15日まで)。すばらしい展示ですのでご覧ください。宿場1つに対して2つか3つの絵がありますから、1分ずつ見るとしても、できれば2時間欲しいところです。

私の一番大きな感想は、まだ200年も経っていないのに、なんと世界は変わったのか、ということです。豊かな自然の中を徒歩で歩き、ところどころに宿場が出てくる、というのと、コンクリートの街並みを車が行き交い、新幹線まで走っている、というのとの違い。一生に一度伊勢神宮や京都を訪れる旅に価値を置く時代と、地球レベルで移動ができ、世界の映像や知識をいながらにして得られる時代の違い。どちらが幸福なのでしょうか。また、たかだか200年弱でこんなに変わるのであれば、この先どんな世界が、人間を待っているのでしょうか。昔の旅人の感性を失いたくないなあ、と思います。

世界の映像ですが、NHKで放映された青ナイルの源流を訪ねる旅には圧倒されました。エチオピア高原の緑豊かな大景観に接し、アイーダの〈おおわが故郷〉というアリアの意味がよくわかりました。